ドクターヘリパイロットの仕事内容・なり方や必要な資格・給料を解説

  
ドクターヘリパイロットは、医師看護師を乗せて現場に急行し、患者に救命医療を行いながら医療機関まで搬送するのがおもな仕事です。

高い操縦技術と集中力が必要な職業で、未経験からなるには厳しい条件があります。

しかし深刻な人手不足に悩まされており、他社への転職も十分に可能です。

この記事では、ドクターヘリパイロットの仕事内容から求人までを解説します。

ドクターヘリパイロットの仕事内容

ドクターヘリパイロットは、救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の操縦を担当する仕事です。

ドクターヘリとは、救急医療のための機器を備えたヘリコプターを指します。

医師や看護師を乗せて現場に急行し、患者に救命医療を行いながら医療機関まで搬送することを目的としています。

ドクターヘリパイロットの仕事内容は、

  • 現場からの要請を受けて医師や看護師・救命機材等を輸送する
  • 患者を安全に医療機関へ搬送する

おもにこの2つです。

ただし急行する現場には、足場が悪かったり狭くて行きにくいなど、着陸が困難なエリアも少なくありません。

そのためドクターヘリパイロットには、高い操縦技術と集中力が求められます。

また、現場からの情報が常に正確なものとは限らないため、不確実で緊張を強いられる中で冷静な判断力を必要とします。

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ドクターヘリパイロットになるには

ドクターヘリパイロットになるには、

  • 自家用操縦士
  • 事業用操縦士

という2つのライセンスが必要になります。

ライセンスの取得までには、少なくとも1年半から3年、場合によっては5年程度かかります。

自家用操縦士の取得基準が厳しい日本では長期間を要することが多く、アメリカでは比較的短い期間で取得できる傾向があります。

どちらのライセンスも、取得するには専門のスクールへ通うことが必須です。

授業や教材の大半は英語であるため、ドクターヘリパイロットを目指すなら、英語の習得は必須といえるでしょう。

ライセンス取得にかかる費用は、日本国内で1600〜1900万円、自家用操縦士のライセンスのみアメリカで取得すると少し安く、1400万円ほどが目安とされています。

ドクターヘリパイロットの資格・試験の難易度

ドクターヘリパイロットには

  • 自家用操縦士
  • 事業用操縦士

という2つの資格が必要です。

これらのライセンスがなければ仕事はできません。

自家用操縦士とは、一般人が飛行機やヘリを操縦するための資格です。

操縦で収入を得ることはできませんが、人を乗せてフライトすることは可能です。

一方、事業用操縦士は、仕事としてヘリを操縦するために必要なライセンスです。

自家用操縦に比べて責任の重大さが増すため、さらなる講習や訓練が求められます。

試験は学科と実技があり、大半は英語で行われます。

いずれも非常に高難易度と言われています。

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ドクターヘリパイロットの給料・年収

飛行機のパイロットは基本的に高年収であることが知られています。

しかしドクターヘリの場合、パイロットの給料は一般的なパイロットよりやや低く、年収800万円から1000万円程度といわれています。

また、ヘリのパイロットは求められる技術や経験が多岐にわたるため、平均年齢が高く、50歳前後の方が多いようです。

年齢を考えると、パイロット駆け出しの若い頃は上記年収を下回ると見たほうがよいでしょう。

ドクターヘリパイロットには、年収よりも、人命にかかわる責任ある仕事をやりたいという熱意が大切です。

ドクターヘリパイロットの向いている人、適性

患者や乗員の命を預かるドクターヘリパイロットの仕事には、何よりもまず高い操縦技術が求められます。

そのためにはまずスクールに通って学科と実技を習得することが必要です。

ドクターヘリパイロットに向いているのは、

  • 長期間の学習をコツコツとこなせる忍耐力と計画性
  • 飛行を安全に行う集中力

を有する人といえます。

また、この仕事では他のスタッフとの連携も重要になるため、コミュニケーションを大事にできる人も適性があります。

ドクターヘリパイロットの雇用形態・働き方

ドクターヘリパイロットは、基本的に正社員として働きます。

仕事はその性質上、どうしても激務になることが多いといえます。医師や救急隊員などと同じで、いつ現場からの出動要請があるかわからないためです。

ドクターヘリの出動件数は増え続けており、2016年には全国で2万件を超えています。

これは10年前と比べると5倍にもなります。

一方でパイロットは不足しているため、厳しいシフトでの勤務にならざるを得ないケースも少なくないようです。

ドクターヘリパイロットの勤務時間・休日・生活

ドクターヘリパイロットとして働く場合の勤務時間や休日は、勤務先となる航空会社職務規定に準じます。

大きな航空会社では何人ものドクターヘリパイロットがおり、「早番・遅番」といったシフト制勤務になっていたり、交代で休みをとったりしています。

1日の実働は7.5時間~8時間程度、週休2日程度が基本となるでしょう。

ただし実際には、現場からの急な要請に応じて出動するため、なかなか上記のようにはいかないこともあります。

ドクターヘリパイロットの就職状況・需要

ドクターヘリは全国で51機(2017年3月時点)、ドクターヘリパイロットは150名ほどになります。

規模が非常に限られているため、枠の少ない就職先といえます。

ただし、ドクターヘリパイロットは長年の経験が必要とされるため、50歳以上が全体の60%超を占めています。

そのため、団塊の世代が定年を迎えることで大量のパイロットが引退しており、業界は深刻な人不足に悩まされています。

一方で出動数は年々増えていて、需要は高まっています。

ドクターヘリパイロットの転職状況・未経験採用

ドクターヘリパイロットの求人募集は年間を通じて多くありません。

そもそも働く場所自体が多くないためです。

ただし経験者が限られており、かつ各社ともパイロット不足に頭を抱えている現状ですので、他社への転職も十分に可能でしょう。

なお、未経験からドクターヘリパイロットにチャレンジしたい場合は、

  • 自家用操縦士の資格
  • 事業用操縦士の資格
  • 2000時間以上のフライト経験

が必要となるからです。

ドクターヘリパイロットの将来性・今後の見通し

ドクターヘリパイロットが人気を集めている理由のひとつは、「人の命を救うやりがいのある仕事」という点にあるようです。

さらに、職業の安定性も大きなメリットといえます。

経験者が少数であるため、一度パイロットになれば職を失う危険性もほとんどありません。

災害や事故など救急医療を必要とするシーンは増えており、ドクターヘリの出動回数も比例して増加しています。

そのため、今後もドクターヘリパイロットのニーズは高まっていくことでしょう。

ドクターヘリパイロットのまとめ

ドクターヘリパイロットは、救急医療用ヘリコプター(ドクターヘリ)の操縦を担当する仕事で、高い操縦技術と集中力が求められます。

ドクターヘリパイロットになるには、自家用操縦士・事業用操縦士という2つのライセンスが必要になり、いずれも非常に高難易度と言われています。

飛行機のパイロットは基本的に高年収で、ドクターヘリの場合、一般的なパイロットよりやや低く年収800万円から1000万円程度といわれています。

ドクターヘリパイロットに向いているのは、長期間の学習をコツコツとこなせる忍耐力と計画性・飛行を安全に行う集中力を有する人といえます。

また、コミュニケーションを大事にできる人も適性があります。

ドクターヘリパイロットは、基本的に正社員として働き、激務になることが多い職業です。

ドクターヘリパイロットとして働く場合の勤務時間や休日は、勤務先となる航空会社の職務規定に準じますが、1日の実働は7.5時間~8時間程度、週休2日程度が基本となるでしょう。

就職状況としては規模が非常に限られているため、枠の少ない就職先といえる反面、団塊の世代が定年を迎えることで大量のパイロットが引退しており、業界は深刻な人不足に悩まされています。

未経験からドクターヘリパイロットにチャレンジしたい場合、自家用操縦士の資格、事業用操縦士の資格、2000時間以上のフライト経験が必要となります。