和裁士の年収はいくら? 給料についてくわしく解説

和裁士の平均年収・給料の統計データ

和裁士は学習期間が長く、国家資格を取るのも難しい仕事ですが、給料は低めです。

和裁士の年収は会社勤めなのか、フリーランスなのかにもよりますし、和裁士の仕事のスタイルや技量によっても大きな差があります。

和裁士の平均月収・年収・ボーナス

和裁士は一定の給料をもらっている人は少なく、着物を仕立てた分だけ報酬をもらうというスタイルが一般的です。

そのため、月収には大きな差がありますが、月収12万円~18万円がボリュームゾーンとなります。

一番多いのは13~14万円ほどのようですが、技術があり多くの着物を手掛ける人は月に50万円ほど稼ぐ人もいるようです。

ちなみにボーナスが出る和裁所はほとんどありません。

和裁士の初任給はどれくらい?

和裁所に未経験の見習いとして入所すると、勉強しながら働くというスタイルになります。

見習いが浴衣や長襦袢が縫えるようになると、ひと月に縫った分だけが給料となる、というシステムの和裁所が一般的です。

見習い始めは縫うスピードも遅いでしょうし、仕立て代が安い簡単な和服しか縫えないため、月に数万円程度しかもらえないことも多々あります。

そのためお給料には期待せず、無料で勉強をさせてもらっている、という気持ちで臨むのが長続きのコツでしょう。

和裁士の福利厚生の特徴は?

和裁所の特徴として、見習い期間は寮や宿舎が利用できるところが多いことがあげられます。

見習い期間は給料が少ない分、食費・宿舎費等を格安にしているところも少なくありません。

また女性が多い職業であることから、柔軟に休みを取れたり、手当てを手厚くしたりと働く女性に嬉しい制度を設けているところもあります。

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和裁士の給料・年収の特徴

仕立て代の目安

和裁士は、手掛けた着物の分だけ仕立て代を得て生活をしています。

月収は1ヶ月に何を何枚縫ったかによって決まります。

主な仕立て代の目安は以下の通りです。

  • 浴衣 10,000円~20,000円
  • 長襦袢 15,000円~20,000円
  • 小紋 25,000円~30,000円
  • 訪問着 30,000円~40,000円
  • 振袖  40,000円~50,000円
  • 留袖 50,000円~65,000円

短時間で縫いあげることがカギ

和裁士の給料は仕立て代に左右されるため、いかに技術を持ち、いかに短時間で多くの仕事を手掛けるかにかかっています。

仕事量は勤め先や取引先によって変わりますが、自分のスキルをアップすればそれだけ多くの収入を得られるようになるといえるでしょう。

季節に左右される収入

和服は季節によって着るものが変わるため、季節によっても収入は左右されます。

基本的には夏物の単衣(ひとえ)は安く、裏付きの着物である冬物の袷(あわせ)の方が仕立て代が高くなります。

春から夏にかけては単衣や浴衣の仕立てが増えるため、収入が減りがちです。

一方、秋冬は七五三や成人式、卒業式などのイベントに合わせ振袖の仕立てが増えるため、夏場よりも稼ぐ和裁士が多いです。

和裁士の勤務先別の給料・年収

和裁士として和裁所などで正社員で働く場合、お給料の水準は月額18万円~20万円と、決して高くはありません。

1級、2級和裁技能士資格を持っていると、正社員登用がされやすくなりますが、特別給料がアップすることはないようです。

しかし各種社会保険、交通費はしっかり支給されるところが多いため、安定を求める人には向いているでしょう。

和裁の経験はあっても1級、2級和裁技能士資格は持っていない場合、給与水準はさらに低くなります。

正社員でも14万円~15万円と、大卒初任給の平均を大幅に下回ることも珍しくありません。

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和裁士の正社員以外の給料・年収

フリーランスの場合の収入

フリーランスの場合は、仕立てる技術とスピード、受注量、季節などによって収入が大幅に変化します。

仕立て日数は、熟練の和裁士だと小紋で1日半、振り袖で2日というのが目安ですが、これは朝から晩まで同じペースで根を詰めて縫う場合を想定しているものです。

一人前になりたてでペースが遅い場合、1日に数時間しか時間がとれない人は、さらに時間がかかります。

上記のペースで1ヶ月に20日間働くとして、すべての和服の種類をバランスよく受注すると、単純計算で35万円~40万円ほど収入があることになります。

フリーランスの現実は厳しい

しかしフリーランスの場合、十分な受注ができないという現状があります。

和服業界自体が縮小傾向のため、和裁士のニーズが減っていることなどが原因です。

そのため、年収が150万円以下の和裁士も珍しくありません。

和裁士の経費

独立し、在宅でフリーランスとして仕事をする場合、月々の経費はほとんどかかりません。

これは和裁士が独立しやすいメリットでもあります。

自ら材料を仕入れたりすることがないため、ランニングコストがほとんど必要ないのです。

経費として必要なものは、裁ち板、検針器、コテといった和裁道具や、糸などの消耗品ぐらいでしょう。

和裁士が収入を上げるためには?

営業努力をする

企業勤めの場合は、ある程度安定した仕事量を維持することができますが、フリーランスの場合は営業努力も必要です。

専門学校や和裁所でのコネクションを大事にし、クチコミなどで依頼を受けることは重要なポイントです。

また、近年ではインターネットで和裁の受注をする人も増えてきています。

さまざまな方法を使って営業を行い、仕事量を増やすことが求められます。

和装に関するスキルを身に付ける

和裁だけでなく、和装や着物に関する別なスキルを身に付けることで、付加価値をつけたサービスをすることができます。

たとえば着付けの資格を取得しお客さまの着付けを自ら行う、カラーコーディネート資格を取得し、反物選びやコーディネートを提案するなど、プラスαの独自性を獲得していくのも重要でしょう。