保育士実習ではどんなことを学ぶ? 必要な準備は?

保育士実習とは?

保育士になるための学校では、保育士として必要な知識を身につけるための講義の科目以外に、実習も行われます。

実習が行われる施設は、大きく分けると「保育施設」と「児童福祉施設」があります。

前者はおもに保育所が、後者は母子生活支援施設・児童養護施設・児童自立支援施設などがこれにあたり、定められた単位数を履修する必要があります。

保育士実習では、学校で学んできた知識を実際の保育現場で実践していくことで、応用力を磨き、幅を広げていくことを目指します。

実習という形ではあっても、保育士の卵として子どもたちと接するその機会はたいへん楽しく、先輩の先生方からいろいろ学ぶことも多いものです。

いつもの学生生活とは異なる慣れない生活が続く実習期間は、とても疲れることでしょう。

また、実習後には日誌を書く必要があるなど忙しい日々となりますが、子どもたちが自分を覚えてくれたり、名前を呼んでくれたりすることで、ますます保育士になる夢が膨らんでいく人も多いようです。

保育士実習で学ぶこと

保育士実習は、「観察実習」「部分実習」「全体実習(責任実習)」の3種類に分かれます。

観察実習

見学実習は、1年生のうちに行われる実習です。

保育施設における保育士の動きや保育園全体の流れ、子どもの様子などを把握するために見学をします。

見学といっても、子どもたちは事前に保育士から「今日はお姉さんの先生たちが保育園に来るよ」ということを聞かされているので、子どもからしたら実習生も先生になります。

はじめはどう動いたらよいかもわからず、子どもが話しかけてきても適切に対応できないこともあるでしょう。

子どもたちや現場の保育士との関わりのなかで少しずつ保育現場に慣れ、仕事の一部を手伝いながら、保育士の仕事を理解することを目的とします。

部分実習

部分実習では、担当の保育士から一部の保育を任されます。

1日のうち時間を区切って保育を行うのが一般的であり、紙芝居や手遊びの簡単なものを任されることもあれば、自分で指導計画を作成して、子どもたちをまとめていく時間も与えられます。

最初は不安が大きく、自分が考えていることが正しいのかわからないかもしれませんが、自分で考えて動き、子どもたちが反応してくれることは、大きな自信になるでしょう。

全体実習

全体実習では、実習期間のうちの丸1日の保育を任されます。

それまでに学んできたことをどう生かせるかが問われるため、大きなプレッシャーを感じてしまう人もいるかもしれません。

基本的には実習先のやり方に沿った形で保育を行っていきますが、自分なりにどうすればいいのかをつねに考えて行動することが大事です。

朝のお迎えから、遊びや給食・着替え・お昼寝・トイレ・健康状態など、さまざまなポイントに関して気を配り、1日の保育を無事に終えることが目標となります。

保育士実習に必要な準備は?

保育士実習の前には、学校や実習先施設でオリエンテーションが実施されることもあります。

そこでは通勤時や仕事の服装の注意点、必要な持ち物に関する連絡などが行われるため、しっかりとメモをとっておきましょう。

また、実習先の施設についてできるだけ調べておくと、より安心感を持って実習に臨むことができるはずです。

実習中は、子どもと一生懸命関わる姿勢を持ち、最低限のマナーを守ることが大事です。

遊ぶのも、叱るのも、笑うのも、すべてにおいて一生懸命に行動・言動することが子どもに好かれる近道です。

また、最低限のマナーとしての身だしなみはもちろん、15分前には出勤し、保育士の動きなどを見ておくと自分のためになります。

保育士実習で大切なこと

保育士実習では、失敗を恐れず、楽しみながらチャレンジしていくその気持ちが大切です。

無難に過ごすよりも、「どんどんやってみよう!」という気持ちを持って接すると、子どもたちも「何か新しいことをしてくれる人だ!」と思って心を開き、一緒に遊んでくれるものです。

なお、児童福祉施設での実習では、泊まり込みでの実習になることもあります。

一段と大変だと感じる人も多いかもしれませんが、どのような場所で実習をするにしても、前向きに取り組むことはとても大事です。

実習を「つらい・苦しい」と感じるよりも、楽しんで乗りきれたら、保育士としてのスキルアップを自分で感じることができることでしょう。

最初はどんなにつらくても、段々と慣れてくるものですし、最後には子どもたちとの別れが惜しくなってしまうでしょう。

それと同時に、一人前の保育士になるためにもっと頑張ろうという気持ちが沸き起こってくるはずです。