女性の土地家屋調査士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の土地家屋調査士の現状

土地家屋調査士会の統計によると、個人の登録会員は全国に約17,000人ほどいますが、そのうち女性はおよそ500人ほどとなっています。

法人会員もいますので、一概にいえない部分もありますが、単純に計算すると女性割合はわずか3%となり、女性の土地家屋調査士はきわめて少数派といえます。

土地家屋調査士の仕事は、デスクワークだけでなく、測量作業や物件調査といったフィールドワークもかなりのボリュームがあり、体力的な負担もかなり大きいため、女性のなり手は少ないようです。

ただし、それはあくまで「女性の志望者が少ない」というだけであって、やる気さえあれば、女性でも土地家屋調査士として活躍することは十分可能です。

近年は測量機材の軽量化が進んでいますし、ほかの多くの職業と同様、女性の社会進出も盛んになりつつあります。

土地家屋調査士試験の合格者をみても、ここ数年は6%〜7%が女性となっていますので、土地家屋調査士試験の女性比率は、これから徐々に高まっていくものと想定されます。

女性の土地家屋調査士の強み・弱み

かつて、不動産所有者というと、男性が大半を占めていました。

しかし、昨今は配偶者の死亡による相続などで、女性が地主となるケースが増えていますし、また女性がマイホームを購入するケースも増えています。

このため、土地家屋調査士への依頼者も女性が増加傾向にありますが、不動産購入や相続は、個人のプライベートな事情に深く関わることも多いため、同性同士のほうが気軽に相談しやすいという人も少なくありません。

女性の土地家屋調査士は現状まれですので、「女性である」ということそのものが、女性土地家屋調査士の強みといえるでしょう。

反対に、女性土地家屋調査士の弱みとしては、やはり男性よりも体力面で劣るということです。

機材の軽量化が進んでいるとはいえ、案件によっては足場の悪いところを何時間も歩き回ることもありますし、夏は炎天下の下で、冬は雪の降るなかで、長時間の作業に追われることもあります。

さらに、境界標識となる杭を打ち込むための穴掘りなど、筋力が求められる作業もあります。

女性でもそれらの作業をこなすことはもちろん可能ですが、土地家屋調査士の仕事には肉体労働という側面もかなり強くあり、どうしても女性はハンデが大きいかもしれません。

結婚後の働き方

土地家屋調査士の多くは、独立してフリーランスとして働きます。

会社員と比べると、仕事量や労働時間などはかなり自由が効きますので、家事などの家庭生活と仕事を両立させやすく、結婚後も仕事を続ける人がほとんどです。

ただし、ときには納期の都合などで早朝から働かないといけないこともありますし、関係者との付き合いで帰宅が夜遅くになることもあります。

土地家屋調査士の仕事に熱心であればあるほど、プライベートに割ける時間は少なくなりますので、仕事に対する配偶者の理解を得ることは不可欠といえるでしょう。

相手によっては、独身時代とまったく同じだけの依頼をこなすことが難しく、ある程度仕事をセーブしないといけないこともあるかもしれません。

土地家屋調査士は子育てしながら働ける?

土地家屋調査士は、法務局の管轄の関係上、ある程度エリアを限定して仕事をするケースが一般的です。

地主が遠方に住んでいる場合など、出張する機会もなくはありませんが、基本的に長時間の移動もなく、地元地域のみで大半の仕事は完結します。

このため、保育園や幼稚園の送り迎えを毎日自分でこなすことが可能であり、子どもが熱を出した場合など、急な事態にも対応しやすいといえます。

独立開業していれば、事務所を自宅と兼用にすることで、仕事の合間に子どもの面倒をみることもできるでしょう。

もちろん育児は大変ですので、周囲のサポートが必要なのは当たり前ですが、工夫次第で土地家屋調査士の仕事と子育てを両立することも十分に可能です。

土地家屋調査士は女性が一生働ける仕事?

近年は、政府主導の「働き方改革」の影響もあって、あらゆる職場で女性でも働きやすい環境づくりが推進されています。

ただ、そうした取り組みはまだまだ道半ばであり、保育所の「待機児童問題」に象徴されるように、どうしても家事や育児の負担が重くなりやすい女性がキャリアを継続することは、困難といわざるを得ません。

しかし、土地家屋調査士であれば、フリーランスとしてのメリットを最大限に生かすことで、ライフイベントの多い女性であっても、無理なく仕事を続けることが可能です。

また、土地家屋調査士の国家資格は、一度取ってしまえば生涯有効ですので、子育てがひと段落したあとに、再び仕事に戻ることも容易です。

土地家屋調査士は、ある程度の体力が必要になることを差し引いても、女性にメリットの大きい職業のひとつといえるでしょう。