【2021年版】家具職人の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「家具職人」とは

無垢材などを用い、家具の設計図面を基に木材の切り出し、加工、組み立て、塗装を行う。

家具職人は、家具デザイナーが設計した図面に基づいて、家具を製作する仕事です。

技術の発展によってオートメーション化が進む家具工場が増えているものの、一部の作業は手で行うことや、オーダーメードでひとつひとつ手作業で製作することもあります。

家具職人にはそれぞれ専門性があり、いわゆる「箱物」の家具を専門としている職人、布張りの技術等にも長けている家具職人、家具の製作に必要なパーツを専門に製作している職人などがいます。

家具職人が、家具デザイナーを兼ね、設計から製作までを一貫して行っている場合もあります。

家具関連のスクールや職業訓練校に通って技術を身につける人もいれば、家具職人に直接弟子入りをして、見習いとして現場で少しずつ仕事を覚えていく人もいます。

機械で大量生産される低価格の家具が増えている現代ですが、一方では確かな技術で作られた家具の魅力が再確認されています。

今後は独創性のある家具を製作できる職人が人気を集めると考えられ、技術力と創造力を身につけることで活躍し続けることができるでしょう。

「家具職人」の仕事紹介

家具職人の仕事内容

家具を作り出すためのさまざまな業務を行う

生活に欠かせない家具を作り出す

家具は私たちの生活に欠かせないものです。

現在は大手メーカーにより大量生産が可能になり、気軽に家具を買えるようになりましたが、その一方でオーダーメードの家具も人気を集めています。

その家や会場一つ一つに合わせた家具づくりは、家具職人がいなくては成り立ちません。

また、工房を統率する立場に当たる職人は、経営者とし、工房の収支等も計算しながら戦略を立てていく役割も担っています。

工房の代表者として営業等の対外的な活動を行う場合もありますし、技術を継承するために弟子達の教育にも力を入れなければなりません。

もちろん、従業員の安全管理も重要な職務となり、親方ともなると、職人と経営者、教育者といずれの側面もそつなくこなす能力が要求されます。

家具職人の働き方

家具職人は、家具製作会社や工房で働くほかにもさまざまな働き方があります。

企業や工房で経験を積んだ後に個人で開業することを目指す家具職人も多く、ウェブ上で容易に製品の販売をしている人も増えてきています。

また全国には木工技術を学ぶことのできる学校があり、家具職人には、そこに通う人たちを指導する講師として活躍するという道もあります。

そのほか、ドイツやスウェーデンなど、海外の職業訓練学校で学びながら工房で働き、修了後も現地で就職する家具職人もいます。

そのまま永住する人もいれば、海外での就労経験を日本で生かし働いている人もいます。

関連記事家具職人の仕事内容

家具職人になるには

家具製作の現場に入り修業を始める

家具製作会社や工房に就職する

家具職人になるためには、家具製作会社や工房に就職をすることがスタートになります。

一般的な企業のように新卒採用をしているところは大手の制作会社に限られ、基本的には新卒時やあるいは転職などで、弟子入りのようなスタートとなる場合が多いようです。

未経験者であっても見習いとして企業や工房に就職し、向上心を持って技術の習得に励めば、数年後に一人前の家具職人として独立することも可能です。

また家具職人は、もともと家具の知識が全くない状態から弟子入りすることが多い業界であり、家具製作会社や工房に就職し、初めは見習いとして、ゼロから先輩職人のもとで学ぶケースは今でもあります。

見習いという立場で家具職人としての修業期間を過ごしますが、基本的に家具職人は皆、修行期間を経ているため、未経験者の指導には熱心な人が多く、意欲次第でさまざまなことを学べるでしょう。

ヨーロッパで修業する道も

ヨーロッパでは職業訓練が日本より盛んに行われており、家具職人になるための訓練校も多くあるので、海外で修行するという人もいます。

ドイツには「理論(教育)」と「実習(職業訓練)」からなるAusbildungという職業訓練制度があり、職人(技術職者)なら誰でもAusbildungを受けることができます。

研修期間は職種によって異なりますが、家具職人の場合は通常3年間の訓練期間を経て修了試験を受けると、専門資格を得ることができます。

関連記事家具職人になるには? 必要な資格はある?

家具職人の学校・学費

職業訓練校や家具関連のスクールなど

家具製作を学べる学校には、職業訓練校や家具関連のスクールなどがあります。

学校で学んだ場合でも、いきなり家具職人として1人前になれるわけではなれるわけではなく、家具製作会社や工房へ就職し、下積みが必要です。

しかし、図面が読めることや機械や道具の使い方がわかっていることは強みになり、基礎知識を持った上で下積みを行う方が、技術の習得がスムーズに行えます。

また、学校で就職の斡旋を行っている場合もあるため、家具職人を目指す人に対しては大きなメリットがあるといえるでしょう。

一方で、家具職人は、学校へ通わずに修行を積んでなることもでき、まったくの未経験から家具職人になった人も多くいます。

関連記事家具職人になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・専門学校・スクール)

家具職人の給料・年収

企業に勤める場合と独立して働く場合で異なる

家具製作会社や工房に勤める場合

家具製作会社や工房に勤める場合、会社から給料が支払われますが、会社や工房の規模や知名度、仕事量などよって大きく異なるようです。

スキルと経験によって給料は異なり、勤続5年程度で一人前の職人としての給料になるところが多く、待遇がよいところでは月収35万円ほどになります。

見習いのうちは月収20万円以下が多く、なかには月給10万円程度という人もいます。

あくまでも勉強期間という気持ちでいることが大切です。

しかし、技術が身につき熟練した職人で職長クラスであれば、月収50万円程度を得られる人もいるため、いかにスキルを高めるかが勝負だと言えます。

ただし、家具製作会社や工房によっては、勤続年数が長くても月収が20万円程度という例もあり、年収ベースで300万円ほどのケースが少なくありません。

独立して働く場合

収入アップをする方法として、勤務先と比べてさらに待遇の良い家具メーカーに移ったり、自分で工房を構えたりする方法があります。

ただし自分で工房を構える場合、企業に勤めたときのように一定の給料があるとは限りません。

仕事がなければ収入はゼロになってしまいますが、人気が出て高価格で家具を売ることができれば年収はアップしていくなど、不安定な生活になることは否めません。

また、家具をつくる材料や機材、工房の維持費などを踏まえなければならず、経営者としての素質も求められます。

関連記事家具職人の給料・年収

家具職人の現状と将来性・今後の見通し

安価な家具と高級家具の二極化が進む

家具業界は、人口の減少などから、中長期的には市場規模が縮小しています。

家具市場を見ると、大手家具メーカーやインテリアメーカーによる安価で使いやすい家具と、高品質な高級家具に二極化しています。

この二極化の動きは今後ますます進むと見込まれ、高品質でデザイン性の高い家具を求める人たちのニーズに対応できるような家具職人が求められていくと考えられます。

実力のある家具製造会社や、デザイン力のある工房などが生き残り、特色のない工房は淘汰されていく時代ですが、技術力や独創性があれば、低価格商品と差別化を図ることで、活路を見出すことができるでしょう。

今後の家具業界で生き延びるためには、家具のデザイン力があり、製作の技術力もある、高付加価値商品を生み出すことのできる職人になることが必要です。

関連記事家具職人の需要、現状と将来性

家具職人の就職先・活躍の場

家具関連の企業や工房など

家具職人の活躍の場は、家具関連の企業、工房等などです。

未経験者の場合は見習いとして初めの数年を修業期間として過ごします。

賃金も低く、食べていくのがやっとであることも多いですが、努力して技術を習得すれば独立することも可能です。

また、企業や工房で経験を積んだ後に個人で開業することを目指す家具職人も多くいます。

企業や工房に属している場合、組織としての理念や方針に沿った家具を製作することが求められますが、独立することで自分のコンセプトで家具製作を行える環境が得られます。

個人での家具製作は、収入が安定しないというデメリットもありますが、大きな苦労も伴いう分、クリエイターとして得られる喜びも大きいといえるでしょう。

家具職人の1日

ひたすら作業に没頭する日々

家具の製作は材料の切り出しから完成に至るまでを一人の職人が担当します。

勤務時間の大半は自分の製品の完成に向けてひたすら作業に没頭し、打ち合わせなどがなければ一日中誰とも話さない日もあるようです。

ほとんどは手作業のため、長時間にわたって集中力を持続させる必要があります。

<工房で働く家具職人の1日>

8:00 出勤・作業に使う道具や工具の手入れ
8:30 朝礼・作業の確認や進捗状況などを確認
10:30 午前の休憩
12:00 昼休憩
13:00 お客さまとの打ち合わせ
14:00 デザインや材料の選定などデスクワーク
15:00 午後の休憩
17:00 終礼
18:00 道具や工具類の手入れをして仕事終了

関連記事家具職人の1日のスケジュール・生活スタイル

家具職人のやりがい、楽しさ

ものづくりの楽しさを実感できる

家具の製作は、多くの場合材料の切り出しからすべての工程を、一人の職人が担当することになります。

何もないところからスタートし、誰の手も借りずに作業を進めることには当然困難も伴いますが、その分、製品が完成した時の達成感は何にも代えがたいものです。

家具を製作する作業そのものに携われることを喜びと感じる人も多く、ものづくりの楽しさを誰よりも知り、誰よりも愛する家具職人たちはやりがいを強く感じながら日々作業に励んでいます。

また、製作した家具は誰かの手に渡り、実際に使われます。

長い時間が経っても現役で使われているのを見た時には職人として大きなやりがいが感じられることでしょう。

関連記事家具職人のやりがい・楽しさ・魅力

家具職人のつらいこと、大変なこと

長い修業期間を乗り越える必要がある

家具職人として一人前になるまでには最低でも5年ほどかかるといわれています。

見習いの間は給料も安く、食べていくのがやっとであり、勤務時間外や休日も先輩の技術を見て学んだり、道具の手入れをしたり、展示会等に出かけたりと忙しい日々がつづきます。

このつらい時期を乗り切れるかどうかが、家具職人としての分かれ目となるでしょう。

また家具の製作は材料の切り出しから完成までをすべて一人で受け持つ場合がほとんどです。

そのため、勤務時間内はもくもくと個人作業に徹することになり、長時間高い集中力を維持しなくてはなりません。

作業を継続させることは心身共に楽なことではありませんが、製品が完成したときの喜びは何にも代えがたいものになることでしょう。

関連記事家具職人のつらいこと・大変なこと・苦労

家具職人に向いている人・適性

思いやりがあり、向上心のある人

製作した家具がどのような人の手にわたり、どのように使われるのか、家具職人は常にこのことを念頭に置いて作業をしています。

そのため使い手の立場に立った利便性を追求するのがプロであり、家具を使う人を思いやる心を常に持つ人でなくてはなりません。

また職人の道に生きることを決めたからには、常に向上心を持つことが必要です。

時代による住宅環境や家族形態の変化、また流行により、求められる家具の在り方は常に変化しているため、常にアンテナを張り、情報収集に励む努力が求められます。

他分野に対しても、意欲と好奇心を持って学ぼうとする姿勢が家具職人としての可能性を広げるカギになるといえ、現役で活躍している家具職人は皆、貪欲な向上心を持っている人たちばかりです。

関連記事家具職人に向いている人・適性・必要なスキル

家具職人志望動機・目指すきっかけ

ものづくりへの興味関心を持つ人が多い

家具職人を目指すきっかけは人それぞれですが、多くの場合はものづくりとの出会いと密接に関わっているといえます。

家具職人を志望する人にものづくりが嫌いな人はいません。

自分がどのようにものづくりに出会い、魅せられ、家具職人を志望するに至ったのかを語れるようにしておきましょう。

家具を製作している企業や工房は、それぞれ唯一無二の信念と誇りを持って製品を世に送り出しているため、その企業や工房のどのような点に感銘を受け、魅力を感じたかを明確にしておく必要があります。

どの企業や工房にも当てはまるような表面的なことではなく、志望先の特色をよく研究して自分なりの思いを伝えられるようにまとめておきましょう。

関連記事家具職人の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

家具職人の雇用形態・働き方

正社員として雇用されるほか、独立して働く人も

家具職人の多くは正社員として雇用されていますが、見習い期間中はアルバイトや契約社員として雇われることも多いです。

修業期間中に家具職人の道をあきらめてしまう人も多いため、一定期間適性や力量を見た上で、正社員として雇用するか判断するところもあります。

また、家具職人は独立して個人事業主として働く人もいます。

ただし、いきなり個人で働くという人はほとんどおらず、まずはどこかの企業や工房などに弟子入りして、しっかりとした家具作りの技術やオリジナリティを身に付けたあとに独立するという流れが一般的です。

家具職人の勤務時間・休日・生活

土日はお客さま対応をすることが多い

家具職人の多くは、一般的なサラリーマンと同様に、朝から夕方にかけて働きます。

ただし、独立して個人で活動している家具職人の場合は勤務時間を自由に決めることができ、朝早くから夜遅くまで働く人もいれば、午後から夜間にかけて集中して仕事をする人もいます。

勤務時間は自分の製品の完成に向けてひたすら作業に没頭することになり、ときには一日中、誰とも話さない日もあるようです。

またオーダーメイド製の家具を請け負う際には、お客さまと打ち合わせをしなくてはならず、お客さまが休日である土日は仕事をしているという人が大半です。

企業の工場などで働く場合は土日休みのところもありますが、多くの工房では土日はお客さまの対応をし、代わりに平日に休みを取るというところが多いです。

家具職人の求人・就職状況・需要

経験者を対象とした求人が多い

家具職人の求人は常にある状態ですが、ほとんどが経験者を対象としています。

ただし、未経験者の受け入れを可とする企業も少なからずあり、繁忙期等の期間限定のアルバイト求人は未経験者を歓迎とするところが多いようです。

場合によってはアルバイトから正規雇用されることもあるので、まずはアルバイトとして経験を積むのも一つの方法です。

家具を作る企業や工房には、大型の機械を使い、基本となるデザインをもとに家具を生産するところもあれば、お客さまの要望を一つ一つ聞きながらオーダーメイドで家具を作成するところもあります。

それぞれにメリットやデメリットがあるので、自分がどのように働きたいか、どのような家具を作りたいかなどを具体的に考えた上で選ぶことが大切です。

関連記事家具職人の求人状況・就職先選びのポイント

家具職人の転職状況・未経験採用

職業訓練校を利用して家具職人になる道も

家具職人は学歴や経験を問わないため、新卒と同様に家具メーカーや工房に就職できる可能性は十分にあります。

人手が足りなくなった際に求人を出すところが多いため、採用する際にも中途か新卒かはあまり問われません。

中途採用で家具職人を目指す場合、職業訓練校を利用するという方法があります。

職業訓練校で木材加工を学び、所定の課程を修了すると、就職先まで紹介してくれることもあるため、家具職人への転職を考えている人は、選択肢の一つに加えることができます。

ただし、入校希望者が多い場合など、タイミングによっては希望が叶わないこともあるため注意が必要です。

関連記事家具職人の転職・未経験からなるには?