検事になるには? 必要な資格、有利な学校、最短でなるための年数を解説
その後、司法修習生考試(通称:二回試験)を受けて合格し「検事採用面接」を受ける必要があります
検事になるための資格を得るだけでも高校卒業後に最短で約8年はかかるため、相当な努力が必要です。
検事になるまでの道のり
検事になるには、非常に長い道のりを歩まなくてはなりません。
一般的なルートとしては、まず高校卒業後に4年制大学の法学部に入学します。
卒業後は法科大学院に進み、3年間、法曹(弁護士、検事、裁判官)になるために必要な能力と学識を学びます。
法科大学院を修了することで、司法試験の受験資格が得られます。
難関である司法試験を突破したあとは判所法で定められた司法修習を1年間受け、現場で働いたり、修習所で法律の講義を受けたりして、法律のプロフェッショナルとしての知識を身につけます。
その後、司法修習生考試(通称:二回試験)を受けて合格すれば、ようやく検事や弁護士、裁判官になるための法曹資格を得られます。
しかし、この時点ではあくまでも「資格を得た」だけで、必ず検事になれるわけではありません。
次に受けなくてはならないのは「検事採用面接」です。
検事の採用の判断基準としては「能力・適性・人格・識見に優れた方を総合的に判断」と定められています。
そうした基準に照らし合わせ、検事として適性があると判断された人だけが検事になれます。
このように、検事になるための資格を得るだけでも高校卒業後に最短で約8年は要し、さらに検事として任官されるには検事採用面接を合格しなければならないため、相当な覚悟と根気が求められるといえるでしょう。
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検事の資格・難易度
検事になるための第一関門となる司法試験の合格率は30%~35%程度となっています。
優秀な学生が多数受験して、この数字だと考えると、非常に難易度は高いといえるでしょう。
司法試験には受験制限があり、法科大学院修了後または予備試験合格後、5年以内(5回以内)に合格しなくてはなりません。
そして最終関門となる司法修習生考試(二回試験)は、毎年受験者数の3%程度が不合格になっているようです。
司法試験同様、受験回数に制限があり、司法修習生考試(二回試験)の受験回数は3回までです。
合格すれば法曹資格を得られ、その後に採用面接が待っていますが、司法修習生考試に合格すればよほどのことがない限り不合格にはならないようです。
検事になるための学校の種類
検事になるためには、前記してきた通り司法試験の合格が大前提です。
司法試験は法科大学院の修了または予備試験の合格によって受験資格が得られます。
法科大学院への進学を希望する場合、4年生大学の法学部で学ぶのが一般的です。
- 中央大学
- 慶應義塾大学
- 東京大学
- 早稲田大学
- 京都大学
なかでも中央大学は名門として有名で、司法試験へのサポートは充実しているため法曹を目指す多くの学生が集まります。
予備試験を突破して司法試験にチャレンジする場合は、予備試験対策を講じている予備校や専門学校で学ぶのが一般的です。
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検事に向いている人
正義感のある人
正義感をもつのは、検事の職務を果たすための大前提です。
被疑者に対し適切な刑罰を求めて更生を促す心、そして安心して暮らせる社会を実現するために犯罪を許さない正義感は、検事の仕事をまっとうする上での強いモチベーションになるでしょう。
心のコントロールができる人
検事は公訴権をもつ唯一の職業であり、それだけ大きな権力を持った職業といえます。
影響力の大きな仕事であるため、どのような状況においても感情的な判断をせず、冷静かつ理性的に対処できなくてはいけません。
判断力のある人
捜査や取り調べは限られた期間内に行わなければならず、起訴するか否かの判断も常に迫られます。
裁判中もあらゆる事態に対応しなければならず、被疑者に刑罰を与えるためにも正しい判断力が求められるでしょう。
タフな人
検事の仕事は激務である上に、自分の判断で人の人生を左右するため責任も重大です。
毎日そのような状況で仕事をするため、肉体的にも精神的にもタフであることが求められるでしょう。
検事のキャリアプラン・キャリアパス
- 新任検事
- 新任明け検事
- A庁検事
- 三席検事
- 次席検事
- 検事正
- 検事長
- 検事総長
A庁検事を終えるまでの期間が5年ほどとなっており、ここまでが検事の指導・育成期間と位置付けられています。
つまり5年目以降から一人前の検事として認められたと同時に、法律を扱うスペシャリストとして認められたと言っても過言ではないでしょう。
検事を目指せる年齢は?
検事になるための年齢制限はありません。
ただし、司法試験を受験資格は法科大学院修了後または予備試験合格後、5年以内が限度と決められています。
さらに司法修習生考試(二回試験)にも制限があり、受験回数は3回までと定められています。
年齢制限はありませんが、検事になるための試験には回数制限があることを留めておきましょう。
検事は高卒から目指せる?
結論からいうと、高卒でも検事になれます。
検事になるにはまず司法試験を突破しなければいけませんが、代表的なルートは4年制大学の法学部を卒業し、法科大学院を経由し司法試験の受験資格を得るのが一般的です。
ほかにも予備試験に合格するというルートがあり、予備試験には受験資格に制限がないため高卒でもチャレンジできます。
ちなみに予備試験の試験科目は短答式試験、論文式試験、口述試験の3科目が行われます。
検事は女性でもなれる?
当然ながら女性でも検事になれますし、年々女性検事の任官数も増えています。
2022年の検事任官者は72人ですが、そのうち女性任官者は28人で男女比でいうと38.9%です。
検察官全体でみると、2021年で2000人弱いる検察官の内女性比率は約26%となっています。
20年前にあたる1998年は、女性割合がわずか8%だったのに比べると格段に女性検事が増えているのがわかります。
検察庁としても女性が活躍しやすい環境整備を進めていますので、今後はますます、女性検事が増えていくと考えられています。
参考:検察官に関するデータ
検察官数の推移
検察官の人数はほぼ横ばいです。令和3年時点での検察官の人数(副検事を除く)は1,967人となっています。
検察官の女性比率
検察官の女性比率は徐々に高まっています。令和3年の検察官の女性比率(副検事を除く)は26%になっています。
検事の採用実績
検事になるには?のまとめ
検事になるまでの道のりは非常に厳しく、司法試験の合格率は30%〜35%程度と難関です。
検事になるための学校の種類や、検事のキャリアパスなどをしっかりと調べておき、早いうちから努力を重ねておくことが大切です。