「自動車整備士」とは

専門技術を駆使して自動車の点検、整備、修理を行い、車のさまざまなトラブルを解決する。

自動車整備士は、自動車の点検や整備、修理などを行う仕事です。

自動車整備士の勤務先は、自動車整備工場やディーラー、カー用品専門店などです。

自動車整備士として働くときに、法的には資格は必要ではありませんが、自動車整備士の資格を有していることが就職の条件となっていることがあります。

自動車整備士を目指すのであれば、自動車整備の課程がある専門学校で学び、在学中に資格を取得しておいたほうがよいでしょう。

自動車整備士の資格は4つありますが、学校によって取れる資格が異なるため、入学前に事前に調べておくことが必要です。

夏は暑く、冬は寒い中での作業であり、待遇も恵まれているとは言えないため、自動車のことが好きでないと務まらない仕事です。

「自動車整備士」の仕事紹介

自動車整備士の仕事内容

専門技術を駆使して、自動車の点検や修理・整備を行う

自動車整備士は、自動車の運転者が安心・安全に運転できるよう、専門スキルを用いて自動車の点検や修理、整備を行う仕事です。

また、自動車の急なトラブル時への対応や、定期的な検査・メンテナンスも行っています。

自動車を正しく整備することはもちろんですが、持ち主であるお客さまにわかりやすく不具合箇所や状況を説明したり、トラブルを起こさないためにアドバイスを行ったりすることも大事な仕事です。

ときには要望により車にカーナビなどのオプションを設置したり、装飾を行うこともあります。

自動車整備士の就職先・活躍の場

ディーラーやカーショップ、整備工場を中心に活躍

自動車整備士のおもな就職先には、国内の自動車ディーラーを始め、民間の整備工場や中古車販売店、カーショップがあります。

メーカー系のディーラーであればそのメーカーの自動車を扱いますが、カーショップや整備工場の場合は、さまざまなメーカーの自動車を扱います。

さらに、近年では修理を引き受けるガソリンスタンドや車検を専門とする工場、塗装修理を行うペイントショップなども登場し、自動車整備士の活躍の場は拡大しています。

自動車整備士1日

自動車の整備に加え、お客さまの対応をすることも

自動車整備士のおもな仕事は自動車の整備を行うことですが、サービス業としての側面もあり、自らお客さまの接客をすることもあります。

整備工場に勤める整備士のある1日を見てみましょう。


08:30 出社
作業服に着替えて朝礼に参加し、準備運動を始めます。

09:00 勤務開始
作業指示に基づき、朝一に手掛ける担当車の整備に入ります。

12:00 休憩
体力の要る仕事ですので、しっかりと休息をとります。

13:00 作業再開
午前中の続きから入り、整備を行います。

17:30 作業終了
中途半端にならず、キリのいいところで作業を終了し、片付けと清掃に入ります。

18:00 勤務終了
日報を書き終えて退社します。

作業内容や繁忙期によっては残業を行う場合もあります。

働く工場・店舗によってはレジ業務や店内商品の説明、タイヤの販売などお客さま対応を任されることもあります。

自動車整備士になるには

専門学校で知識を学び、技能検定を受けて整備工場へ就職

自動車整備士になる方法として最も代表的なのは、高校卒業後に国が定めた自動車整備士養成施設に入学することです。

専門学校で基礎的な知識や技術を学び、「自動車整備士技能検定」を受けて整備工場へ就職するのが一般的な方法です。

また、高校卒業後に認証工場や指定工場に就職して実務経験を積むと、受験資格を得られます。

資格がない人を「見習い」として採用している会社であれば、働いて給与を得ながら資格の勉強をすることが可能です。

自動車整備士の学校・学費

実務経験を対象にした2種類の養成施設がある

自動車整備士の養成施設には、「一種養成施設」と「二種養成施設」の2種類があります。

一種養成施設


自動車の整備で実務経験がない者を対象としており、専門学校や自動車短期大学、職業訓練学校が該当します。

二種養成施設


自動車の整備に関する実務経験がある者で、各県の自動車整備振興会がおこなう講習会があり、全国に約50カ所あります。

高校卒業後に自動車整備の専門学校に入学して所定の課程を修了すると、「2級自動車整備士」の受験資格が得られ、実技試験は免除されます。

自動車整備士の資格・試験の難易度

1級から3級まであり、実技試験と学科試験が行われる

自動車整備士の資格には、国土交通省が実施する「自動車整備士技能検定」という国家資格があります。

その種類としては大きく分けて「特殊整備士」「3級」「2級」「1級」の4つがあります。

それぞれの級で受験資格が定められていますが、ほとんどの自動車整備を担当することができるのが、自動車整備士2級の資格です。

国家試験は実技試験と学科試験に分かれていますが、自動車整備士養成施設の全課程を修了すると実技試験が免除されます。

自動車整備士の給料・年収

経験や実力を高めると収入アップも期待できる

自動車整備士は20代前半の若手が多く活躍しているため、平均年収は300万円~400万円の人が多いです。

技術職であるため、経験を積めば積むほど任される業務の幅が広がっていきますが、給料・待遇に関しては大手企業のほうが良い傾向にあり、業績が良いとインセンティブが付くこともあります。

自動車業界では年々新しい技術が発展しているため、自動車整備士も経験を積むことで給与アップが期待できます。

一方、小さな町工場などではボーナスの支給がされないこともあるようです。

自動車整備士のやりがい、楽しさ

好きな自動車に触れ、お客さまに感謝される喜び

自動車整備士にとってのやりがいは、毎日好きな自動車に触れることができ、自分の専門知識や技術力によって不具合やトラブルのある自動車を直すことができることです。

また、修理・メンテナンスをして未然に故障を防ぐことで、重大な交通事故を回避するといった重要な役割も担います。

経験がモノをいう仕事であり、毎日の積み重ねを経て自分の成長を実感することができるでしょう。

お客さまから「ありがとう」の声をいただけたときには、達成感と充実感を味わえます。

自動車整備士のつらいこと、大変なこと

労働環境は厳しい職場も

自動車整備士の労働環境は、決して楽なものではありません。

重い部品を運んだり力を使った作業が多いことから体力を消耗しますし、油などで汚れるのも避けられません。

また、ディーラーやカーショップでは作業場が外にあることがほとんどであり、夏は暑く、冬は寒いという厳しい環境で仕事をします。

さらに、最近は接客に力を入れている会社が多く、自動車整備士に対しても「ただ整備だけできればいい」という考え方が通用しなくなっているのも大変な一面です。

自動車整備士に向いている人・適性

自動車が好きで機械いじりを楽しめる人

自動車整備士を目指すのであれば、まず「自動車が大好き」という点は必須といえるでしょう。

自動車が好きで機械いじりも楽しめる人であれば、専門的な知識や技術は少しずつ習得することができますし、作業にも集中できます。

整備の現場では地道な作業が続きます。

とくに新人のうちは、毎日簡単な繰り返しの作業でスキルを身につけていくことも多いですが、コツコツと仕事に取り組んできちんと成果をあげられる人であれば、どんどん技術が磨かれていくでしょう。

自動車整備士志望動機・目指すきっかけ

手に職をつけて、大好きな自動車に関わっていきたい

自動車整備士を目指す人の志望動機として多いのは、まず「自動車や機械いじりが好き」というものです。

子どものころから自動車を見るのが好きで、もっと自動車のことを知りたいと思う気持ちから目指す人は多いようです。

また、この仕事では専門技術を使って自動車を修理できるだけでなく、その持ち主であるお客さまを喜ばせることもできますし、国家資格を取って一生モノの技術が身につきます。

自分で身につけた技術を生かせる仕事をしたいという思いで、この仕事を目指す人もいます。

自動車整備士の雇用形態・働き方

正社員以外にアルバイトや契約社員としても働ける

自動車整備士の多くは正社員として活躍していますが、カーショップなどでは正社員登用を軸として、未経験者をアルバイトや契約社員として採用するところがあります。

雇用形態によっては、国家資格を生かしつつ、短時間勤務することも可能です。

また、会社によっては社内教育に力を入れており、働きながら資格の勉強ができますし、上級資格へのステップアップも目指せます。

離職率はやや高めとされますが、国家資格があれば再就職の際にも歓迎されやすい仕事です。

自動車整備士の勤務時間・休日・生活

日勤が基本で、世間の休みの日は仕事量が増えやすい

自動車整備士の勤務時間は、基本的に朝から夕方までの日勤で、週休2日制の会社が多いようです。

平日は、自動車を通勤で使用しているお客さまが多いため、土曜日や日曜日といった週末に整備業務が増えることが特徴です。

納期が決められている仕事でもあるため、作業が遅れてしまうと、終わるまで帰れないこともあります。

大型連休は取れる会社もありますが、カーショップでは年末年始に大セールを実施している店舗もあり、その時期は忙しくなる場合があります。

自動車整備士の求人・就職状況・需要

人材不足ではあるが、大手企業の人気は高い

自動車整備士の数は年々減少傾向にあり、業界としては人手不足に陥っているといわれます。

この背景には「労働環境の過酷さ」があるといわれ、比較的給料や待遇面で好条件の大企業や大手の整備工場に人気が集中しています。

人手不足でありながら大手に募集が殺到するため、中小の整備工場などではつねに人を募集しています。

会社の規模だけにとらわれず、さまざまな情報を得て自分に合った就職先を考えるとよいでしょう。

自動車整備士の転職状況・未経験採用

中途採用は活発に行われており、未経験採用にも積極的

自動車整備士は人手不足が続いているため、転職希望者向けの中途採用は積極的に行われています。

自動車整備士は国家資格ですが、最近では資格取得をサポートする会社が増え、資格を持っていなくても契約社員から働き始めることができる場合もあるようです。

未経験からでもチャレンジすることは可能な仕事です。

一方、2級自動車整備士の資格を持っている人や、大手ディーラーで勤務した経験がある人は、就職や転職の際にも優遇されやすいでしょう。

自動車整備士の現状と将来性・今後の見通し

高い技術力とサービス力を備えた整備士の需要は大きい

自動車の排出ガスによる環境汚染が問題となり、自動車整備の現場でも、環境への配慮が重視されるようになっています。

リサイクルできる部品をきちんと仕分けたり、オイルや有毒ガスが出る部品の処理なども丁寧に行う必要があります。

また、近年の自動車業界ではIT化が進んでいるため、コンピューターに強く、最先端の部品や技術に関する知識を持った向上心のある整備士は活躍の場が広がることが予想されます。

さらに、お客さまの目線に立ち、修理やメンテナンスで分かりやすい説明ができるなど、サービス力のある自動車整備士も重宝されることでしょう。