土地家屋調査士試験の難易度・合格率

土地家屋調査士資格とは

土地家屋調査士資格は、法務省を監督官庁とする国家資格であり、国家試験を受けて合格するか、法務省職員として一定年数勤めた後、法務大臣からの認定を受けることで、資格が取得できます。

資格取得者は、各都道府県の土地家屋調査士名簿に登録することで、土地家屋調査士を名乗り、業務を請け負えるようになります。

土地家屋調査士には、不動産の表題登記や筆界特定といった、資格保有者にしかできない「独占業務」があり、土地家屋調査士以外がこれらの業務を第三者から委託すると、法律による処罰の対象となります。

独占業務があることは、それだけ資格を取る価値があるということであり、安定的に仕事を得ることにつながります。

土地家屋調査士になるには? 資格を取るには?

土地家屋調査士試験の内容

土地家屋調査士試験は、筆記試験と口述試験の二段階選抜で実施され、口述試験に進めるのは筆記試験に合格した人だけです。

筆記試験は午前の部と午後の部に分かれており、試験時間は午前が2時間、午後が2時間半となっています。

午前の部では、平面測量に関する計算問題が10問、作図問題が1問出題されます。

午後の部では、不動産登記法と民法に関する法律問題がマークシート形式で20問、土地と建物に関する問題が記述式で各1問ずつ、計22問が出題されます。

口述試験では、土地家屋調査士の業務に必要となる基礎知識について、1人15分程度で面接が実施されます。

土地家屋調査士試験の受験資格

土地家屋調査士試験には受験資格がなく、年齢や学歴、実務経験の有無にかかわらず、誰でも試験を受けることができます。

ただし、測量士、測量士補、一級建築士、二級建築士のいずれかの資格を所持している人については、上述の午前の部の試験が免除されます。

午前の部の試験は非常に難関ですので、まず取得難易度の低い測量士補の資格を取ってから、土地家屋調査士試験に臨むというルートが一般的となっています。

予備校のなかには、最初から土地家屋調査士と測量士補の資格同時取得を目指すコースを設けているところも珍しくありません。

土地家屋調査士試験の難易度・勉強時間

土地家屋調査士試験の合格率は、かつてと比較するとやや上昇傾向にありますが、それでも8%~9%という低い水準で推移しています。

非常に難易度の高い試験といえますが、合格率を下げている大きな要因のひとつに、足切り制度の存在があります。

午後の部の試験で課される択一式問題と記述式問題には、それぞれに「基準点」が設定されており、どちらかの得点が基準点に満たないと、その時点でもう片方は採点すらされず、即座に不合格となります。

このため、どちらかの失敗をもう片方でカバーするということができませんので、合格するためには、択一式と記述式をバランスよく得点することが求められます。

合格までに必要な勉強時間は、700時間~1000時間がひとつの目安とされており、1年~2年ほどかけて受験対策に励むケースが一般的です。

土地家屋調査士試験に合格するには?

上述したように、受験者の大半は、先に測量士補の資格を取得して、午前の部の免除認定を受けます。

そして、筆記試験の後に実施される口述試験で落ちる人はほどんどいません。

従って、土地家屋調査士試験の合否は、実質的に午後の部の出来がほぼすべてとみなすことができます。

択一式の20問は1問2.5点で50点満点、記述式の2問は1問25点で50点満点、合計100点満点であり、近年の基準点は各30点~35点前後、合格点は70点~80点前後です。

以下では、択一式と記述式、双方のポイントを簡単にご紹介します。

択一式のポイント

択一式の近年の傾向をみれば、不動産登記法から16問、民法から3問、土地家屋調査士法から1問程度の出題となっています。

民法は、総則、物権、親族・相続からの出題がメインであり、債権からはほとんど出題されません。

例年、合格者と不合格者の総得点は僅差ですので、この択一式の正解が1問多いか少ないかで合否が分かれることもよくあります。

過去問や模試などでは、正答率8割、つまり16問正解を目標に、勉強に励みましょう。

記述式のポイント

記述式では、座標や面積を定めるための計算問題や、図面作成問題、数ページにわたる資料からどんな登記が必要なのかを問う読み取り問題などが出題されます。

記述量の多さの割には試験時間が短く、かなりのスピードが要求される内容となっています。

単に知識を丸暗記するだけでは得点できませんので、「なぜそうなるのか」についての理解が必要です。

計算問題では、三角関数などの数学力が求められますが、出題内容はある程度パターン化されていますので、慣れれば電卓のボタンをどう押すかだけです。

演習問題を繰り返して、身につけた知識を応用する力を養いましょう。