「航空整備士」とは

航空整備士_画像

膨大な部品から成り立つ航空機の整備・点検を行い、フライト中の事故を未然に防ぐ。

航空整備士は、航空機の整備や点検を行う仕事です。

航空機は非常に複雑な仕組みであり、最先端の機器の集合体であるため、整備は専門のチームに分かれて、分担して作業を行います。

一般的な勤務先は航空会社の系列の航空整備会社になりますが、航空機やヘリコプターを保有する新聞社やテレビ局、警察や消防などでも活躍しています。

航空整備会社で働く人の多くは、航空の専門学校か大学の工学部を卒業しています。

航空整備士の資格は複数あり、大型の旅客機の場合には専用の資格試験もあるため、就職後も継続して勉強していくことが必要になります。

航空整備は24時間体制で行われるため、勤務体系はシフト制です。

深夜の作業も多く、不規則な生活スタイルになります。

「航空整備士」の仕事紹介

航空整備士の仕事内容

航空機の整備や点検を行う仕事

航空整備士は、航空機の整備や点検を行う、フライトには欠かせない仕事です。

航空機は非常に複雑な仕組みであり、最先端の機器の集合体であるため、整備は専門のチームに分かれて、分担して作業を行います。

一般的な勤務先は航空会社の系列の航空整備会社になりますが、航空機やヘリコプターを保有する新聞社やテレビ局、警察や消防などで活躍する航空整備士もいます。

航空整備会社で働く人の多くは、航空の専門学校か四年制大学の理工学系を卒業しています。

専門職である航空整備士の資格は複数あり、大型の旅客機の場合には専用の資格試験もあるため、就職後も継続して勉強していくことが必要になります。

また、航空整備は24時間体制で行われるため、勤務体系はシフト制で、深夜の作業も多く、不規則な生活スタイルになります。

航空整備士の就職先・活躍の場

航空機メーカーなど多岐にわたる

航空整備士の多くはJALやANAといったエアライン会社に所属しているわけではなく、エアライン会社が委託する関連整備会社に勤め、全国各地の空港を整備の現場として働いています。

そのため、航空整備士を目指す人はまず航空専門学校や大学の航空整備コース、理工学系の学科などで学んだのち国家資格を取得し、エアライン系列の整備会社への就職を目指すのが最も一般的なルートとなっています。

小型飛行機やヘリコプターを運航する航空機使用事業会社、航空機メーカーや航空機系エンジニアリング会社などの航空機系企業、警察や自衛隊などの官公庁などでも整備士の求人があります。

航空整備士の1日

国内線に乗務する場合

空港では24時間体制で整備を行うため、整備士たちは交代制でのシフト勤務をしています。

夜間にドック整備を担当する航空整備士のある一日を見てみましょう。

22:30 出社

23:00 ミーティング、準備体操

23:30 格納庫へ移動して整備作業開始
不具合が出そうなところはないか、部品や装備品を細かく確認していきます。
エンジンの取り外しなど大がかりな整備を行うこともあります。

01:00 休憩

02:00 作業開始

07:30 作業終了、片付け

07:15 次のシフトの担当者へ引き継ぎ

08:00 退社

08:30 帰宅
翌日は休日。仮眠をとってから趣味などでリフレッシュします。

航空整備士になるには

基本資格の取得が必須

数多くの部品が使われた複雑な仕組みの航空機を正しく扱う航空整備士には、専門知識と確かな技術が必要不可欠です。

そのため、一人前の整備士として働くには訓練や勉強を重ねて国家資格の取得が求められているほか、各整備会社内にも独自の社内資格が置かれ、整備士がスキルアップできる体制をとっています。

無資格で整備会社へ就職するのはほぼ不可能となっており、まずは「国土交通大臣指定航空従事者養成施設」で基本となる資格をとった上で就職し、業務経験を積みながらより上級の資格を目指すのが一般的な道となっています。

航空整備士の学校・学費

専門学校や理工系大学

高校卒業後のルートとして、最も代表的といえるのは航空専門学校に進むケースです。

航空従業者指定養成施設に認定されている専門学校では、在学中に行われる技能審査に合格すると、中小航空機の整備に携われる「二等航空整備士」や「二等航空運航整備士」の国家資格が取得できます。

加えて、近年ではJALやANAと提携することで、より上の資格である「一等航空運航整備士」が取得できる学科・コースも誕生しており、就職後の早い段階から活躍できるようになっています。

就職先によって、求められる学歴は異なってきます。

航空整備士の資格・試験の難易度

年齢制限があることも

国家資格である航空整備士の資格試験には受験資格があり、二等航空整備士もしくは二等航空運航整備士の場合は3年以上、一等航空整備士もしくは一等航空運航整備士の場合は4年以上の航空機整備経験が必要となります。

試験の難易度としては、難しいといわれていますが養成施設の代表格である航空専門学校は資格取得を前提としたカリキュラムが組まれているため、本人の努力次第できちんとパスすることができる試験です。

ただし、航空整備会社や航空機メーカーでの採用試験では23歳程度を年齢制限としていることも多いため、大卒で航空専門学校への進学を考えている場合などは注意が必要です。

航空整備士の給料・年収

資格取得で昇給していく

航空整備士は技術職であるため、経験を重ねて上級の資格を取得し、役職を上げたり携われる範囲を広げたりして昇進することで収入は上がっていきます。

航空専門学校卒業生の初任給は17万円程度、平均年収は30代で400万円程度が一般的です。

職場によっては夜勤も入るため、夜勤手当や残業手当が支給されます。

ボーナスや家族手当、住宅手当などの諸手当に加え、大手航空会社系列の整備会社は特に待遇が良く、福利厚生が充実しています。

警察などの官公庁で働く場合は、公務員として安定した収入が望めるでしょう。

航空整備士のやりがい、楽しさ

チームで成し遂げる責任ある仕事

航空整備の現場では、大勢の仲間と一緒に整備業務を行います。

それぞれが専門分野を持ち、お互いプロフェッショナルとして尊敬し合いながら働いています。

大勢の乗客の命を運ぶ航空機。その安全は、航空整備士の手にかかっているといっても過言ではありません。

ひとりひとりの整備士が誠実に行動することで、航空機の安全は保たれています。

非常に責任重大でプレッシャーはありますが、それだけ誇りを持って働けるやりがいのある仕事といえます。

航空整備士のつらいこと、大変なこと

責任の重さと大きなプレッシャー

この仕事ではたったひとつのミスが大事故につながってしまう可能性もあるため、「絶対に失敗できない」という責任を抱えて働かなければなりません。

それは時にプレッシャーとして重くのしかかり、恐怖を感じてしまうこともあります。

また、トラブルがあれば夜中に呼び出されることもあります。

平日も土日も関係なく365日交替制で働くのが一般的な仕事であるため、世間が休みの時になかなか休めないという苦労もあります。

大きな責任が伴うチーム体制での勤務のため、体調管理にも気が抜けません。

航空整備士に向いている人・適性

誠実でまじめである人

航空整備士は多くの仲間と一緒に整備業務を行いますが、自分のミスを隠したばかりに、後々大きなトラブルを引き起こすこともあります。

ちょっとしたことでも絶対に嘘をつかない誠実でまじめな姿勢が求められます。

また、簡単な作業でも慢心せずひとつひとつ確認しながら進めることや、常に謙虚さと誠実さを持って業務にあたることも大切です。

資格を取ってからも、整備士としての知識や技術はやればやるだけ磨かれていくため、常に成長意欲と向上心を持つことも必要不可欠な適正といえます。

航空整備士志望動機・目指すきっかけ

飛行機が好きという気持ちが動機に

航空整備士の志望動機として最も代表的なものは、「航空機が大好き」であることです。

幼い頃から空港で航空機を見てはワクワク、知らない機種を見つけると興奮して、「自分も航空の仕事に携わりたい!」といった憧れの気持ちをきっかけに目指す人が多いです。

けれど、ただ好きなだけや憧れだけでは務まらない大変な仕事でもあります。

もし航空機の整備が甘ければ、フライト中にたくさんの人命に関わる大事故を引き起こす可能性もあるため、常に責任感とプレッシャーがのしかかります。

決して派手な仕事ではありませんが、強い責任感や使命感は整備士の志望動機の根幹を成すものとして、とても大切なものとなるでしょう。

航空整備士の雇用形態・働き方

多くは正社員として就職する

航空整備士という職業も、多くの場合は正社員や正職員といった正規雇用で就職するケースがほとんどです。

民間の航空会社系列なのか、警察や消防、海上保安庁や航空・陸上自衛隊などの官公庁で航空要員として働く航空整備士なのかによって、勤務時間や休日など細かな就業状況は勤務先・契約は変わってきます。

JALやANAなどのエアライン本社へ就職して技術系ゼネラリストや幹部を目指したい場合は、4年制大学の理工系学部卒もしくは理工系大学院修士課程を修了していれば、総合職の技術職採用に応募することも可能です。

航空整備士の勤務時間・休日・生活

夜勤を含むシフト制勤務が基本

航空機は早朝から深夜まで離着陸を繰り返すため、空港で働く整備士は24時間の交代制で働くのが一般的です。

勤務時間帯は会社によってまちまちですが、たとえば3交代制をとっている会社では1日目は早番、2日目は遅番、3日目は夜勤、4日は夜勤明け、5・6日目は休み…といった形を繰り返して働きます。

労働時間は1日平均7.5時間〜8時間程度となっています。

日によって残業をすることもありますが、交代制勤務をとっていることから、残業時間はさほど多くない職場が多いようです。

ただし、急を要する整備が入った場合やトラブル時には、夜中に呼び出されることもあります。

航空整備士の求人・就職状況・需要

定期採用、中途採用も実施される

航空業界は不況や各社間の競争激化によるコスト削減が避けられない問題となっており、エアライン各社でも早くから活躍できる優秀な人材を採用したいという思いがますます強くなっています。

そのため、航空専門学校の一部ではJALやANAと提携することで、在学中に「一等航空運行整備士」資格が取得できるコースも登場し、即戦力として働ける人材の育成に乗り出しています。

ベテラン整備士の定年退職や航空機の発着数増加により航空整備士の需要は高まっており、航空専門学校には整備会社等からの求人情報が多数届くので、希望する企業に採用されるよう、熱意を持って勉強することが大切です。

航空整備士の転職状況・未経験採用

実力ある人材が求められる

大手エアライン系列の整備会社では、募集は年に1度定期的に行われており、専門科目を学び、二等航空整備士や一等航空運航整備士の資格を取得した航空専門学校の卒業生を中心に、大学の航空整備コース卒業生などを採用する方法が中心となっています。

また、大手エアライン以外の航空会社では、既に航空整備士の資格を持っている経験者の中途採用を行う機会も増えています。

その場合、一等航空整備士の資格を持っていれば優遇されるケースが多く、中には二等航空整備士資格でも応募できるところもあるようです。

航空整備士の現状と将来性・今後の見通し

上級資格の取得でスキルアップを

いざ航空整備士になっても、それはキャリアのスタート地点にしか過ぎません。

仕事をこなしながら現場経験を積み、上級の資格取得を目指して勉強を続けることで、仕事の幅が広がっていきます。

また、航空機メーカーなど、航空機製造の現場でも航空整備士の参加が求められることがあるなど、航空業界における航空整備士の活躍の場は多く、またそれに伴う役割と責任は大きいと言えるでしょう。

近年は女性の航空整備士の活躍も目立ち始めており、管理職になる人も出てきているようです。