生命保険会社の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

生命保険会社社員の仕事とは

生命保険会社社員は「保険商品」を作り、個人や法人のお客さまに販売することが仕事です。

そもそも「生命保険」とは、人間の生命や傷病にかかわる損失の保証を目的とする保険のことです。

たとえば、ある人に病気や死亡といった万が一の事態が起こった場合、その治療に莫大な費用がかかったり、のこされた家族に大きな負担がかかったりする可能性があります。

そうした事態に備え、お客さまは保険会社と契約を結び将来の安心を得ると同時に、所定の条件において保険会社から受取人に保険金が支払われることを約束します。

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生命保険会社の種類・分類

国内生命保険会社

国内生命保険会社は「国内生保」といわれる保険会社です。

歴史の古い会社が多く、国内生保で活躍する女性の外交員は「生保レディー」と呼ばれます。

商品は「定期保険特約付き終身保険」などのセット販売が主流となっています。

国内生保の商品は、わかりやすさを重視したものが多い半面、商品設計の融通が効きにくいデメリットも指摘されています。

とはいえ、長い歴史を持つ安心感や信頼感などから、国内生保を好んで選ぶ人も少なくありません。

外資系生命保険会社

外資系生命保険会社は外国資本の保険会社であり、おもに乗合(のりあい)代理店(複数の保険会社の商品を販売している代理店のこと)が販売経路となっています。

国内生保に比べて保険商品の組み合わせの自由度が高く、保険料もやや低めになっているなどのメリットがあります。

また、貯蓄性に重きを置いている商品や、シニア層に向けた商品に力を入れている企業が多い点も外資系生命保険会社の特徴といえるでしょう。

損保系生命保険会社

損保系生命保険会社は「損保系生保」とも呼ばれ、親会社が損害保険会社であり、その系列の生命保険子会社を指します。

1996年4月の保険業法改正によって、損保会社が生命保険子会社を作ることで相互の商品販売が可能になりました。

損害保険ではたとえば「ゴールド免許割引」などの事故リスクが少ないと判断される場合の割引特典があるように、生命保険でも「非喫煙者割引」などを行っているケースがみられます。

通販系生命保険会社

通販系生命保険会社はインターネットで保険を販売する保険会社です。

インターネット上で手続きが完結するため利用者にとって利便性が高く、また保険料も安いのが特長です。

ただし、保険商品の種類が少ない点がデメリットといえます。

共済

「県民共済」や「コープ共済」などの各種共済も生命保険の一種です。

シンプルな商品が多い反面、設計の自由度は低めであり、大きな保障が必要な人にはあまり向いていないでしょう。

生命保険会社社員の業務内容

営業系の職種

個人営業

営業の仕事は、個人を対象とする「個人営業部門(リーテイル分野)」、法人を対象とする「法人営業部門(ホールセール分野)」、代理店に対して営業をおこなう「代理店営業」の大きく3つに分かれます。

個人営業部門は、個人顧客の新規獲得や保険加入者のアフターフォローがおもな仕事です。

お客さまによって現在置かれている環境や人生プランは異なるため、相手のニーズをよくヒアリングしたうえで、その人に適した保険商品を提案しなければなりません。

一定期間の実務経験を経たあとは、一般的には部門を率いる管理職へのキャリアアップを目指します。

法人営業

法人営業部門は「団体保険」や「企業年金」などを取り扱い、企業の福利厚生部分をサポートするのがメインの仕事です。

法人の総務部や人事部の担当者にコンサルティングをしながらセールスを行なっていきます。

個人営業と同様、一定期間の実務経験を経たあとは部門を率いる管理職を目指していきます。

代理店営業

代理店営業は、保険をお客さまのもとに直接届けてくれる代理店に対して営業活動をおこなう仕事で、新規開拓とあわせて「保険の売り方を教育する」ことも業務に含まれます。

外交員

外交員は、個人あるいは法人のお客さまと新たに保険契約を結ぶための営業活動を行う仕事です。

営業職社員と似たような仕事を行いますが、外交員の場合は正社員ではなく「個人事業主」として会社と契約を結んで働くことが一般的です。

なお、保険外交員を務める女性は「生保レディ」と呼ばれ、多くの会社で契約を取るほど報酬が増えるインセンティブ(歩合給)が用意されています。

事務系の職種

アンダーライティング

アンダーライティングとは、保険の契約時に引き受けの可否を判断したり、どのような条件や金額、保険料率で引き受けるかを決めたりする一連の業務のことです。

具体的には、契約前の審査や契約成立を扱う「新契約」、保険料の入金管理や契約管理をおこなう「収納保全」、契約内容に基づき保険金を支払う「保険金支払い」などの業務が含まれます。

これらの仕事は営業職とちがって表に出ることは少ないですが、非常に重要かつ戦略性が求められる分野です。

資産運用

生命保険は長期にわたる契約となるため、将来の保険金支払いに備えることを目的に資産運用をおこなう部門も存在します。

お客さまから預かっているお金をもとに資産運用をしているため安全かつ長期的に運用する必要があり、高い専門知識が求められる仕事です。

日々変化する経済情勢を迅速かつ的確に分析し、さまざまな運用方法によって長期にわたり安定した収益の獲得を目指します。

高い専門性はもちろん、会社が有する大きな資産を動かすことから、一つひとつの取引を冷静に判断していく精神的な強さが求められるでしょう。

開発企画

開発企画は、名前どおり新たな保険商品を生み出す仕事です。

市場のトレンドや需要、社会情勢などさまざまな要因を考慮したうえで、市場に最適な商品を作り出すことが開発企画の使命といえます。

社会の変化をいち早くキャッチすることに加えて、営業職から現場の声を聞いたり、お客さまの生の声を吸い上げたりなど、つねにアンテナを広げて情報収集することが求められる職種です。

一般的な職種

生命保険会社には通常の企業と同じように、経理や総務、人事などの業界に関係なく存在する職種もあります。

一般事務については、正社員ではなく契約社員やアルバイトとして採用される場合も少なくありません。

なお、これらの職種であっても保険に関する専門用語や法律、商品知識などが必要となる場面も多く、働くにあたって最低限の勉強は必要になるでしょう。

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生命保険会社の役割

生命保険会社の大きな役目は、「生命保険制度の運営体制を整えること」です。

生命保険の仕組みは、しばしば「相互扶助」という言葉で表されます。

保険における相互扶助とは、大勢の人が少しずつお金を出し合い、保険料を払ったうちの誰かが事故にあったときは、集まったお金の一部を渡してお互いに助け合っていくことを意味します。

こうした生命保険制度を長期間にわたって健全に運営していくこと、そして保険金や給付金などが受け取り人にしっかり支払われる体制を整えることが生命保険会社のおもな役割です。

生命保険会社に特有の職種

生命保険会社はいくつかの部門から成り立っており、各部門でさまざまな職種の人たちが活躍しています。

その代表的なものとして、まず「営業」が挙げられます。

営業の仕事は、個人や法人のお客さまに対する保険商品の提案や、すでに契約しているお客さまのアフターフォローを行うことです。

販売戦略の企画・立案を行う「営業企画」と呼ばれる業務もあります。

そのほか、保険の契約時に引き受けの可否を判断する「アンダーライティング部門」や、お客さまから預かっているお金をもとに資産運用を行う「資産運用部門」で働く人たちもいます。

生命保険会社の有名な企業

かんぽ生命保険

2006年設立、連結売上高約7兆2,100億円、連結従業員数約8,200名(2020年3月期)。

「かんぽ生命」の愛称で知られる、日本最大の生命保険会社です。

全国に2万局ある郵便局とすべての都道府県に設置している支店を通じて、保険関連のサービスを提供しています。

参考:かんぽ生命保険

アフラック生命保険

1974年創業(日本支店)、連結売上高約1兆4,000億円、連結従業員数約5,100名(2020年3月期)。

がん保険や医療保険などを販売する、大手の外資系生命保険会社です。

1955年に米国ジョージア州コロンバスで創業し、1974年より日本における事業を開始しています。

参考:アフラック生命保険

東京海上日動あんしん生命保険

1996年設立、連結売上高約8,800億円、連結従業員数約2,600名(2019年3月期)。

東京海上ホールディングスグループ傘下の損保系生命保険会社です。

同グループには損害保険会社の「東京海上日動火災保険」もあり、グループ全体で「生命保険・損害保険トータルでのサービス提供」を強みとしています。

東京海上日動あんしん生命保険

生命保険会社の仕事の流れ

生命保険会社のメイン事業は保険商品の販売です。

とはいえ、現在ある保険商品をただ販売するだけでは、思うように売り上げを伸ばすことはできないでしょう。

相手の抱える不安や悩みをていねいにヒアリングし、ニーズに合った提案をおこなわなければなりません。

また、お客さまが提案を受け入れ契約となったあとは、その後のアフターフォローも大切です。

保険に加入しているからといって、すべてのケースで保険金がおりるわけではなく、保険の適用範囲や上限額は契約している商品・プランによって異なります。

複雑な内容も多く、生命保険会社社員はそれらの相談窓口としての役割も果たさなければなりません。

もしも今販売している保険商品では市場のニーズに応えきれない場合は、販売中の商品の改良や、新商品の開発なども検討する必要があるでしょう。