経理のキャリアパス
経理分野のキャリアパスとは
キャリアパスとは企業の中で昇進するにつれて辿るルートのことで、いわばキャリアアップの道筋を指します。
ひと昔前までは、経理はキャリアパスが明確になっている職種のひとつで、必要な業務経験を順序よく積んでいけば、上位の職位や職務に就任できることが当たり前でした。
しかし近年では、会計基準の国際化や基幹業務のアウトソーシング指向が進む中、大手企業においても終身雇用という考え方が薄くなり、個々にさまざまなキャリアアップの可能性が広がるようになってきました。
ただし、経験を積んで昇進していくと個々の業務内容が明確に変わっていくという仕組みは相変わらずです。
最初は多めの人員で仕訳業務のような単調な作業を行い、一部の社員のみがキャリアアップしていく形であるため、上位の職務の人ほど数が少なくなるピラミッド構造になっています。
キャリアパスの一例
大手企業の場合
<1.経理スタッフ(入社~3年目)>
仕訳業務をメインに、実務経験を積みながら経理の基礎を学びます。慣れてくると月次決算や年次決算の補助業務などを担当します。
<2.経理主任(2~4年目)>
月次決算、年次決算の実務を行います。ほかにも税務や財務に関する業務、キャッシュフロー計算書などの作成を行い、内部統制業務の補助も担当します。
<3.経理課長(3~5年目)>
経理業務の実質的責任者として、決算や財務諸表、IR実務を担当します。内部統制業務や資金調達・運用などの事業計画、M&A戦略といった、経営側に立った業務もこなします。
<4.経理部長(5~10年目)>
経理部門を統括するとともに、会社全体の業績を担い、会社やグループ全体の資金を管理する統括責任者です。
<5.取締役(10年目~)>
キャリアパスのゴール職です。
転職によりキャリアアップする場合
1.大手企業の経理スタッフ(入社~3年目)
2.外資系企業のシニアスタッフ(2~5年目)
3.外資系企業の経理マネージャー(4~7年目)
4.ベンチャー企業の経理部長・CFO(6年目~)