臨床心理士と公認心理師の違い
臨床心理士と公認心理師の仕事内容の違い
現代社会では、学校や職場、家庭などさまざまな場所で悩みを抱えている人々がいます。
ときには心を病んでしまったり、心の闇がきっかけで犯罪や自殺に発展してしまうこともあります。
こうした心の問題に寄り添う心理職の代表として、臨床心理士と公認心理師があります。
ここでは、二つの職業の違いを見ていきましょう。
まず、仕事内容の違いに関してです。
臨床心理士は「心理査定(アセスメント)」「心理面接(カウンセリング)」「臨床心理的地域援助」「調査・研究」を行います。
公認心理師の仕事は、「心理査定(アセスメント)」「心理面接(カウンセリング)」「関係者への面接」「教育・情報提供活動」です。
どちらも似たような仕事内容であり、活躍の場も医療・教育・産業・福祉・司法などの領域になります。
臨床心理士と公認心理師は、資格が異なるだけで、仕事内容の違いはあまりないのが現状です。
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臨床心理士と公認心理師のなる方法・資格の違い
臨床心理士と公認心理師の資格には大きな違いがあります。
臨床心理士は、公益財団法人である「日本臨床心理士資格認定協会」が認定する民間の資格です。
これに対して公認心理師は、国が認定する国家資格です。
実は公認心理師の資格が誕生したのは最近のことです。
これまで、日本には心理職に関する国家資格がありませんでした。
しかし、2015年9月に公認心理師法が成立し,初の心理職の国家資格として「公認心理師」が誕生したのです。
この二つの職業は、受験資格や試験内容が違います。
しかし、どちらのほうが難しいということはできません。
これからの時代、二つの職業が協力し合って心理職を支えていくことが期待されています。
臨床心理士と公認心理師の資格をダブルライセンスを目指す人も増えてきています。
臨床心理士と公認心理師の資格・必要なスキルの違い
臨床心理士と公認心理師の仕事は、非常によく似ています。
活躍する領域もほぼ同じです。
病院やクリニック、学校や児童相談所、一般企業などの現場で、クライエントの心に寄り添うのが使命です。
求められるスキルとしても、心理系の専門知識やコミュニケーション能力という点は同じです。
必要なスキルに大きな違いはないものの、資格が違うということを理解しておくとよいでしょう。
ただし、公認心理師という職業は、2015年の公認心理師法誕生を受けて新たに作られたばかりの資格です。
資格試験が始まったのは2018年で、まさに誕生したばかりの職業です。
まだまだ未知数の部分が多く、必要なスキルや資格試験の難易度に関してはこれから変化していく可能性があります。
時代の流れを見極めながら、常に情報収集をすることが大切です。
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臨床心理士と公認心理師の学校・学費の違い
臨床心理士と公認心理師では、求められる学歴が異なります。
まず、臨床心理士になるためには、指定されている大学院で心理学を学ばなければいけません。
大学と大学院を合わせて、合計で6年間は勉強するのが一般的です。
一方、公認心理師の国家試験の受験資格は、以下の3パターンがあります。
まずは、大学および大学院で、心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修了した者、またはそれに準ずる者。
大学で心理学その他の公認心理師となるために必要な科目を修めて卒業した者、またはそれに準ずる者で、一定の施設において心理に関する支援の業務に従事した者。
最後に、上記の2つに掲げる者と同等以上の知識・技能を有する者です。
このことからわかるように、公認心理師は実務経験も含めて受験資格を判断されるため、必ずしも大学と大学院に通う必要はありません。
ちなみに大学の学費は、国公立であれば卒業までの4年間で250万円ほど。
私立の場合は4年間で400万円~600万円ほど。
大学院でかかる費用は、国立で130万円~150万円ほど、私立だと300万円ほどになります。
臨床心理士と公認心理師の給料・待遇の違い
臨床心理士と公認心理師の給料や待遇はどのように異なるのでしょうか。
これに関しては、勤務先や雇用形態によって異なるので一概にはいえません。
たとえば、臨床心理士のなかでも地方公務員や国家公務員として働いている人は、安定した給料や待遇を手に入れることができます。
総合病院の精神科などで正規雇用の職員として働く場合も、給料はそれなりの金額になります。
その一方で、スクールカウンセラーとして登録をしながら週に3日程度の勤務をしている臨床心理士の場合は、給料は時給制になります。
こうした事情は公認心理師であっても同じです。
心理職に就く場合、まずは正規雇用なのか非正規雇用なのかが重要です。
給料や待遇の充実を目指すのであれば、狭き門ではありますが正規雇用を目指しましょう。
臨床心理士と公認心理師はどっちがおすすめ?
日本では、心理系の職業としては、臨床心理士が信頼性の高い資格として知られてきました。
しかし、国家資格である公認心理師が誕生してからは、公認心理師の資格も少しずつ認知され始めています。
この二つの職業のどちらを目指せばよいのか、迷う人もいるのではないでしょうか。
単純に考えると、国家資格である公認心理師のほうが立場が上というイメージを持つ人もいるかもしれません。
また、大学院卒が条件となる臨床心理士のほうが資格取得の難易度が高いのではないかという見方もあります。
ただし、活躍できる領域や業務範囲が近いため、しばらくは両者が共存していく形になることが見込まれます。
公認心理師の社会的な認知度は高まりつつありますが、ダブルライセンスを目指すというのも一つの方法です。