土地家屋調査士への転職・未経験採用はある?

土地家屋調査士への転職状況は?

土地家屋調査士試験の統計をみると、合格者の平均年齢は例年40歳前後となっており、その大半は既に働いている社会人です。

なかには、土地家屋調査士補助として無資格で、あるいは測量士補などの別資格で、土地家屋調査士事務所や測量会社に勤めている人もいますので、社会人合格者の全員が転職組というわけではありません。

それでも、ほかの業界から移ってくる人もかなり多く、とくに建設業界や不動産業界など、土地家屋調査士の業務と関連性の深い分野で働いていた人が目立ちます。

建設業界の場合は土木施工管理技士など、不動産業界の場合は宅建士など、ほかの国家資格をもっている人がキャリアチェンジするケースも少なくありません。

もちろん、まったく関係ない分野から転職してくる人もいますが、土地家屋調査士の仕事は、測量作業をはじめとしてかなり専門性が高いため、隣接業界からの転職者が多い傾向にあります。

土地家屋調査士への転職の志望動機で多いものは?

土地家屋調査士への転職を目指す人の多くは、国家資格取得による独立開業を志すようです。

サラリーマンとしてある程度勤めていると、組織のルールや人間関係に縛られず、もっと自由に働きたいと思うようになる人も一定数います。

あるいは、労働時間や勤務場所の関係で、仕事と家庭生活の両立が難しい場合、ワークライフバランスを見直したいと思うケースもあります。

そんなとき、まったくの無資格で起業するよりも、国家資格保有者しか行えない「独占業務」を複数有する土地家屋調査士になったほうが、脱サラが成功する確率は大きく上がります。

とくに、同じ測量業務を専門とする国家資格である測量士から、より独立に適した土地家屋調査士に転職するケースがよく見られます。

未経験・社会人から土地家屋調査士になるには

土地家屋調査士になるには、土地家屋調査士試験を受けて国家資格を取得することが必要です。

試験の難易度は非常に高く、民法などの法律知識や、測量に関する三角関数などの数学スキルが求められますので、まったく知識ゼロの未経験で、かつ社会人として働きながら合格を目指すのは、かなり大変です。

もしもある程度の経済的余力があれば、現在の仕事を辞めて、1年間ほど試験勉強だけに専念することが望ましいでしょう。

ただ、2年~3年ほどの中期的計画を立てて、通信講座などを利用してコツコツと勉強に取り組めば、働きながらでも資格を取得することは十分に可能です。

なお、土地家屋調査士事務所のなかには、一般的なPCスキルさえあれば、補助者として雇用するというところも数多くありますので、無資格のままでも転職することはさほど困難ではありません。

このため、試験に挑む前に、先に土地家屋調査士事務所などに転職し、実務経験を積みながら、国家資格取得を目指して勉強に励むという道も考えられます。

土地家屋調査士への転職に必要な資格・有利な資格

上述したように、土地家屋調査士事務所などに転職するにあたって、土地家屋調査士の国家資格が絶対に必要になるわけではありません。

ただし、無資格の状態で転職すると、給料は現職よりも大きく下がる可能性がかなり高くなりますので、経済面についてはあらかじめ覚悟しておくべきです。

土地家屋調査士以外で転職に役立つ資格としては、まず測量士補の国家資格が挙げられます。

測量士補資格があれば、ひと通りの測量知識を有していることの証明になりますので、転職活動を有利に進めることができますし、土地家屋調査士試験の一部が免除されますので、試験にも受かりやすくなります。

試験の内容も、土地家屋調査士と比べるとかなり基礎的ですので、働きながらでも資格を取得することはそこまで難しくないでしょう。

そのほか、測量士補よりも難易度は高くなりますが、測量士、一級・二級建築士の国家資格も、測量士補と同様のメリットが得られます。

測量士の仕事

土地家屋調査士への転職に役立つ職務経験は?

土地家屋調査士への転職にあたって最も役に立つのは、設計職をはじめとする、CADを使う職務の経験です。

測量会社などで使用される、専門の測量CADを扱ったキャリアがあればベストですが、AutoCADやJw-CADなど、建築・機械・設備・電気制御設計などに用いられる、汎用のCADスキルでもかなり有効です。

CADの基本概念についての理解があれば、測量CADもそれほど苦労することなく操作できるようになるでしょう。

また、土地家屋調査士は、依頼者や隣地の地主、役所の担当者など、数多くの人との交渉が必要になる仕事ですので、コミュニケーション能力も非常に重要です。

まったく畑違いの業界であっても、営業マンとしての職務経験や、接客業で働いた経験、あるいは法務部や総務部などで対外折衝にあたった経験があれば、土地家屋調査士として働くうえでも役に立つでしょう。

土地家屋調査士への転職面接で気をつけるべきことは?

土地家屋調査士の転職面接で気をつけたいのは、自身が思い描いているキャリアビジョンの伝え方です。

転職者は、新卒者とは違って年齢を重ねているぶん、一刻も早く独立開業したいという思いが強いかもしれません。

しかし、雇用する側からすると、未経験者に一から仕事を教え、一人前にまで育てるのは非常に手間がかかりますので、「すぐに辞めて独立したい」という人をあまり雇いたくないと思うのは自然といえます。

したがって、土地家屋調査士の転職面接においては、少なくとも数年間は、しっかりと腰を据えて勤め続ける意思があることを明確にしたほうがよいでしょう。

独立を成功させるためにも、はやる気持ちを抑えて、専門スキルの強化やコネクションの構築に注力するべきです。

土地家屋調査士に転職可能な年齢は何歳くらいまで?

土地家屋調査士試験に年齢制限はありませんので、たとえ何歳であっても、試験を受けて合格すれば、土地家屋調査士になることができます。

資格制度上は実務経験も必要ありませんので、資格取得後、いきなり独立開業する方法を取れば、事実上、土地家屋調査士に転職可能な年齢に上限はないといえるかもしれません。

しかし、実際に業務を手掛けるためには、資格だけでなく、ある程度の実務経験が必要であり、実務経験を積むためには、土地家屋調査士事務所や測量会社などに就職しなければなりません。

土地家屋調査士の求人情報をみると、おおむね40歳くらいを上限とするところが目立ちますので、転職可能な年齢も、40歳がひとつの目安となるでしょう。

もしも、年齢制限ギリギリから転職を志すなら、国家資格の取得はとりあえず後回しにして、上述したように、土地家屋調査士事務所や測量会社に就職することを優先したほうがよいかもしれません。

未経験から土地家屋調査士に転職する際の志望動機

土地家屋調査士の業務はかなり専門的であり、また世間一般の知名度もそこまで高くはありません。

そのため、自身が土地家屋調査士という仕事に興味をもったきっかけを述べれば、それがそのまま志望動機となるでしょう。

前職として働く過程で土地家屋調査士の仕事に惹かれたのなら、現在の仕事と土地家屋調査士の仕事の相違点について言及すると、わかりやすく、また説得力のある志望動機を作成できるでしょう。

ただし、資格未取得のまま転職する場合については、本気で土地家屋調査士を目指していることが面接官に伝わるよう、熱意や決意の固さが感じられる内容にすることが望ましいといえます。

そのためには、事前にきちんと土地家屋調査士の仕事内容や試験内容について調べて、必要な知識やスキルをどのように身につけていくのか、具体的に述べられるように準備しておくことが大切です。