副業の芸術家

副業で芸術家になり得るか

生活のために本業を持ち、休日などに創作活動を行う人を「芸術家」と呼べるでしょうか?

これは難しいところで、あるアート業界関係者は、「他に仕事を持っている限り、芸術家とはいえない」と語っています。

芸術家たるもの常に作品づくりのことを考え、思い悩み、全精力を作品に注ぎ込むべきだというのです。

本業を持っている人は、非常に気持ちが乗って絶好調で作品を制作していたとしても100%没頭することはできず、時間が来れば出勤しなければなりません。

芸術の世界には、そのときにしかできない表現や感覚、閃きがあるもの。

それを断ち切るしかない状況にあるということは、芸術と真剣に向き合っていないと思われるのは、仕方のないことなのかもしれません。

本当の意味で芸術家と呼べるのは、たとえ収入がゼロであろうと作品づくりで自己表現をし続けなければ生きていけないような人という考え方もあります。

このようなストイックかつ特殊な人だけが貫くことができるのが芸術家という仕事だといえるでしょう。

本業を持ちながら芸術にかかわる

作品を売ることだけを収入源として充分に食べていけるのは、今の日本では「大家」といわれるようなごく少数の芸術家に限られています。

つまり、大多数の芸術家は「芸術家」と称しながらも、ほかに収入源を持っているか、周囲の人の援助に頼っているのです。

こうした人たちが「私は芸術家です」と胸を張って名乗ることはおこがましく、「事務職をしながら陶芸をやっています」といった表現に止まるべきしょう。

とはいえ生活のためには、創作意欲を押し殺してでも本業を持たざるを得ないのが現実。

本業には、なるべく違和感なく創作活動と平行するために、一般的な事務職などよりもアート業界に近い職種である美術講師、アトリエやギャラリー、画材店のスタッフなどの仕事を選ぶ人が多いようです。

こうして本業を持ちながらも諦めずに芸術にかかわり続けた結果、定年退職を迎えた暁に、晴れて創作一本で生活できる第二の人生を手に入れる人もいます。