保育士の理想像とは? 子どもと保護者の視点から信頼される保育士を目指す

自分なりに保育士の理想像を考える

保育士は、仕事を通して子どもや保護者と深く関わり合っていきます。

せっかく保育士として働くのであれば、「少しでも子どもに好かれたい」「保護者からも信頼されたい」と考える人がほとんどでしょう。

あるいは憧れの先輩保育士の姿を見て、「私もこんな保育士になりたい!」と、強い思いを抱く人もいるかもしれません。

では、いったいどのような保育士が、理想の保育士だといえるのでしょうか。

たとえそこに正解・不正解がないとしても、自分なりの理想像を持っておくことで、就職面接の際に自分の目標を伝えることができたり、モチベーションアップにつながったりするものです。

ここでは、子どもと保護者の両方の視点から、保育士の理想像について考えていきたいと思います。

子どもの視点から見た理想の保育士とは?

子どもの気持ちや要求などを受け止めることができる

これは、何もかも子どもの言うとおりにするということではありません。

社会性や協調性を身につけるために、ルールや決まりごとに即して良いこと・悪いことの指導をしっかりとしていくことは大事です。

ただし、もし間違ったことをした際にも「なぜ、こういうことをしたのか」という子どもの気持ちを受け止めて、いけないことだという理由をきちんと伝えていく必要があります。

何に対しても一生懸命に接してくれる

保育士は、子どもを叱る時も、褒めるときも、遊ぶときも、子どものことを思って一生懸命に接することが大事です。

子どもは、大人が思っている以上に敏感に大人の様子を察知するものです。

どんなときでも、自分のことを大切に考えてくれているという気持ちが子どもに伝われば、子どもたちは心を開いてくれます。

自分の存在を認めてくれる

一人ひとりの子どものことを知り、どの子にも平等に関わり、子どもの存在を認めることで、子どもは「自分は価値のある人間で、自分がここにいてもいいのだ」という自己肯定感を持つことができます。

人間なので、何もかもすべて平等ということは難しいとは思いますが、なるべくそうするように心がけることが大切です。

条件をつけず、ただその子の存在を認めるということは、保育に関わるうえでとても大事な考え方です。

保護者の視点から見た理想の保育士

子どもを安心して預けられる

保育園では、保護者に代わって保育士が子どもの保育をします。

保育士は、子どもがケガや危険にあわないように細心の注意を払い、毎日、安心・安全に子どもを保護者の元へ返すことを意識しなくてはなりません。

このような安心感は、信頼につながっていきます。

子どもの相談に乗ってくれたり、話がしやすい

保育園と家庭の子どもの様子を把握するためには、保護者と積極的にコミュニケーションをとる必要があります。

また、保護者が育児について何か悩みを抱えている際には、保育士が話を聞いてあげることで、保護者は心の余裕が生まれます。

ちょっとしたことでも話しやすい保育士になるように意識しておくことが大事です。

連絡・報告をマメにしてくれる

子どもの送り迎えの際に園での様子を保護者にきちんと話したり、何か変化があった際には忘れずに伝えるようにすることで、保護者は保育士を信頼します。

とくに保育園内でのちょっとしたケンカやトラブルなどの状況は、保護者がしっかりと納得のいくまで話しましょう。

これを怠ると「信頼できない保育士」というレッテルを貼られてしまうことにもつなりかねません。

人として基本的なことにしっかりと取り組む

このように、保育士が子どもと保護者の両方と信頼関係を築き上げるためには、いろいろなことが求められます。

しかし、保育士一人ひとりに長所・短所はありますし、個性も異なります。

保育士によって、目指している保育の内容や価値観も違うことでしょう。

決して「保育はこうでなくてはならない」という凝り固まった考え方を持たなくてはならないというわけではありません。

保育士にとって共通していえる大事なことは、子どもの良い部分を伸ばせるように援助し、子どもを第一に考え、子どもが安心して生活を送れるようにすることです。

そして、あいさつ・笑顔・約束を守るなど、人として基本的なことに日々しっかりと取り組んでいけば、きっと信頼される保育士として活躍できるでしょう。