和裁士の需要、現状と将来性

和裁士の現状

和裁士という仕事は、和服を着る人がいるからこそ成り立つものです。

和服が普段着ではなくなってから久しい昨今では、和服の仕立てやお直しの需要が増えているとは決して言えません。

近年、外出の際のおしゃれ着として「和服」が見直されてきている傾向にあり、海外でも日本の着物文化が注目を集めるなど、和服の需要が絶えることはありません。

ただし、頻繁に反物から和服を仕立てるという人は、日舞やお茶などの芸事をしている人など、ごく一部に限られます。

晴れの日のために和服を購入するという人もいますが、現在はレンタルが主流になっており、1から仕立てをするという人はほとんどいません。

また海外工場で仕立てられた安い既製品も出回るようになり、和裁士の現状は厳しいといえます。

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和裁士の需要

和服の需要が減りつつあるなか、和裁士の需要も減っているかというと、決してそうではありません。

高齢で技術のある和裁士が退職していくなか、若手の和裁士が求められているのです。

ただし、和裁の仕事だけで十分な収入を得ることができるのは、大きな和裁所に勤めていたり、呉服屋やデパートにコネクションがあり、常に仕事を紹介してもらえたりするなど、一部の和裁士に限られています。

物価は上がっているにも関わらず、仕立て代やお直し代は30年前の基準と変わっておらず、和裁士の収入は決して安定しているとは言えないのが現状です。

和裁士の将来性

プラスαのスキルを

今後は、厳しい競争の中で、仕立てが早くて丁寧な人、難しいお直しができる技術がある人といった、プラスαの付加価値がある和裁士がますます求められるようになると考えられます。

また伝統的な和服にはない装飾類など、若者が好む斬新なデザインの和服を仕立てられるような柔軟性やオリジナリティも求められるでしょう。

また、和裁だけではなく着付けの資格を取り、着付け教室や出張着付けなどを副業にするなど、和服に関して出来る仕事を増やしていくことも大切です。

収入をアップさせながらスキルアップすることで、活躍の幅を広げていくことができるでしょう。

和服や和裁のすばらしさを広める

和裁の仕事は、和服の文化なくしては成り立ちません。

和裁士だけでなく、和服に関わる全ての職業にいえることですが、日本の伝統や文化のすばらしさを後世に伝え、広く周知させる必要があります。

和服に興味を持ち、着用する人が増えれば増えるほど、和裁の需要も増えます。

また和裁を学ぶ人を受け入れる側も、若年層に対して手厚いサポートをし、技術を継承していくことが大切です。

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和裁士の今後の活躍の場

和裁の受注に関しては、伝統的にコネクションと口コミなどの紹介がまだまだ一般的ですが、インターネットが普及し、仕事の受発注にも変化が出てきています。

オンラインショップを開いたり、インターネットで和裁の受注を受けたりする和裁士も増えています。

反物からの新品の仕立ての場合は呉服屋や仲介が絡むので難しい現状がありますが、お直しやリメイクであれば、個人開業の和裁士でも顧客を掴むことができるでしょう。

和裁の仕事だけではないさまざまな分野への挑戦と知識が、この先和裁士として生計を立てていくには必要になると考えられます。