国家公務員の官庁訪問とは

採用のための重要なステップ

国家公務員になるために受ける国家公務員試験は、「最終合格=採用」ではありません。

この採用試験自体は人事院によって行われますが、採用は各省庁によって決定されるため、受験生が内定を勝ち取るためには人事院の試験に合格したうえで、各省庁にも認められる必要があるのです。

そこで、受験生が各省庁へアピールする重要な機会として「官庁訪問」というものが実施されます。

これは、いわば民間企業の就職活動で行われる「面接試験」のようなもので、各省庁ごとに行われます。

官庁訪問によって、省庁側はより自らの組織に合う優秀な人材を選び抜き、受験生側は仕事に対する熱意や意欲を志望省庁へ直接アピールします。

いくら採用試験の成績がよくても、官庁訪問の結果によっては不採用となることも珍しくはありません。

そのため、官庁訪問の前にはしっかりと準備をしておくことが大切です。

官庁訪問の流れ

同じ国家公務員でも、総合職と一般職では、官庁訪問のタイミングが若干異なっています。

総合職の場合は第2次試験まで終了した最終合格発表後に、また一般職の場合は第1次試験合格後、最終合格者が発表される前の段階で希望する府省へ官庁訪問を行います。

官庁訪問の流れは年度によって変更となる場合がありますが、2019年度では以下のような形で行われています。

総合職の場合

総合職の官庁訪問は、およそ2週間の期間内で第1クールから第5クールに分かれて実施され、それを経て「内々定」が出るというしくみになっています。

第1クールと第2クールの計6日間においては、同一省庁への訪問は3日に1回までで、翌日・翌々日の訪問は不可というルールがあります。

基本的に1日に行ける省庁は1つとなるため、第1クールにおいては多くの受験生は第3希望まで省庁を決めておき、3日間でそれぞれを回ります。

第2クールが終わると「リセット」となり、第3クールでは任意の府省に訪問できますが、2日続けて同じ府省へ訪問することは禁止されています。

第3クールが終わると再び「リセット」となり、第4クールでは任意の府省に訪問できます。

第4クールが終わると「リセット」となり、第5クールでは任意の府省に訪問できます。

そして、第5クールの当日(正午以降)に内々定が解禁となります。

総合職の官庁訪問はこのような流れで進みますが、注意しておくべきポイントがあります。

それは、各省庁への訪問修了後、次クールの予約をもらうことができれば次のクールに進めますが、もし採用の見込みはないと判断された場合には、残念ながら予約をもらうことができないという点です。

そのため、途中で良い感触が得られなかった場合には、他の府省への訪問を検討するのが一般的な流れとなっています。

一般職の場合

一般職の官庁訪問は、第1次試験合格者発表日の翌日から40日程度の期間の間に行われます。

ただし、その期間中にある第2次試験の実施期間の官庁訪問は禁止されています。

また、同時期に職場訪問形式の各府省等業務説明会や、人事院地方事務局が主催する官庁合同業務説明会も実施され、各府省の業務内容等について理解を深める機会が設けられています。

官庁訪問では、志望する府庁での面接等を通じてマッチングが行われるほか、各府省等の職員から直接業務説明や経験談を聞くことができる貴重な機会にもなります。

官庁訪問を成功させるポイントは?

官庁訪問を成功させるためには、まず志望省庁に関する情報をしっかりと入手しておくことが大切です。

各省庁で開催される業務説明会への参加、パンフレット、ホームページ、政府刊行物等を活用しながら、官庁研究をしておくことは必須といえます。

また、志望省庁には積極的に足を運ぶべきだといわれています。

「どうしてもここで働きたい!」という意欲を見せることは、決してマイナスにはなりません。

志望動機をきちんと話せるようにしておくことのほか、これまでの自分の経験と身についたこと、さらに自府省の政策に対する考え方を答えられるように準備しておきましょう。

また、国家公務員は転勤も多いため、それに対する自分の考えをまとめておくことも大切とされています。

なお、官庁訪問の内容は面接が基本ですが、グループディスカッションや作文が行われることもあるようです。

また、進め方は府省によってだいぶ違うとされているため、できるだけ訪問予定の府省がどのような官庁訪問を行っているのか、情報を集めておくとよいでしょう。