パイロットの訓練・機長になるまで

まずは副操縦士を目指す

機長になるためには、その前段階として「副操縦士」を目指す必要があります。

航空法上で2人の操縦士が乗務することが義務付けられている航空機においては、機長と副操縦士が1名ずつ乗務しています。私たちが一般的に乗る大型の旅客機などもそれに当たります。

その場合、操縦に関する最終的な指示や判断は機長が行いますが、副操縦士は機長の補佐や航空管制官との通信を行ったり、経験を積むために自分が操縦を行うこともあります。ただし、副操縦士だけの乗務で操縦することは認められていません。

副操縦士になるには最低でも「事業用操縦士」の資格が必要となり、平均で5年ほどかかります。

副操縦士になるまでの訓練

副操縦士になるまでには、「訓練士」としてさまざまな基礎訓練が行われます。

パイロットには実技訓練のイメージが強いかもしれませんが、実際には机に向かう勉強もたくさんあります。

基礎訓練では「事業用操縦士」「多発限定拡張」「計器飛行証明」の3つの資格取得を目指します。まず、事業用操縦士の国家試験に合格するためには、学科試験の勉強が必要です。航空力学や気象など関する知識を身につけます。

さらに飛行訓練に関しては、海外の訓練施設で単発機(エンジンが1つ)、双発機(エンジンが2つ)を使い、実地試験の合格を目指します。

基礎訓練の次に行われる副操縦士昇格訓練では、フライトシミュレーターや大型機を使った訓練を行い、操縦技術をさらに高めていきます。必要な資格が取得できたら実際の旅客機でも訓練が実施され、社内審査に合格することで副操縦士になれます。

訓練では操縦技術はもちろんですが、機器の故障やエンジントラブル時の対応方法、飛行に影響があるような突然の気象変化があったときにどう判断するかなど、幅広い知識と深い思考力、そして判断力を身につけていかなければなりません。

訓練は厳しい?

訓練の途中で落とされることは基本的になく、ほとんどの人は決まった訓練をこなして無事に副操縦士になっています。

身体を壊して治る見込みがなかったり、どうしても適正がないと判断されてしまえばパイロットとして仕事を続けるのは難しいです。ただし、そのような場合には本人の希望や勤務態度などを踏まえたうえで、地上勤務に配置転換されることもあります。

機長になるまで平均15年!

副操縦士になった後は、経験や訓練を重ねていきながら、機長になるために必要な資格「定期運送用操縦士免許」の取得を目指します。

副操縦士として合計10年間ほど経験と訓練を積み、航空局の機長昇格試験(実技審査)に合格すれば機長になることができます。訓練の間にも実技の審査が行われるなど、その道のりはとても険しいものです。

パイロットとしての訓練を開始してからは平均で15年ほどで、40歳前後で機長になるのが一般的と言われています。中には30代のうちに機長になる人もいます。