キャディの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「キャディ」とは

キャディの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

ゴルフ場で選手やお客さんと一緒にコースを回り、スムーズなプレーの手助けをする。

キャディは、ゴルフ場で選手やお客さんと一緒にコースを回り、プレーの手助けをする仕事です。

具体的には、コースの特徴やホールまでの距離を教えたり、使うクラブを選んだり、風や芝の目を読んだりと求めに応じてアドバイスを行います。

選手につく「プロキャディ」といわれる人は各選手と大会ごとに契約を結んで働き、1つの大会あたり基本給10万円+出来高が収入の相場とされています。

安定的に仕事を得るためにはプレーに関する知識を有していることはもちろん、選手にとっての心強いサポート役になり、信頼されるかどうかがカギを握ります。

働き方は不安定な面もありますが、トップクラスの選手から声をかけられるようになれば収入をアップさせることもできるでしょう。

「キャディ」の仕事紹介

キャディの仕事内容

キャディの仕事は、選手や客と一緒にコースを回り、気持ちよくプレーできるように手助けすることです。

具体的には、選手や客にコースの特徴やホールまでの距離を教えたり、使うクラブを選んだり、風や芝の目を読んだり、求めに応じてアドバイスしたりします。

個人プレーが基本のゴルフで、キャディはコースで唯一の情報源であり、プレーヤーの味方ともいわれています。

打ったボールを探したり、芝に空いた穴を埋めたり、バンカーの砂をならしたり、汚れたクラブを拭いたりするのも大切な仕事です。

とくにトーナメントでは、15~30㎏もある重いバッグを担いで18ホールを回り、選手と一緒に戦います。

常に選手の心理を考え、選手が実力を最大限発揮できるようにサポートします。

キャディになるには

キャディは、大きく分けて2種類に分かれます。

プロゴルファーと一緒にトーナメントを回る「プロキャディ(帯同キャディ)」と、特定のゴルフ場に勤務し、プレー客につく「ハウスキャディ」です。

どちらのキャディも、特別な資格は必要ありません。ゴルフが上手くなくても大丈夫です。

とくにハウスキャディはまったくの素人でも、2,3ヵ月の研修を受けて始めることができます。

しかし、プロキャディは、まったくの素人では務まりません。

プロゴルファーと一緒にコースを回り、選手のパートナーとして共に戦います。ゴルフやコースについて熟知している必要があります。

プロキャディになるのは紹介が多いようですが、プロ選手の知り合いがいない場合は、ハウスキャディや研修生として経験を積みながら伝手を探すという方法もあります。

キャディの給料・年収

プロキャディの場合、基本給は1試合につき10万円が相場です。これに出来高をプラスしたのがキャディの収入です。

出来高は、選手の獲得賞金のうち、予選通過で5%、ベスト10以内で7%、優勝で10%をもらえるというものです。

優勝賞金が3000万円なら、その10%で300万円、2位で105万円、10位でも39万円となります。

トップ選手につけば、原稿料などの副収入もあって年収は1000万円を超えます。しかし、選手が弱ければ、年収500万円以下ということもあります。

ハウスキャディの場合、1ラウンド1人につき3000円が相場です。4人の客と回れば12000円になり、雨が降れば雨手当、バッグが重いと重量手当などがつきます。

ただし、天候が悪くて客がいなければ、収入もありません。季節によって収入に大きな差が出ます。

年収にすると100万~300万円といわれています。

キャディの平均年収・月収・ボーナス

キャディーの平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、キャディの平均年収は、39.2歳で351万円ほどとなっています。

・平均年齢:39.2歳
・勤続年数:9.4年
・労働時間/月:162時間/月
・超過労働:6時間/月
・月額給与:265,900円
・年間賞与:315,900円
・平均年収:3,506,700円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
キャディーの平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

キャディーの勤務先の規模別の年収(令和4年度)

キャディーの年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤めるキャディーの平均年収は324万円、100〜999人規模は360万円、1,000人以上の規模では367万円、10人以上規模の事業所平均は351万円となっています。

キャディの年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「娯楽場等接客員」でテーマパークスタッフなど他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

キャディーの勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

キャディーの年収を年齢別に見ると、300万円~500万円がボリュームゾーンといえそうです。最も年収が高い世代は、45~49歳の428万円です。

全年代の平均年収は351万円となっています。

キャディーの年収(年齢別)323_r4

上記グラフの基タイトルは「娯楽場等接客員」でテーマパークスタッフなど他職業を含むデータです。

キャディの現状と将来性・今後の見通し

プロゴルファーの中でも、専属キャディと契約する人は少ないです。多くは、大会ごとに選手と契約をするフリーのプロキャディです。

しかし、フリーだと必ず選手と契約できるとは限らず、収入も安定しません。

いろんな選手と組みながら、相性がよく、専属契約を結べる選手が見つかるかどうかです。専属契約を結ぶ選手はたいてい実力も高く、キャディとしての収入も見込めます。

若いうちからプロキャディとして少しずつ実績を積み、トップクラスの選手から声をかけられるのが理想的です。

ハウスキャディはよく募集されていますが、勤務時間や収入の面から、実際に働いている人たちはアルバイトやパート感覚です。

体力があって野外活動の好きな人には、他のアルバイトやパートよりも割りのいい仕事といわれています。

キャディに向いている人・適性

プロキャディに向いているのは、選手のサポートが的確にできる人です。

ラウンド中は、選手の置かれた状況や心理状況が刻一刻と変化します。選手の状態に応じてアドバイスしたり、励ましたり、黙って見守ったり、的確に対応しなければなりません。

主役は選手です。その主役を黒子として陰からサポートできることが最も大切です。

ハウスキャディは、接客業が得意な人が向いています。お客さんに楽しくプレーしてもらうため、ちょっとした気遣いや配慮のできる人です。

炎天下、長時間コースを歩きますので、日焼けに強く、体力があることも必要です。

プロキャディの場合、重いバッグを担いで長い距離を歩きます。アップダウンの激しいコースなら、バッグを担いで這うよう登ることもあります。

スタミナはもちろん、体幹の鍛えられている人の方が向いています。

キャディの勤務時間・休日・生活

プロキャディの場合、月曜日の夜には大会会場に入り、選手の練習に付き合います。

木曜日から予選が始まり、土曜、日曜が決勝ラウンドにいなります。シーズン中は、会場から会場へ渡り歩くという感じです。

もし予選を通過しなければ、収入は10万円のみ。キャディの大半は安いホテルで質素な食事をしていることが多いです。

シーズン中の休日はほとんどありません。

ハウスキャディは、早朝6時から夕方6時ごろまでの勤務が基本です。ただし、ゴルフ場へ行っても、客がいなければ収入にはなりません。

休みは平日に取ることができますが、週末はたいてい仕事です。それでも台風が来たり、雪が積もるなどゴルフができない天候になると休みになります。

キャディの求人・就職状況・需要

プロキャディの場合、定期採用や募集があるわけではありません。基本は、各選手が1大会ごとに契約します。

大会のたびにキャディを代える人もいれば、1人のキャディで戦い続ける人もいます。兄弟姉妹がいきなりキャディとして登場することもあったり、キャディの選び方は選手しだいです。

選手の成績によっては突然仕事を失うこともあり、プロキャディにはレッスンプロなど他に本業をもっている人が多いです。

ハウスキャディも、基本的には独立した自営業者です。ゴルフ場に雇われているわけではありせん。

しかし、特定のゴルフ場で働くにはキャディとして採用され、研修を受けることになっています。

勤務時間や日数は基本的に自由ですが、ゴルフ場でも必要なキャディを確保するため、現実には相談しながら勤務時間などを決めています。