ケアマネジャーに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
どのような職業でもそうですが、新しい仕事を始める際には、誰もが「自分に向いているのか」を少なからず考えることでしょう。
ケアマネジャーは世の中から広く必要とされている職業ですが、やはり向き不向きもあります。
本記事では、ケアマネジャーに向いている性格や必要なスキル、また、あまり向いていないのはどのような人かを紹介します。
ケアマネジャーに向いている性格・適性
コミュニケーション能力がある
ケアマネジャーは「人」を相手にする仕事です。
以下のような、さまざまな人的ネットワークの中に身を置いて仕事が成り立っています。
- 利用者やその家族
- 行政職員
- 福祉用具会社の営業マン
- 病院関係者
- 地域包括支援センターなどの関係機関
ケアマネジャーは、まさに「介護問題の相談窓口」ともいえ、さまざまな事情を抱える人に関わって問題解決のために働きます。
- 人づきあいが得意な人
- 気配りができる人
- 明朗活発な人
- 物事を明るく考えられる人
相談業務をするうえでコミュニケーション力は重要ですが、ただ話が上手であればいいというわけではありません。
利用者の話をしっかりと聞いて共感的理解を示したり、信頼関係を構築したりするには、「傾聴力」が欠かせません。
また、利用者や家族に対して、物事をわかりやすい言葉で的確に伝えることができることも大切です。
フットワークの軽さ
ケアマネジャーの仕事では、自ら現場に出向いて問題を解決する力が必要です。
事務所の中でケアプランを書くだけではなく、利用者の方に対面してニーズを把握したり、他の専門職や地域とのネットワークを築いたりと、自ら外へ出かけていくフットワークの軽さが求められるのです。
また、忘れてはならないのが利用者のニーズに対する素早い対応です。
ケアマネジャーが迅速に対応することにより、利用者の生活をより良くすることにつながるのはもちろん、ときには生命をも救うことがあります。
ケアマネジャーに必要なスキル・能力
セルフマネジメント能力
ケアマネジャーの仕事には煩雑な事務がつきものです。
仕事を始めたばかりのケアマネジャーは、手掛ける書類の多さに驚くでしょう。
どこに誰にどのように書類を出すのか、郵送か手渡しか、個人情報の取り扱いはどうすればよいかなどを考えながら、てきぱきと書類を処理する能力が求められます。
もちろん事務作業だけでなく、利用者との面接やカンファレンスなど、業務内容は多岐に渡り、毎日数多くの仕事を進めなければなりません。
仕事に優先順位をつけ、複数の業務を同時にこなしていくセルフマネジメント力が重要です。
人的ネットワークをつくる
ケアマネジャーとして仕事をする上では、社内のスタッフとの連携はもちろん、社外の人的ネットワークを活用していくことが大切です。
たとえば、利用者の認定調査をする場合には、行政の担当者に直接問い合わせたり相談したりできると仕事がしやすくなります。
ほかにも、福祉用具や住宅改修の業者の情報を詳しく把握しておくことでスムーズに手続きができるでしょう。
また、地域包括支援センターの主任ケアマネジャーと信頼関係を築くことで、困ったときに相談しやすくなります。
利用者や家族との信頼関係
いくらケアマネジャーとはいえ、サービス利用者やその家族のなかには、知らない人が突然家の中に入ってくることに対し、抵抗を感じる人もいます。
そのため、利用者やその家族と少しずつ信頼関係を築くことは非常に大切です。
また、中立的な態度をとることも重要です。
利用者の話だけを聞いて入れ込んでしまうのではなく、その家族や、実際に介護をする人の話も十分に聞かなくてはなりません。
家族の人間関係に深く入り込みすぎないよう、心理的な距離感にも気をつける必要があります。
信頼関係は簡単に生まれるものではないため、初対面のときから気をつけ、何か問題が起こったときはスピーディーに対応できるようにしておくよう心がけることが大切です。
ケアマネジャーに向いていないのはどんな人?
ケアマネジャーは、多くの介護サービス利用者に対して、必要な情報を提供しながらさまざまなサービスを提供します。
一人の利用者にだけじっくり接することは難しく、常に複数人の利用者のことを意識しながら仕事をしなくてはなりません。
また、ケアマネジャーになると実際に介護の現場に出ることはほとんどなく、事務作業も多くなります。
直接利用者と触れ合う仕事をしたい人は、「介護福祉士」や「ホームヘルパー(訪問介護士)」のほうが向いているかもしれません。
ケアマネジャーの適性のまとめ
ケアマネジャーに向いているのは、人づきあいが得意な人や気配りができる人、明朗活発な人、物事を明るく考えられる人です。
共感的理解や信頼関係の構築のために、傾聴力も大切です。
また、サービス利用者や家族に対して、わかりやすい言葉で的確に伝える力も欠かせません。
ケアマネジャーになると、実際に介護の現場に出ることはほとんどなくなるため、利用者と触れ合う仕事をしたい人は、介護福祉士やホームヘルパー(訪問介護士)など、他の職種についても詳しく調べてみるとよいでしょう。