検事に向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
検事に向いている性格・適性
正義感を持っている人
検事は、公益の代表者として検察権を行使します。
「検察権」とは捜査権限、公訴権限、執行権限などを指しており、このすべては国家社会の治安維持のためにあります。
検事は常に公平な視点で事件と向き合い、必要とあらば被疑者に刑罰を求めて社会の安全を維持しなくてはなりません。
したがって、正義感をもつことは必要な要素といえるでしょう。
感情をコントロールできる人
検察権を行使するためには常に不偏不党・厳正公平を重んじ、かつ、人権を尊重するのが基本とされています。
検事は必要とあれば躊躇なく起訴し刑罰を求めなければいけませんが、どのような場面においても、決して感情的な判断をしてはなりません。
冷静に、自分の感情をコントロールできる人に向いている職業です。
判断力のある人
検事の仕事は激務である上に、ひとつの事件にかけられる期限は最大23日以内です。
その間に起訴するか否かの判断を行わなければいけませんし、複数の事件を担当していれば事務仕事も含め非常に多くの仕事をこなさなければいけません。
決してやっつけ仕事になってはいけませんが、素早く正確な判断ができるかどうかが重要なポイントになります。
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検事に必要なスキル・能力
法律の深い知識
検事は法律のスペシャリストとして、法律、とくに刑事訴訟法や刑法といった刑事系法律の知識に関しては、高いレベルのものが必要です。
犯罪に対し、どの程度の刑罰が最適かを判断するためには、持っていて当たり前のスキルといえるほどです。
それらを身につけるために、学生時代から相当な勉強量を積んでいかなくてはなりません。
効率的な業務遂行力
検事の仕事は取り調べや裁判に加え、事務処理も膨大にあります。
一つひとつに高度な知識と正確性が求められますし、抱えている事件の数だけでなく質によってもかかる時間は変わります。
ひとつの事件にかけられる時間も限られているため、効率的かつ正確に仕事処理していく能力も求められます。
コミュニケーション力・協調性
検事は常に人と関わる仕事ですから、コミュニケーション力は非常に重要です。
被疑者の取り調べもコミュニケーション力がなければ成り立ちませんし、裁判でも有利に進められなくなります。
チームを組んで事件に取り組むケースもあり、協調性も求められるでしょう。
検事に向いていないのはどんな人?
逆に検事に向いていないタイプは、上記で挙げたスキルや能力が足りない人といえるでしょう。
法律の深い知識は持っていて当然であるため説明不要ですが、効率的な業務遂行力、コミュニケーション力・協調性に乏しい人は検事に向いていません。
検事は慢性的な人材不足なため、一人が担当する事件も多くなりがちです。
あらゆる物事を効率的に進めなければ、法律で決められた期日内に事件を処理できなくなります。
また、検事は一人で物事を完結できない職種であるため、コミュニケーション力・協調性がないと仕事になりません。
さらに事件の真相を追求できなくなり、公益の代表者としての職務をまっとうできないといっても過言ではないでしょう。
とはいえ、ここで挙げたことはあくまでも一例ですし、努力と経験次第でいくらでも改善できます。
検事への道は険しいものですが、夢を実現するために努力を続けることが大切です。
そうした高い志を持ち続けていれば意識も変わるでしょうし、実際に検事として任官されれば責任感も芽生え、自ずと自分の弱点を克服しようとする努力ができるでしょう。