国家公務員の専門職とは

特定の分野の「スペシャリスト」として活躍する

国家公務員にはさまざまな職種があり、また勤務先や職務も多岐にわたります。

その職種は大きく「総合職」「一般職」「専門職」に分けることができ、総合職が中央省庁で政策の企画立案に関わる仕事、一般職が事務などの定型的な仕事をするのに対して、専門職は行政の特定の分野で活躍する「スペシャリスト」としての役割を担います。

たとえば、御所・御用地などで皇族をお護りする「皇宮護衛官」や、金融機関の検査を行う「財務専門官」、不法入国をした外国人の調査・摘発などを行う「入国警備官」などは、いずれも専門職に分類されます。

専門職の仕事では、専門分野に関する知識・技術が求められ、国民の生活や安全を支えるうえで重要な役割を担う仕事に関わっていきます。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

専門職の試験の種類

国家公務員専門職試験は、「特定の行政分野に関わる専門知識を有するかどうかを重視して行う係員の採用試験」とされています。

この専門職試験は、大きく分けて「大卒程度」と「高卒程度」の2種類が行われており、それぞれ以下の職種についての採用試験があります。

大卒程度

皇宮護衛官

皇宮護衛官の官職(皇宮警察本部に勤務)

法務省専門職員

・矯正心理専門職
少年鑑別所における少年の資質の鑑別等に従事することを職務とする官職

法務教官
法務教官の官職(少年院、少年鑑別所等に勤務)

・保護観察官
保護観察その他更生保護に従事することを職務とする官職

外務省職員

外交領事事務に従事することを職務とする官職(特定の語学に係る高度の能力等を用いる業務)

財務専門官

財務局における主として国の予算及び決算、国有財産の管理等並びに金融機関等の検査等に従事することを職務とする官職

国税専門官

内国税に関する調査・検査又は内国税の賦課・徴収に従事することを職務とする官職

食品衛生監視員

検疫所における食品衛生監視員の業務に従事することを職務とする官職

労働基準監督官

労働基準監督官の官職

航空管制官

航空交通管制に従事することを職務とする官職

防衛省専門職員

・語学
国際的な業務に関する企画・立案、在日米軍等との折衝、会議での通訳、海外資料の翻訳、自衛官等に対する語学教育等に従事することを職務とする官職

・国際関係
国際関係、地域情勢、軍事情勢等の収集・分析等に関する業務に従事することを職務とする官職

高卒程度

皇宮護衛官

皇宮護衛官の官職(皇宮警察本部に勤務)

刑務官

刑務官の官職(刑務所、少年刑務所又は拘置所に勤務)

入国警備官

入国警備官の官職(地方入国管理局又は入国者収容所入国管理センターに勤務)

税務職員

内国税に関する調査・検査又は内国税の賦課・徴収に従事することを職務とする官職

航空保安大学校学生

航空保安大学校本科学生の官職(卒業後、航空交通管制部、空港等に勤務)

海上保安大学校学生

海上保安大学校本科学生の官職(卒業後、巡視船艇等に勤務)

海上保安学校学生

海上保安学校本科学生の官職(卒業後、巡視船艇等に勤務)

気象大学校学生

気象大学校大学部学生の官職(卒業後、気象庁本庁等において気象観測等の業務に従事)

専門職に向いているのはどんな人?

国家公務員の専門職は、ゼネラリストとしての活躍が期待される総合職や一般職で採用される人とは異なり、試験を受ける時点ですでに配属先や職種が決定しているのが特徴です。

そのため、早くからやりたい仕事が決まっている人や、特定の分野で専門性を磨いていきたい人などにとっては、専門職はうってつけの存在だといえるでしょう。

ここで紹介してきた専門職に分類される職種は、基本的に専門職試験を受けるルートでしかなれませんが、それぞれの試験で受験資格が異なるので注意が必要です。

将来、国家公務員としてどのような仕事がしたいのかはできるだけ早くイメージしておくとよいでしょう。

なお、専門職を目指す場合でも、試験を受ける時点で専門的な知識・技術が求められることはほとんどなく、採用後に各配属先で研修・教育を受けたり、実務に携わりながらスキルアップしていくことができます。