臨床心理士試験の難易度・合格率
臨床心理士採用までの流れ
臨床心理士の資格は国家資格ではないため、心理臨床の仕事に就くうえで必ずしも必要とされるものではありません。
しかし、心理系の民間資格のなかでは歴史が古く、信頼性の高い資格として知られています。
臨床心理士の資格を持っていることで、就職や転職の際に有利になることがあるのは事実です。
職場によっては、採用条件として臨床心理士の資格取得を必須としているところもあります。
しかし、臨床心理士の資格を取得するのは決して簡単なことではありません。
一般的な流れとしては、まずは四年制の大学を卒業した後に心理系の大学院に進学します。
そこで二年間のカリキュラムを修了すると、臨床心理士の資格試験を受けることができます。
内容としては筆記試験と口述試験があり、この試験に合格すると、晴れて臨床心理士として登録をすることができます。
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臨床心理士の受験資格
臨床心理士の資格試験は、誰でも受験できるというわけではありません。
受験資格として、心理系の大学院を修了していることが挙げられています。
この大学院というのは「日本臨床心理士資格認定協会」が定めている大学院のことです。
1種の指定大学院であれば修了、2種の指定大学院であれば修了後に1年以上の実務経験を積むことで受験資格が与えられます。
この他には、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した人も受験が可能です。
あるいは、外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本で2年以上心理臨床を経験した人。
そして医師免許の取得者で取得後に2年以上の心理臨床経験がある人にも、受験資格が与えられます。
臨床心理士の合格難易度
臨床心理士の試験は、非常に難しいものとして知られています。
本試験は一次試験と二次試験に分かれており、一次試験は筆記でマークシート試験と論文記述試験、二次試験では面接が行われます。
一次の筆記試験では、心理学の基礎的な設問が用意されているほか、臨床心理士の基本業務、臨床心理士に関する法律の知識が問われます。
二次試験の面接では、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、そして人間関係能力などが判断されます。
どちらも非常に専門性の高い試験となるため、確実に準備をしておかなければ合格は難しいといえるでしょう。
大学や大学院でコツコツ勉強することはもちろんのこと、それ以外にも予備校に通って試験対策をする人もいます。
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臨床心理士の例年の合格率は?
臨床心理士資格審査の近年の合格率は、毎年60%〜65%前後を推移しています。
令和5年度試験の合格率は66.5%となりました。
合格率だけを見れば、そこまで低いものではないように思えるかもしれません。
しかし大学院での専門的な勉強を経て受験している人がほとんどであることを考えると、簡単な資格試験だとはいえないのです。
ちなみに、試験の合格率が高いことで知られているのは、指定大学院のひとつである放送大学の大学院です。
令和5年度の合格率を見てみましょう。
全国平均が66.5%であるのに対して、放送大学大学院の臨床心理学プログラム修了生の合格率は74.6%(2017年度-2021年度の実績平均)となっています。
通信制の大学院と聞くと「学校に通わなくても勉強ができるのだろうか?」と不安に思う人もいるかもしれません。
しかし現状としては、放送大学の大学院で学ぶ人の合格率は全国平均を大きく上回っています。
通信制でもコツコツ努力をすれば十分に資格が狙えるということがよくわかります。
臨床心理士試験の受験者数・合格率
臨床心理士試験受験者数の推移
臨床心理士試験の受験者数は、増加の傾向が続いていましたが、26年度試験より減少傾向となっています。令和5年度の受験者数は前年度より増加し、1,705人になっています。
臨床心理士試験合格率の推移
臨床心理士試験の合格率は60〜70%の間を推移しています。令和5年度の合格率は66.5%となりました。
令和6年度 臨床心理士資格認定の概要
試験日 | ・一次試験:令和6年10月19日(土) ・二次試験:令和6年11月16日(土)、17日(日)、18日(月) |
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申込受付 | 令和6年6月25日~令和6年8月31日(当日消印有効) |
試験地 | ・一次試験:東京ビッグサイト ・二次試験:東京国際フォーラム |
受験資格 | ・指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足している者 ・臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了した者 ・諸外国で指定大学院と同等以上の教育歴があり、修了後の日本国内における心理臨床経験2年以上を有する者 ・医師免許取得者で、取得後、心理臨床経験2年以上を有する者 など |
試験内容 |
一次試験(筆記)一次試験は、100題のマークシートによる「多肢選択方式試験」(2時間30分)と、定められた字数の範囲内で論述する「論文記述試験」(1時間30分)の2種類を、1日ですべてを実施します。 <論文記述試験> 二次試験(面接)2名の面接委員による「口述面接試験」。「口述面接試験」は、単に専門知識や技術の習得度を確認するだけでなく、臨床心理士としての基本的な姿勢や態度、専門家として最低限備えておくべき人間関係能力の実際が問われます。受験者は、面接試験の場を臨床心理面接のモデル場面のようなものと考え、日頃から臨床実践での備えをしておくことが大切。この二次試験は、臨床心理士になるための資格審査試験のなかでも、とくに専門性からの必然として重要な位置にあると言えます。 |
合格発表 | 令和6年12月下旬予定 |
合格率 | 66.5%(令和5年) |
詳細情報 | 財団法人 日本臨床心理士資格認定協会 臨床心理士資格認定の実施 |