保育士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

保育士の業務スケジュール

保育士の勤務先にはいろいろな場所がありますが、どのような場でも、だいたい毎日同じ時間帯で働くことが多いでしょう。

最も代表的といえる保育園では、朝7時から夜7時くらいまでの時間帯で保育を行っているところが多く、正規職員であれば1日の実働は8時間程度で、複数の保育士がシフトを組んで交代で勤務するのが一般的です。

シフトで働く場合、早番担当の日であれば開園から夕方頃まで、遅番担当の日になるとお昼前から閉園までの勤務となります。

このほかの施設でも、だいたいは朝から夜にかけて働くのが一般的です。

ただし、一部の児童福祉施設では24時間体制での勤務となり、日によっては夜勤が入ることもあります。

保育園で働く保育士の1日

保育園で、シフトを組んで働く保育士のある1日の流れを紹介します。

早番の日の1日です。

6:30 出勤
出勤後、連絡ノートで前日からの引継ぎ事項をチェックし、子どもを迎える準備をします。
7:00 登園開始
保護者が続々と子どもを連れてきます。
子どもの体調に変わりはないかなどを保護者と確認しながら、玄関で迎え入れます。
9:30 クラスでの遊び
全員が揃ったら、各クラスで年齢にあった遊びをします。
ホールでの体操や、ときには外遊び・お散歩・水遊びなどをすることもあります。
11:30 給食準備
給食室から運ばれてきた給食を、子どもたちと一緒に配膳します。
12:00 給食開始
食事中は、子どもたちが食事をこぼしていないか、のどに詰まらせていないかなど、つねに様子を見ていなければなりません。
また、アレルギーへの対応も慎重に行います。
保育士は、持参したお弁当を子どもと一緒に食べます。
13:00 お昼寝
食事の片付けや歯磨きが終わると、お昼寝の時間です。
保育士は、子どもがお昼寝をしている間に、連絡ノートを書いたり制作物の準備をしたりするため、ゆっくりと休憩する暇はありません。
15:00 おやつ
おやつを準備して提供します。
食べ終わって片付けをしたら、子どもと遊びながら仕事が終わった保護者のお迎えを待ちます。
16:00 業務終了
遅番で出勤した保育士に引継ぎをし、その日の仕事は終わりです。
行事・イベント前には残業をしたり、自宅に仕事を持ち帰ったりすることもあります。

保育士はお昼寝時間中もゆっくりと休めない

保育園での特徴は、1~2時間程度のお昼寝の時間があることです。

お昼寝の前後では衣服の着脱や排せつなどをするため、お昼寝は、子どもにとって基本的生活習慣を身につけるためにも重要な時間と認識されています。

この時間、子どもたちのお世話からは解放されますが、決してのんびりと休めるわけではありません。

保育士は、お昼寝の時間を利用して、連絡帳に今日の子どもの様子を記録したり、保護者への手紙を書いたり、時間があるときは行事などの製作をします。

数分間、交代で休む時間はありますが、子どもが寝ている間に連絡帳を書き終えないといけないのであまり時間はありません。

一人で数十人もの連絡帳に記載していくのでかなり大変な仕事です。

また、小さな子ども達はお昼寝のときにすぐ寝てくれますが、5・6歳児ごろになるとお昼寝をしたがらない子もけっこういます。

最低限の保育士で子どもの保育をしている保育園も多いため、勤務時間中は落ち着いて休憩をとることも難しい場合があるようです。

保育士の勤務時間・休日

保育士の勤務時間

保育士の勤務体系は、シフト勤務が中心です。

代表的な職場となる保育園では、だいたい朝7時から夜7時くらいまでの時間帯で、子どもを預かります。

この場合、開園している時間は12時間前後となりますが、一人の保育士が12時間続けて勤務するということではなく、複数の保育士がシフト制で、交代しながら子どもの保育を行っています。

シフトの例としては、以下のような体制が一般的です。

・早番:7時頃~16時まで
・中番:9時~18時まで
・遅番:10時~子どもが帰るまで

1日の実働は8時間程度で、中番を基本として、早番・遅番は1週間のうち2回ほどあるかないか、というケースが多いようです。

ただし、保育園によってシフトの体制は異なるため、あくまでも参考程度に見てください。

保育士の休日

保育士の休日は、一般企業と同じように週休2日制のところが増えているようですが、必ずしも決まった日に休めるとは限りません。

土曜日に保育を行っている施設であれば、休日もシフト制で、週によって休みの曜日が変わることもあります。

よくあるのは、日曜日と平日のどこか1日が休みというパターンで、1ヵ月に計8日休みを取ることができます。

ただし、土曜日は預かる子どもの数も少ないため、必ずしも土曜日に休みを取りにくいというわけではありません。

平常時は有給休暇も取ることができますが、運動会や発表会といった大型イベントの前は、どこの保育園も準備で忙しくなり、休日出勤をして対応をしなくてはならないこともあるようです。

保育士の残業時間

最近では、保護者のニーズに合わせ、延長保育を取り入れている保育園も増えてきています。

そのような保育園では、通常よりも最長で2時間ほど長く子どもを預かるため、保育士の勤務時間もそれに合わせて長くなります。

なかには、夜10時頃など、さらに遅い時間まで預かる保育園や、深夜から朝方にかけて預かる保育サービスを手掛ける保育園もあります。

また、最近多くなっているのは朝早く、9時前に開園する保育園です。

このような、さまざまな時間帯で保育を行う園でも、基本的には複数の保育士が交代で働くシフト勤務となります。

シフトは延長保育に合わせて設定しているところもあれば、延長保育の時間帯にはパート雇用の保育士を配置しているところもあります。

保育士に夜勤はある?

保育士の勤務先によっては、夜勤が発生することがあります。

生活型の児童福祉施設では、24時間体制で毎日子どもの保育やケアをすることになるため、そこでは夜勤もシフトに含まれます。

詳しいシフトの構成は施設によって異なりますが、夜勤だけということは普通なく、日勤の間に夜勤が含まれていくのが一般的です。

とくに24時間体制で動く施設で働く保育士は、勤務時間帯によって業務内容が異なってくる点もあるため、時間に合わせた行動・援助・対応をしていく必要があります。

保育士は忙しい? 激務?

保育士は忙しく、なかなか休めないといった声が聞かれることもあります。

しかし、最近は保育士の労働環境改善に取り組む動きが強くなり、きちんと人員調整を行って残業時間削減に取り組んだり、積極的に有給休暇を取れるようなしくみを整えたりしている園も増えているようです。

行事の前はどうしても忙しくなりますが、仕事には集中して取り組み、休むときはきちんと休むといったように、メリハリをつけて働くことは可能です。

それでも、無認可の保育園では人が足りていない職場もあり、一人の保育士に大きな負担がかかってしまうこともあります。

待遇のよい保育園は人気があるため就職が難しいのは事実ですが、とくに民間の保育園では、園ごとに労働環境にも違いが出やすいとされているため、しっかりと準備をして、自分にとって働きやすいと感じられる就職先を見つけたほうがよいでしょう。

保育士の休日の過ごし方

保育士の休日の過ごし方は人によって異なりますが、土日が休みの職場であれば、連休を利用して少し遠出をするようなこともできるでしょう。

家庭を持っている保育士は、基本的にパートナーや子どもなどの家族と過ごす時間が多くなりますが、独身の保育士はショッピング・映画鑑賞・読書など、趣味に時間を使ってリフレッシュしているようです。

また、保育士の仕事では子どもを抱っこする時間が長かったり、子どもの相手をするために身体を動かすことが多いため、マッサージや整体などに通い、身体のメンテナンスに費やす人もいるようです。

なかには勤務中に終わらなかった書類作成や制作などの仕事を持ち帰り、休みを利用して作業を進める人もいます。

保育士は子どもや保護者など他者との関わりが多く、出勤日は自分一人でゆっくり過ごす時間がなかなかとれません。

思っている以上に心身ともに疲れが溜まりやすいかもしれませんので、休みの日は好きなことをして、しっかりと気分転換することも大事だといえるでしょう。