土木作業員の年収・給料はどれくらい? 日当の相場も解説
土木作業員の平均年収・給料の統計データ
土木作業員の平均年収・月収・ボーナス
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、土工の平均年収は45.9歳で411万円となっています。
・平均年齢: 45.9歳
・勤続年数: 9.9年
・労働時間/月: 167時間/月
・超過労働: 10時間/月
・月額給与: 306,400円
・年間賞与: 434,500円
・平均年収: 4,111,300円
出所:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
土木作業員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは
厚生労働省の統計によれば、土木作業員の年間ボーナスは、月収の約1.4ヵ月分とされています。
一般的な土木作業員の平均年収を411万円と仮定すると、月収の額面金額はおよそ31万円、ボーナスの額面金額はおよそ43万円という計算になります。
ここから、所得税や住民税、健康保険などの社会保険料を差し引いた手取り金額は、独身者の場合には月々23万円から25万円で、ボーナスが34万円程度です。
土木作業員の初任給は19万円~23万円
土木作業員の初任給は、月収19万円から23万円前後が相場とされ、年収に換算すると250万円から300万円程度となります。
職場や作業内容、自身の能力などにより異なりますが、土木作業員の職業は初心者でも即戦力として活躍できる場合があります。
そのため、初任給と職業全体の平均月収の差はそこまで大きくなく、即戦力として働くことで、初めから経験者と同等の収入を得られるケースも珍しくありません。
土木作業員の勤務先の規模別の年収(令和5年度)
土木作業員の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。
10〜99人規模の事業所に勤める土木作業員の平均年収は401万円、100〜999人規模は460万円、1,000人以上の規模では512万円、10人以上規模の事業所平均は411万円となっています。
土木作業員の勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
土木作業員の年収は、年齢とあまり関係性がありません。どの世代においても、おおむね300万円~400万円台となっています。
全年代の平均年収は411万円となっています。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
土木作業員の福利厚生は整えられている
土木工事会社では、有給休暇や病気療養休暇、社会保険、労災保険など、一般的な福利厚生制度がほとんど整っています。
ただし、土木作業員の仕事は怪我や事故のリスクが高く、そのため怪我や病気が発生すると即座に仕事ができなくなる可能性があります。
要するに、彼らの職業は「体が資本」であるといえます。
このため、公的な保障制度に加えて、民間の任意保険にも加入することが重要です。
そうすることで、万一の事態に備えることができます。
このような観点からすると、土木作業員の福利厚生は一定程度は整えられているものの、その職業の特性上、高い水準を保っているとは言い難いかもしれません。
また、土木作業員は非正規雇用で働くケースも多いですが、その場合は基本的に福利厚生の対象外となるため、保険や年金など、自己管理が必要となります。
20代で正社員への就職・転職
土木作業員の給料・年収の特徴
日給月給制の職場が多い
土木作業員の職場では、多くの場所で「日給月給制」が採用されており、働いた日数に応じて月々の給料が変動します。
働く地域や現場にもよりますが、相場は見習いが8,000~9,000円、一般的な職人が10,000~13,000円ほどで、都会で技術力のある人の場合は15,000円程度もらえることもあります。
土木工事は屋外で行われるため、悪天候の日に急遽休みになることが頻繁にあります。
また、勤務場所や時期によっては工事自体が行われないこともあります。
同様に、怪我や病気、個人の都合による欠勤も収入にダイレクトに影響を及ぼします。
そのため、土木作業員の収入は一般的な職業に比べて不安定であるという特徴があります。
経済的な安定を求める場合、スキルの向上や資格の取得などに努めて、固定月給が支給される正社員としての職場で働くことが必要となるでしょう。
ボーナスが少ない
土木業界では、先述したように実際の労働日数に応じて給与が支給される仕組みが一般的です。
そのため、ボーナスが少ない、あるいはまったくない場合も多く見られます。
また、ボーナスがあっても、基本的には年に1回程度の支給であり、その他の支給は大規模な工事の受注や決算期のような特別な場合に限られることが一般的です。
これらの要因は、土木業界の職業全体の平均年収が比較的低い水準になる一因ともいえます。
実力主義の傾向が強い
一般的な職業では、勤続年数や年齢に応じて月々の基本給が徐々に昇給していくことが一般的です。
しかし、土木作業員の場合は逆に、年齢を重ねるにつれて体力的な衰えが影響して仕事量が減少し、給料が低下する傾向があります。
若い時から資格を取得するなどしてスキルを高めていかない限り、給与はあまり上がらないことが多いです。
土木作業員の給与は年功序列ではなく、個人の実力やスキルによって決まる点が特徴的だといえるでしょう。
逆に言えば、努力次第で若いうちから収入を増やすチャンスも存在し、上昇志向の強い人にとってはモチベーションが高まる要素ともいえます。
土木作業員の正社員以外の給料・年収
アルバイト
アルバイトの土木作業員として働く際、通常のアルバイトとは異なり、給与は時給ではなく日給で計算され、おおよそ1万円から2万円程度が一般的な相場です。
1万円は高額に感じられるかもしれませんが、工期が短くて仕事が途切れることも頻繁にあり、年収に換算すると200万円に満たないケースも珍しくありません。
また、単価は地域によって大きく異なり、未経験者の場合、日給8,000円前後のケースも見られます。
派遣社員
派遣社員として働く土木作業員の給与は、日給月給制の場合もあれば、完全月給制の場合もあります。
給与の幅は25万円から50万円前後と幅があり、土木作業の経験があり、さらに施工管理などの資格を持つ即戦力の場合、より高額な給与が期待されます。
一方で、給与は高額ですが、正社員と比べて福利厚生面で不利なケースが多く、また雇用契約の期間も短いため、雇用形態としてはリスクが高いといえます。
独立・開業
土木作業員の中には、経験と資格を活かして独立し、「一人親方」として活動する人や、自分の工務店を開業する人もいます。
このような場合、給与は個人の実力によって大きく異なりますが、元請業者と直接契約することができるため、単価は高くなることがあります。
ただし、年金や健康保険、労災などの任意保険も全て自己負担する必要があります。
収入は高くても、雇われて働く場合との手取り収入の比較は単純ではなく、どちらが手取りが多くなるかは一概にはいえません。
独立することで収入を増やす一方で、保険や福利厚生の面での自己負担が増えることも考慮すべきポイントです。
20代で正社員への就職・転職
土木作業員が収入を上げるためには?
資格を取得し手当を増やす
一つ目の方法として、重機の操縦や玉掛け、CADなど、土木関連の資格を取得し、自身のスキルを増やすことが挙げられます。
土木施工管理技士の国家資格を取得することで、現場監督として活動することができ、日給ベースで3万円程度の高い単価を獲得することも可能です。
資格を取得し高い専門性を持つことで、収入を増やす道が開けます。
特殊な現場での専門スキルを身につける
もう一つの方法として、例えば海中でのコンクリート工事や地盤の悪い土地での地下工事など、特殊な現場での経験を積むことで、専門スキルを磨いていくことが挙げられます。
このような特殊な工事は、対応できる職人が限られているため、専門性を高めていくほど、より高単価での働きが可能になります。
前者の方法は一般的な王道のキャリアアップであり、後者の方法はニッチな分野を攻めていく進路といえるでしょう。
それぞれの方法には異なるチャレンジや報酬があり、個々の適性や目標に合った方向性を選ぶことが重要です。
土木作業員の年収のまとめ
土木作業員の年収は地域や経験により変動しますが、一般的には300万円から400万円程度です。
地域や現場により異なるものの、日当の相場は8000円から15000円程度です。
労働の厳しさや危険性、技術に対して不十分であるという声も大きく、日給月給制であるため一般的な職業に比べて不安定であるという特徴があります。