特別支援学校教諭に向いている人とは? 性格や適性を紹介
特別支援学校教諭に向いている性格・適性
気長に待つことができる
特別支援学校にいる子どもたちは、一般の学校の子どものように、教えたことがすぐに理解できるということはありません。
したがって、毎日毎日、同じことを繰り返し指導していきます。
そのため、ゆっくりと待つことができる人が向いているといえます。
たとえば着替えにしても、自分でできない生徒については、着替えがある程度できるようになりまで粘り強く一緒に付き添って教えていきます。
長い時で半年以上かかることもあります。
すぐに結果が出なくても、イライラしたり怒鳴ったりせず、やさしく気長に待ってあげることが大事です。
人の可能性を信じられること
特別支援学校で働いていると、どうしても子どもたちの「できないこと」にばかり注目が集まってしまいがちです。
もちろん、「できない」ことを「できる」ようにするのも大事ですが、先生たちができないことを指摘し続けたり、厳しく接したりすれば、子どもたちは自信を失ってしまいます。
どのような子であっても、必ず個性や得意なことを持っているものです。
障害を抱える子たちと接する特別支援学校教諭だからこそ、一人ひとりの可能性を誰よりも信じて、その子の良いところをどんどん伸ばしていこうという姿勢が大事になってきます。
温かな心を持ち、子どもに自信をつけさせてあげたいという強い思いを持てる人が、特別支援学校教諭には向いているといえます。
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特別支援学校教諭に必要なスキル・能力
体力があること
特別支援学校教諭の場合、体力は普通学校の教諭以上に必要となります。
その理由は、たとえば肢体不自由児の学校には車いすの子どもが多くおり、トイレの介助や着替え介助などで、子どもの体を持ち上げなければならない場面が多いからです。
2人くらいの教諭で1人の子どもを介助しますが、それでも持ち上げるとなるとかなり重いです。
また、知的障害児の学校ではトイレ介助などは必要なくても、走り回るなど落ち着かない子どもが多くいるため、追いかけ回らなくてはならないことがしばしばあり、やはり体力を使います。
そして、多くの特別支援学校では朝1限目を使って体力作りをします。
一番多いのがランニングで、教師も子どもの手を引っ張って走るため、持久力も必要になってきます。
いろいろな人とコミュニケーションをとる力
特別支援学校では、一人ひとりの児童・生徒が抱える障害に対して適切な支援や指導ができるよう、保護者はもちろん、医療機関や地域の関連機関などとも連携していく場面が多くあります。
また、少人数制で子どもたちには密に関わっていき、業務中は他の先生との協力も不可欠です。
いろいろな立場の人と接することになりますので、心を開き、円滑にコミュニケーションをとっていく力はとても大事です。
また、ときに保護者の悩みを聞き、アドバイスをする必要もあるため、カウンセリング能力も求められてきます。
深く悩みすぎないこと
特別支援学校では、複数職員で業務に携わることが常になります。
合う職員と組めれば最高ですが、合わない職員と組むことになると悩みも増えがちです。
また、対人援助職の一面もあるため「成果」や「ここまでやったら終わり」が見えにくい仕事でもあります。
そういった業務特性上、深く悩みすぎない、もしくは悩んでも折り合いをつけたり上手にストレスを発散することができたりするようになると、仕事を長く続けやすくなるはずです。
特別支援学校教諭に向いていないのはどんな人?
先にも挙げましたが、特別支援学校の児童・生徒たちには、他のクラスの子どもたちがすぐにできることでも、できないことが多々あります。
そのため、教師には、とにかく時間をかけてでも、一人ひとりの良いところや得意なところを伸ばしていきながら、苦手なことを克服していくためのサポートをする姿勢が求められます。
すぐに結果が出ないとイライラしてしまったり、やる気をなくしてしまったりするタイプの人では、特別支援学校教諭の仕事は少々つらいものになってしまうかもしれません。
また、特別支援学校教諭には子どもと接することが好きなのは大前提ですが、障害の知識や適切な接し方などの理解も求められるため、その領域に対して興味が持てるかどうかも重要なポイントとなります。