土地家屋調査士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

土地家屋調査士の業務スケジュール

土地家屋調査士は、CADを用いた計算作業や製図作業、法務局へ提出する申請書類の作成といったデスクワークと、対象物件の測量作業や調査といったフィールドワークの双方をこなすことが必要です。

このため、土地家屋調査士の業務スケジュールは日によってさまざまで、ほとんど1日中事務所から一歩も出ず、内勤だけで過ごすこともあれば、反対に、外勤だけに1日を費やすこともあります。

進捗状況の異なる案件を一人で複数抱え、同時並行で作業を進めるケースが一般的であるため、土地家屋調査士は段取りよくこなしていく手際のよさが求められる仕事といえます。

ただし、土地家屋調査士は法務局の管轄の関係もあって、ある程度地域を絞って案件を請け負うため、個々の移動時間はさほど長くはなく、出張が必要になることもまれです。

移動が短い分、スケジュール繰りはそれほど厳しくありませんし、身体的負担も軽く、また家事や育児、介護といった家庭生活とも両立させやすいでしょう。

ワークライフバランスを取りやすいことは、土地家屋調査士の大きな生活上の利点です。

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フィールドワーク主体で働く土地家屋調査士の1日

土地家屋調査士の外訪先は、調査対象物件、隣地所有者、法務局、市役所、他士業事務所などであり、隣地所有者が遠方に住んでいるケースなどを除けば、いずれも近場で済みます。

ただし、測量作業は複数の地点からデータを収集しなければならない関係上、かなり時間がかかりますし、隣地所有者に境界確定の承認印をもらうにも、時間をかけて説明しなければなりません。

このため、物件の規模によっては、フィールドワークが複数日かかるケースもめずらしくなく、事務所と対象物件を何度も往復することもあります。

8:00 出勤
作業着に着替えて、対象地に移動します。
8:30 現場作業
安全確認を行ったうえで、前日の境界確定に基づいて、杭の打ち込み作業を実施します。
11:00 法務局訪問
法務局に移動し、次の案件の対象地に関する登記簿や測量図を閲覧します。
12:00 昼食休憩
外食することもあれば、時間がないときなど、コンビニで済ませることもあります。
13:00 事前調査
次の案件の対象地を訪れ、午前中に取得した資料を参照しつつ、現地調査を実施します。
15:00 市役所訪問
市役所を訪れ、市道との境界確定について、必要な手続きを担当者と協議します。
16:00 帰社
事務所に戻って、本日収集したデータを整理します。
18:00 退社
残務処理を終えたら、できるだけ早く帰宅するよう努めます。

デスクワーク主体で働く土地家屋調査士の1日

土地家屋調査士は、クライアントをはじめ、地方自治体の担当者や、司法書士行政書士といった士業資格者など、多数の関係者と協議しながら仕事を進める必要があります。

とくに、クライアントとは、お互いの齟齬を失くすために、案件の進め方や作業日程、かかる費用など、さまざまな内容について綿密に話し合わなければなりません。

このため、書類作成などの事務処理だけでなく、打ち合わせにも1日のうちの多くの時間を割くことになります。

8:00 出勤
メールチェックやスケジュール確認、朝礼などを実施します。
9:00 製図作業
CAD(設計・製図支援システム)を用いて、測量図を作成します。
11:00 申請書類作成
法務局に提出する申請書類を作成します。
12:00 昼食休憩
外で食べたり、持参した弁当を食べたりします。
13:00 打ち合わせ
顧客である不動産業者との面談を行い、作業の進め方や見積について確認します。
15:00 報告書作成
前日実施した境界杭打ち込み作業について、顧客に提出する報告書を作成します。
17:00 電話連絡
不動産業者との打ち合わせに基づいて、境界確定が必要になる隣地所有者に連絡を取ります。
19:30 退社
仕事がひと段落したら、退社します。

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土地家屋調査士の勤務時間・休日

土地家屋調査士の勤務時間

土地家屋調査士が勤務する土地家屋調査士事務所や測量会社の勤務時間は、9:00~17:00前後に設定されているケースが一般的です。

ただし、多くの土地家屋調査士は独立して自分の事務所を開き、フリーランスとして働くため、働く時間帯や1日の勤務時間などは自分次第といえます。

早朝から現場に出て作業を終わらせ、そのぶん早めに帰宅したり、あるいは逆に午後から仕事を始めて夜間にかけて働くなど、日によって勤務時間を変えることもよくあります。

また、土地家屋調査士が受け取ることのできる報酬は、こなした案件の数とほぼ比例するため、より多くの収入を得るために勤務時間は設定せず、朝から晩まで働き続けることもできます。

測量作業は日中の明るい時間帯にしか行えないため、多少の制約はあるものの、勤務時間に関しては比較的自由度の高い職業といえるでしょう。

土地家屋調査士の休日

土地家屋調査士の休日は、勤務時間と同様、ある程度は自由に設定できますが、業務と密接な関係にある法務局に合わせて土日祝日を休日としている人が多いようです。

ただし、依頼者によっては平日は仕事で時間が取れないため、土日に事務所に出て打ち合わせすることもありますし、案件の納期が差し迫っているために土日も働かないといけないこともあります。

依頼がなければ、土日だけでなく平日も休みにすることもできます。

しかし、そのぶん収入は目減りするため、休みが多いことがいいというわけでもありません。

それでも、たとえば子どもが熱を出したときなど、急な事態でも休みに融通を効かせやすいことは確かであり、ワークライフバランスを取りやすいといえるでしょう。

土地家屋調査士の残業時間は?

土地家屋調査士の残業量は、自身が抱える案件の数や案件の種類、自身のスキル次第といえます。

数多くの案件を引き受けると、測量作業や物件調査だけでなく、計算作業や製図作業、登記申請書類作成などのデスクワーク量も多くなるため、どうしても夕方以降も仕事が残りがちです。

また、土地家屋調査士の仕事は、依頼者はもちろん、その家族や、役所の道路管理課、法務局の職員、隣地所有者など数多くの関係者が絡むため、一人ひとりとの打ち合わせにも多くの時間がかかります。

事務処理能力や折衝能力に長けていないと思うように仕事が進まず、残業時間が増えていく可能性もあります。

土地家屋調査士は忙しい?激務?

土地家屋調査士の繁忙期としては、1月~3月末にかけての年度末が挙げられます。

年度末は、決算処理の関係で法人間の不動産取引件数が増加しますし、地方自治体からの公共案件の納期も年度末に一斉に締め切りを迎えます。

このため、とくに3月は非常に忙しく、土地家屋調査士によっては土日も休日返上で仕事に追われるうえ、それでも作業が終わらないために帰宅できず、事務所にこもりっきりになるケースもあります。

ただし、新年度に入ってお花見のシーズンを迎えるころには、年明け以降ずっと忙しく働いたぶん、比較的ゆっくりと休めるようです。

土地家屋調査士の休日の過ごし方

土地家屋調査士は、お客さまあっての商売であるため、どうしても自分よりも依頼者や関係者の都合を優先させなければならず、休日に急に仕事が入るケースもめずらしくありません。

このため、休日の過ごし方としては、どこか遠くへレジャーに出かけるというよりも、自宅でゆっくりと過ごしたり、出かけるとしても近場で済ませることのほうがずっと多くなります。

ゴールデンウイークやお盆、年末年始といった長期休暇についても、まとまって全部休めることは少なく、実家が遠方だと帰省することもなかなか難しいかもしれません。

365日、仕事が頭から離れないというのは、自営業者である限り仕方のないことといえますが、オンとオフの切り替えができないという声もよく聞かれます。