パイロットの年収・給料はいくら? JALやANA、自衛隊パイロットの年収も調査

航空会社のパイロットは、高収入が望める職業として知られています。

パイロットには「航空機の操縦」という特殊で専門性の高い技能・知識が求められることや、乗客の人命を守る大きな責任が伴うため、よい収入は必然といえるでしょう。

しかしながら、同じパイロットであっても、勤務する航空会社によって収入の格差も見られるのが実情です。

この記事では、パイロットの給料・年収について解説します。

パイロットの平均年収・給料の統計データ

パイロットの平均年収や給料について、各種統計データも見ながら説明します。

高収入の職業

パイロットの仕事では、航空機の操縦という専門性の高い技能と知識が必要で、特別なライセンスも取得しなくてはなりません。

さらに乗客の人命を守らなければいけないという大きな責任が伴うため、そのぶん高待遇で働くことができます。

近年は新型コロナウイルスの影響もあり、以前に比べると給与水準が低めとなっていましたが、世界的にパイロット不足が懸念されるなか、今後も高い水準を維持していくと考えられます。

一般的に、大手の航空会社では早い段階で年収1000万円を超えますが、新規参入の航空会社や格安航空会社などのパイロットの年収は、それよりも低くなる場合が多いです。

ただし、格安航空会社のパイロットはフライト数が多いため、大手と遜色ない年収となることもあります。

なお、旅客機を操縦するパイロットと、報道などの事業目的のパイロットでは、同じ操縦の仕事でも業務の範囲が異なり、年収に違いが出る場合も少なくありません。

パイロットの平均年収・月収・ボーナス

パイロットの平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、航空機操縦士の平均年収は43.4歳で1,779万円となっています。

  • 平均年齢: 43.4歳
  • 勤続年数: 15.6年
  • 労働時間/月: 146時間/月
  • 超過労働: 3時間/月
  • 月額給与: 1,380,500円
  • 年間賞与: 1,224,400円
  • 平均年収: 17,790,400円
  • 厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」

    パイロットの年収の推移_r5

    ※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
    ※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

    パイロットの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

    一般的な航空会社のパイロットの年収は、さまざまな職業のなかでもトップクラスの高収入が得られる職業です。

    パイロットの平均的な手取りの月収は100~110万円ほどです。

    海外や地方など遠方のフライトのたびに手当てがつくため、それによって月収も高くなるのです。

    これに加えて、航空会社の経営に問題がなければ、基本的には年に2回のボーナスがつきます。

    こうした金額もすべて含めると年収は1000万円を超え、機長レベルになると2000万円を超えることも珍しくありません。

    副機長の年収

    副機長(副操縦士)になるためには、「事業用操縦士」の資格が必要であり、最低でも5年の経験が必要とされています。

    副機長を担うようになる30代の中堅クラスパイロットになると、年収は1000~1500万円ほどとなるようです。

    機長の年収

    副操縦士になった後は、機長になるために必要な資格「定期運送用操縦士免許」の取得を目指し、10年間ほど経験と訓練を積み、航空局の機長昇格試験に合格すれば機長になれます。

    パイロットとして最も高い地位にある機長になると、年収は2000万円ほどになると考えられます。

    高収入は地道にステップアップしていった結果だといえます。

    パイロットの初任給はどれくらい?

    パイロットの初任給を見てみましょう。

    日本の大手航空会社であるANAの運航乗務職(自社養成パイロット)の募集要項によると、2023年度の実績では、院卒では月額242,004円、大卒・高等専門学校では月額233,346円となっています。

    出典:ANA 運航乗務職(自社養成パイロット)募集要項

    いずれにしても、初任給としては十分な金額といえそうです

    賃金構造基本統計調査よりパイロットの年齢別平均年収額の推移を見てみると、20~24歳では309万円となっています。

    これだけ見ると特別高いというわけではありませんが、30代になると一気に1000万円を超えるため、上昇幅が非常に大きいといえます。

    パイロットの勤務先の規模別の年収(令和5年度)

    パイロットの年収は、勤務先の事業所の規模によって大きく異なります。

    10〜99人規模の事業所に勤めるパイロットの平均年収は686万円、100〜999人規模は1,229万円、1,000人以上の規模では1,980万円、10人以上規模の事業所平均は1,779万円となっています。

    パイロットの年収(規模別)_r5

    賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

    パイロットの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

    パイロットの年収は年齢とともに順調に上がっていきます。最も年収が高い年齢は55~59歳の2,618万円です。

    全年代の平均年収は1,779万円となっています。

    パイロットの年収(年齢別)_r5

     

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    パイロットの福利厚生の特徴は?

    パイロットは乗客の命を背負って日々の仕事に取り組んでおり、安全な運航のためにはパイロット自身が心身ともに健康でいることが必要不可欠です。

    こうした事情から、基本的に航空会社のパイロットに対する福利厚生は充実しています。

    たとえば、諸手当として一般企業と同様に下記のような支給があります。

    • 年に2回のボーナス
    • 通勤手当
    • 住宅手当
    • 家族手当

    フライトで地方にステイする場合は、1日当たり数千円程度の出張費が支給されるなど、業務内容に応じて細かく手当てがつくのも特徴です。

    この他にも、メンタルヘルスケアのためのサポート体制があったり、スポーツジムや保養所などを格安で利用できたりすることがあります。

    また航空会社特有の福利厚生として、Emploee Free Ticket(エンプロイー・フリーチケット)があります。

    本人やその家族向けの優待航空券のことで、航空会社によってさまざまな違いや利用制限がありますが、無料で飛行機に乗ることができます。

    パイロットの年収が高い理由

    パイロットの平均年収は、他の職業と比べてもかなり高めです。

    ここでは、パイロットが高い収入を得られる主な理由を説明します。

    理由1.道のりが長く、働き続けるのが大変であること

    パイロットを目指す人が航空会社に採用されるまでには、非常に倍率の高い就職試験を突破する必要があります。

    入社後も、数年にわたるトレーニングを受けながら知識を身につけて技能を磨き、さらに身体検査に合格できるよう心身の状態も完璧に整え続けなければいけません。

    新卒でパイロットとして採用された場合、副操縦士になるには最低5年程度、機長になるには10年以上かかるといわれています。

    またパイロットとして乗務し続けるためには、定期的に行われる試験や検査に合格し続けなくてはなりません。

    パイロットは、いくつもの厳しいハードルを乗り越えてきた人だけが就ける職業といえ、だからこそ一般的な会社員の平均年収に比べても、圧倒的にその金額が高くなっているのです。

    理由2.各種手当が手厚いこと

    パイロットは基本給以外にも、乗務手当、宿泊手当、役職手当など、期末手当など、さまざまな各種手当を受け取っています。

    長距離国際線を担当すれば、それに応じて勤務時間や乗務時間も多くなり、乗務手当や宿泊手当てが増えていきます。

    日本の航空会社では、乗務スケジュールを会社が指定するため、乗務時間を自分で決めることはできません。

    そのため、月によって数十万円ほど給与が違うということは珍しくないのです。

    近年はどこのエアラインでもギリギリのパイロット人数で運航しているため、フライト時間や回数も多めになっており、給料も高めを推移しているようです。

    理由3.精神的・肉体的に負担が大きいこと

    パイロットは飛行機という密室、さらに空の上で多くの人命を預るという、非常に責任の重い仕事に従事します

    時差のある地域へのフライトや夜を徹しての操縦なども珍しくなく、不規則な勤務が続く中で精神的肉体的に負担が大きいことが特徴です。

    近年、パイロットの操縦は自動化されつつあるものの、完全に機械やAIに頼って無人化することは難しいものです。

    そのため、代わりのきかない重要な仕事であるということも、年収の高さに繋がっていると考えられます。

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    パイロットの勤務先別の給料・年収

    パイロットには、さまざまな勤務先があります。

    ここでは、パイロットの代表的な勤務先別の給料・年収の特徴を紹介します。

    大手航空会社の年収

    大手航空会社のパイロットは、平均年収が1800万~2000万円程度となっており、最も給与水準が高めです。

    なお、パイロットの操縦のスケジュールは、国内線と国際線問わず決められていき、さまざまなフライトを担当することが多いです。

    キャビンアテンダントであれば、国際線と国内線のどちらの担当かによって収入が大きく変わることがありますが、パイロットの場合、そのようなことは基本的にありません。

    JALのパイロットの平均年収

    2023年3月期 有価証券報告書によると、JAL(日本航空)のパイロットの平均年収は、JAL(日本航空)グループ(パイロット3196名)全体の平均で、1880万円です。

    2019年3月期の有価証券報告書によると、JALのパイロットの平均年収は約2,110万円であったため、新型コロナウイルスの影響を受けて若干下がっていると考えられます。

    ANAのパイロットの平均年収

    ANA(全日空)のパイロットの平均年収は、有価証券報告書などで公表されていません。

    2013年3月期の有価証券報告書によると、ANAのパイロットの平均年収は1,934万円でした。

    この結果から見るに、現在もJALと同程度なのではないかと考えられます。

    LCCのパイロットの年収

    各社の有価証券報告書を見ると、スターフライヤーの従業員全体の平均年収は1,300万円、ソラシドエアでは1,100万円、スカイマークでは884万円となっています。

    大手航空会社より年収は下がるものの、それでもまだ一般的な職業に比べると高収入といえるでしょう。

    自衛隊のパイロットの年収

    自衛隊の年収は、階級や学歴で違いがあります。

    高卒(航空学生出身)、三等空尉でパイロットになった場合、年収は500~600万円ほどと推定されます。

    パイロットであるという事と、操縦できるようになる段階での階級で手当がつくため、一般的な職業よりは若干高めです。

    ちなみにブルーインパルスのパイロットは1等空尉、2等空佐、3等空佐が多く、特別に階級が高いというわけではありません。

    こうした階級から見ると、年収は600~700万円ほどであると推測されます。

    ヘリコプターパイロットの年収

    ドクターヘリ、救助ヘリ、報道用ヘリなどのヘリコプターパイロットの年収は、他の職業と比べても高めに設定されていることが多いです。

    就職先や年代によって異なりますが、年収にすると800~1,000万円前後となることが多いようです。

    ヘリコプター操縦士として仕事で活用する場合には、事業用操縦士免許が必要になり、業界として人員不足に悩まされているため、各航空会社でも1,000万円以上の年収をもらっている方が多いのが現状です。

    ヘリコプターパイロットになるには?

    パイロットが所属する代表的な企業の年収

    会社名 平均年収 平均年齢
    日本航空(株) 847万円 40.8歳
    ANAホールディングス(株) 691万円 45.5歳
    (株)スターフライヤー 500万円 38.2歳

    出典:2024年現在(各社有価証券報告書より)

    日本航空の平均年収

    JALと呼ばれる日本航空の社員全体の平均年収は、40.8歳で847万円です。

    ANAホールディングス(株)の平均年収

    ANA、あるいは全日空の名で知られるANAホールディングスの社員全体の平均年収は、45.5歳で691万円です。

    スターフライヤーの平均年収

    2011年に上場した新興航空会社、スターフライヤーの社員全体の平均年収は、38.2歳で500万円です。

    パイロットの正社員以外の給料・年収

    パイロットは、その責任の重さや業務の専門性の高さから、基本的には航空会社に正規雇用されており、給料や待遇を保障されています。

    毎日の安全なフライトを実現するためには、厳しい身体検査やアルコールチェックなども欠かすことができません。

    そのために、各航空会社は責任を持って、自社のパイロットの教育・管理に取り組んでいます。

    こうした理由から、派遣社員やアルバイト・パート、あるいはフリーランスなどという形でパイロットとして働くことはありません。

    パイロットが収入を上げるためには?

    パイロットとして収入をアップさせるためには、地道に実績を積み重ねてキャリアアップするのが一番の近道となるでしょう。

    パイロットの年収は、基本的には年齢や経験年数とともに上がっていきます。

    厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、最も年収が高くなる年齢は55~59歳の2,531万円です。

    つまり、20代で入社してから30年ほどのキャリアを積み重ねると、年収3000万円に届くほど収入が高くなるのです。

    ハードな仕事であるからこそ、地道にコツコツ続けた先には高い収入を手にすることができます。

    パイロットの年収の将来性は?

    パイロットは、今後より多くの人が飛行機で移動する時代になっていくことで、人手不足が予想されています。

    とくにアジア圏では今後パイロット不足が深刻化することが危惧されており、日本国内でのパイロット需要もさらに増えていくと考えられます。

    さらに、今後は70~80年代に一斉に採用されたベテランの機長が続々退職することや、LCCの台頭により、各航空会社はよりよい人材を確保し、パイロットを養成しようと躍起になっています。

    こうした現状を見ると、パイロット全体の年収は高まっていくと考えられ、今後ますます伸びていくと考えられます。

    「パイロットの給料・年収」まとめ

    パイロットの平均年収は1,779万円で、実際の手取りの月収は、100~110万円ほどになると考えられます。

    基本的には年に2回のボーナスや各種手当がつき、年齢とともに収入も上がっていきます。

    他の職業と比べても高収入といえ、近年は新規参入の格安航空会社などが勢力を伸ばしつつあり、パイロット不足が懸念されているため、収入が極端に下がることは考えにくいでしょう。

    パイロットとして収入をアップさせるためにはキャリアアップするのが一番の近道であり、地道にコツコツ仕事を続けた先には年収2000万円という高い収入が望めます。