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仕事体験談

利用者の言葉にならない声を拾う

回答者 : まゆこさん(女性/39歳)

職業名 : ケアマネジャー現在の状態 : 現役経験年数 : 1年

仕事内容
現在、グループホームで働いています。グループホームは、正式には認知症対応型生活共同介護とよばれています。平成18年度から出来た新しい地域密着サービスで、認知症の方たちが家で生活する環境に近い形でケアを受けながら共同生活をするところです。

ここで、わたしは計画作成担当者というケアマネジャーの仕事をしています。グループホームで生活する利用者の方へのケアプランを立てる職務です。

グループホームのケアマネジャーはケアプランを作る仕事をひたすらするというのではなく、利用者の日常的な介護業務も行います。介護業務が入るということで、日勤だけではなく、夜勤や早出の仕事があり、介護従事者と同じように働いています。

認知症の利用者の方ばかりなので、どういったプランを組み立てるかは日々の利用者の方への観察が重要になります。そのためにも、グループホームで介護業務をしながら利用者観察をしてプランを考えるようにしています。

わたしの事業所では、ケアマネジャーの業務を月の半分ほど行い、残りの半分は介護の仕事だけといった勤務パターンです。ケアマネジャーの研修や地域の集会には積極的に参加するように会社から言われているので、研修も仕事として認められ、出張扱いになっています。

グループホームの待機利用者は大勢います。居宅支援事業所のような次の新規契約を心配する必要はありません。
仕事のやりがい
昔は認知症という病気について誤解されて、介護の仕方も介護者中心の考え方で粗雑だったと思います。わたしは、まだ介護保険が始まる前に老人病院の認知症棟で介護職員として働いていました。その当時は、夜間のベッドから転倒防止という理由で、認知症の方のベッド柵を4本使用してベッドを取り囲むように固定して、おまけに手と胴は縛ることが普通でした。

他にも、おむつの中に手を入れる行為のある方に、介護衣(鍵つきのつなぎ服)を着せるとか、夜間に徘徊する方に向精神薬を多量に飲ませて寝てもらうなど、介護者が要介護さをコントロールしやすいような介護方法をとることが主流の時期がありました。

その後、介護保険の導入とともに原則として要介護者の身体拘束は禁止されています。今考えると、まるで動物を扱うような介護?の仕方でした。わたしはそんな介護の仕方に疑問に思い続け、今こうしてグループホームで認知症の方の介護業務、ケアプランを作成しています。

認知症の方に対して、少しでも理解があれば、介護保険前のような介護は有り得ません。例え、認知症があって十分に言葉で表現できない方でも、介護者は関わりかたや観察・見守りなどケアの質を高めることで、利用者の言葉にならない声を拾うことができるのです。

不安定だった利用者の方が安心して暮らされるようになったとき、支援できてよかったと本当にうれしくなります。
覚悟しておいた方がいいこと
ケアマネジャーというと、居宅介護支援事業所のケアマネジャーのように外回りに忙しくしていて、事務所ではデスクワークでパソコンの前に座っているようなイメージがありがちですが、グループホームのケアマネジャーは現場の中で利用者と十分に関わりを持ちながらでないと入居されている方のプランを作ることは難しいです。

認知症に関してよく理解することは大事です。そのための研修というものが用意されています。グループホームのケアマネジャーになるには、ただケアマネジャーの資格だけではなく、認知症介護実践研修を修了していなくてはなりません。研修は年に数回のチャンスなので、逃してしまうと翌年の研修まで待たなくてはいけないようです。

地域によっては、定員いっぱいで研修待ちの人もいます。そして、実際にグループホームのケアマネジャーになったら、夜勤や早出勤務など、介護職員と同じように働くのが一般的です。利用者の方との関わりを持ちながら、観察をして、個々の認知症の利用者の方に沿ったケアプランが出来上がるのです。
給料・待遇
グループホームのケアマネジャー専任の給料というのではなく、介護職員と同様に日勤・夜勤をする仕事です。わたしの場合、正職員として介護及びケアプランの作成業務をするのが仕事で、月に5、6回程度の朝7時から16時までのシフトと、月に2回から5回ほどの9時から18時までのシフト、そして月に2回の夜勤、19時から7時のシフトといった変則勤務です。

基本給は、18万円。それに諸手当として、介護福祉士の資格手当が1万円、ケアマネジャーの資格手当が1万円、実践者研修修了の手当が1万円、夜勤手当は1回につき4000円、他には研修手当が1回700円、年末年始手当は2500円がもらえます。

月収として約21万円はもらえます。老人病院の介護職員として3年、介護福祉士を取得後は老人保健施設で努め、ケアマネジャーに合格と同時に、現在のグループホームに転職して1年になります。給料はこれまでと変わりありません。
この職業を目指す人へのメッセージ
地域密着サービスは介護保険制度の中では、比較的新しい介護サービスになります。そこに、ケアマネジャーの配置が義務付けられ、現場ではまだまだケアマネジャーの需要があります。

しかし、忘れてはならないのが、ケアマネジャーを持っていればよしというわけではなく、認知症を理解するための研修が都道府県や介護福祉士会などで行われ、それに参加しなくてはグループホームでケアマネジャーとして認められず、介護職員となってしまいます。

グループホームの研修システムは、施設ケアマネジャーや居宅ケアマネジャーの部類と違うように設定してあるので、注意が必要です。将来、もしもグループホームの管理者になりたいと思うのであれば、管理者になるための研修を受けなくてはいけません。

なんにしても、グループホームで働くには、認知症の方への関わり方やケアのスキルなど磨く必要がありあます。とてもデリケートな心のケアも考えなくてはいけないので、介護者自身の感性や共感性などはとても大事です。それとともに、人を相手にするこのケアの仕事は、ともすれば自分自身のケアを忘れがちです。介護する側の心や身体のケアも大事にしてください。

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