土地家屋調査士のつらいこと・大変なこと・苦労

土地家屋調査士のつらいこと・大変なこと

過酷な環境下での作業もある

土地家屋調査士は、製図作業や書類作成といった事務所でのデスクワークだけでなく、測量作業や周辺環境調査といったフィールドワークもこなさなければなりません。

物件の規模によっては、ほとんど1日中屋外作業ということもありますし、とくに夏期は、炎天下のなかで働き続けないといけない日も少なくありません。

また、依頼を受けた物件が、必ずしも整備された市街地内にあるとも限らず、またすべてが平坦地であるわけでもありません。

ときには、やぶをかき分けながら作業したり、傾斜のきつい場所で作業したり、がけの近くで怖い思いをしながら作業することもあります。

専門職であるにもかかわらず、肉体労働的な側面が強くなりやすい点は、土地家屋調査士のつらいところといえるでしょう。

筆界特定が難航しやすい

土地家屋調査士の重要な仕事のひとつに、土地の境界線を確定させる「筆界特定」があります。

筆界特定を行うためには、依頼者だけでなく、隣接する土地所有者にも立ち会ってもらって、承認を得たうえで、書面に捺印してもらうことが必要です。

しかし、隣人にとっては、あくまで「他人の都合」で手間を強いられるかたちになりますので、仕事で忙しかったり、離れた場所に住んでいたりして、作業に非協力的な人も少なくありません。

相手によっては、「そんなこと知らない」と最初から関わることを拒否され、承認はおろか、説明を聞いてもらうことさえ苦慮するケースもあります。

他人の費用で境界を確定してもらえるのですから、隣地所有者にとっても決してメリットのない話ではないのですが、まだまだそうした制度が十分に浸透していないこともあり、理解が得にくいようです。

とくに元々の人間関係があまり良くない場合などは、対応をひとつ誤ると、裁判まで含めた大きなトラブルに発展する可能性もあり、土地家屋調査士の責任はきわめて重大です。

土地家屋調査士の悩み

土地家屋調査士の多くが抱える悩みとして、依頼数が世の中の景気に影響を受けるため、収入が安定しにくいということがあげられます。

好景気のときは、戸建て住宅やマンションなどの新築着工件数が増え、また公共工事も増えますので、表題登記や測量作業などの案件も獲得しやすくなります。

しかし、不景気のときは、建設工事や不動産取引自体が停滞しますので、自然と土地家屋調査士への依頼も減少します。

数多くの案件をこなすには、補助者などのスタッフを雇う必要がありますが、仕事がない時期は、人件費の負担が増え、経営を圧迫する要因となります。

景気動向を注視し、今後の需要を見極めて、事務所の舵取りを行わなければならない点が、土地家屋調査士の頭の痛いところです。

土地家屋調査士を辞める理由で多いものは?

土地家屋調査士を辞める理由で多いのは、独立開業に失敗したケースです。

土地家屋調査士は、国家資格保有者しかできない「独占業務」が複数あり、また初期投資費用もそれほど多くはかからないため、かなり独立しやすい職業ではありますが、それでも誰もが成功できるわけではありません。

測量技術や法律に関する知識だけでなく、経営者としての経理知識や税務知識、管理能力などが必要になりますし、とくに安定的に依頼を獲得するための営業力やコネクションは非常に重要です。

また、地域によっては、古参の土地家屋調査士が長年にわたる経営で強固な地盤を築いていたり、あるいは案件数に対して土地家屋調査士が多かったりして、十分な依頼がまわってこないこともあります。

営業や人付き合いが苦手だったり、開業地のマーケティングが不十分だったりすると、独立が失敗に終わって、土地家屋調査士を廃業する人も一定数います。