経理部門で働くには

経理になるまでの道のり

経理職を目指す上で、必須の学歴や資格はありません。

それでも、簿記の資格を持っている人は、会計に関する知識がある程度期待できるため、選考では有利になります。

簿記資格は中小企業で3級、上場企業なら2級以上を持っていることが望ましいです。

経理になるためには、企業の採用から経理事務に応募するか、総合職採用に応募し、採用後に経理部門への配属を希望するのが一般的です。

中途採用の場合は、経理職として応募することになり、即戦力となる実務経験者が優遇されます。

その他、パソコンスキルや、自営業の経験がある人などは経理の実務に役立つスキルを持っていることが期待できるため、選考で有利になることが多いです。

経理になるまでのルート

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経理の資格・難易度

簿記検定

簿記検定は民間資格ですが、複数の団体が実施しており、その種類もさまざまです。

もっとも一般的なのは日本商工会議所および各地商工会議所の「日商簿記検定」で、1~3級まであります。

2級以上を取得していると簿記の基礎知識や実務、計算能力があることの証明になるため、経理職の採用条件でも2級以上を求める企業が多いです。

受験資格に学歴、年齢、性別、国籍は不問で、最初から1級や2級を受験することもできますし、同じ日に複数の級の受験をすることも可能です。

合格率は2級で例年20%~30%で、受験料は4,720円です(受験料は級によって異なります)。

参考:簿記(日本商工会議所)

電子会計実務検定試験

こちらも日本商工会議所が主催している検定試験です。

電子会計実務検定は、会計ソフトによる会計情報の分析・活用に焦点を当てた比較的新しい検定試験です。

簿記の知識を生かし、会計ソフトへの入力や会計データの活用・分析、電子申告・納税、帳簿・証憑(しょうひょう)書類の電子保存といった現代ならではのニーズに対する知識も学習できます。

こちらも日商簿記と同じく1~3級に分かれており、受験料は1級:10,480円、2級:7,330円、3級:4,200円です(いずれも税込み)。

受験資格はとくにありませんが、2級の合格率は15%~25%程度と日商簿記よりもやや難しくなっています。

参考:電子会計実務(日本商工会議所)

IFRS検定(国際会計基準検定)

日本企業の海外進出が増える中で求められる、IFRS(国際会計基準)の知識や実務経験を問う資格試験です。

受験資格はとくにないものの、実務経験者の受験が多い専門性の高い資格です。

その中で例年の合格率が50%~70%ですので、やや難易度の高い資格ですが取得できれば専門性をアピールできるでしょう。

受験料が47,300円と高めになっているため、会社からスキルアップのために受験を求められることもあるようです。

参考:IFRS検定

経理になるための学校の種類

経理を目指す上で必須の学歴はありませんが、商業高校や専門学校で簿記を習っておけば大学に行かずとも経理職に就ける可能性はあります。

しかし、規模の大きな会社や、経理部門のマネージャーなどを目指すなら、やはり大学を卒業し、総合職として就職しておいた方がよいでしょう。

この場合、経済・経営学部や商学部などで簿記や会計、経営学などの単位を取得していると実務でも役立ちます。

簿記を教えてくれる専門学校の場合、入学金を含めた学費の総額は、2年で200万円~300万円ほどが相場です。

大学なら入学金が30万円~100万円、4年間の学費が200万円~500万円ほどになるでしょう。

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経理に向いている人

経理は単調な仕事が多いため、集中力のある人や、飽きにくい人、仕事の改善などを楽しめるタイプの人が向いています。

また、企業の大事な機密情報を扱うことになることから、口の堅い人も好まれるでしょう。

その他、数字に強い人や、物事を俯瞰的に見ることができる人、誠実な人も経理への適性が高いです。

経理は経営に近い位置で仕事をするため、将来的に独立したい人や企業幹部を目指す人もいます。

経理に向いている人・適性・必要なスキル

経理職を目指せる年齢は?

経理職を目指せる年齢にはとくに決まりはありません。

実務経験がある人であれば、年齢に関係なく戦力として重宝されるでしょう。

ただし、経験があっても、企業の人員構成や必要な業務量などはさまざまで、正社員採用はないことも多いです。

実績があっても有限の契約社員や、派遣社員、アルバイトなどの雇用形態で働く人も多く、実務経験のない人の正社員採用は30歳を過ぎると厳しくなるでしょう。

経理のキャリアプラン・キャリアアップするためには?

経理に配属されたら

経理の仕事内容は、企業の規模によっても大きく変わります。

規模の大きな企業の場合、業務の分担が細かいため少しずつ仕事を覚えていくことができますが、中小企業の場合は多くの業務を短期間で覚えていく必要があります。

入社後から3年目くらいまでは仕訳業務をメインに、実務経験を積みながら経理の基礎を学ぶことが多いでしょう。

3年を過ぎると、決算業務のサポートや、決算実務の責任者として仕事を任されるようになっていきます。

もう少し経験を積むと、内部統制業務やIR実務など部門横断的な仕事への参加も期待されるようになっていきます。

5~10年くらいになると、部署内で役職がついたり、適性が認められて財務担当として資金調達などのプロジェクトに参加したりするようになっていきます。

10年を過ぎる頃には、企業の状況によって部門長やCFOなどになる人も出てくるでしょう。

経理としてスキルアップするには

新人時代は基本的なスキル

経理としてのスキルアップは、新人時代しっかりと経理実務の知識と技術を磨くことです。

簿記や会計の知識、会計ソフトの機能の把握、パソコンスキルなどをしっかりと身につけていきましょう。

数年間の経験を積むことで、どのような職場でも通用するスキルが身につきます。

経営に関わるための知識を身につける

経理として、より経営に近い立場で仕事をしたい場合は、経営的な視点やセンスを磨く必要があります。

事業の成長のための資金調達や、財務諸表や会計データから企業の経営改善に対して意見をもつことも求められます。

内部統制やIR実務などについて詳しくなることも、企業の成長を助けますし、キャリアアップにつながるでしょう。

とくに上場を目指すベンチャー企業や成長企業ではこうした人材が非常に重要です。

現場のプロとしてスキルを追求する

経理として専門性を高めるなら、国際会計基準について学んだり、フィンテックに知見を持ったりといったスキルアップの方向性も考えられます。

効率よく仕事を進められるスキル、さまざまな企業の状況に対応できるスキルがある人は、どこでもスペシャリストとして重宝されますし、再就職もしやすいです。

また、スキルがあるだけでなく、教育が上手な人は経理としての仕事だけではなく、専門学校で講師となることもできるでしょう。

経理のキャリアパス・キャリアアップの考え方

経理はキャリアパスがはっきりとしていることが多い職種です。

そのため、以前は必要な業務経験を積んでいくことで、上位の職位や職務に就くことができました。

しかし近年は、会計基準の国際化や基幹業務のアウトソーシング指向が進んでおり、従来のようなキャリアパスのない企業が増えています。

見方を変えれば、個人のスキルや考え方によって、さまざまなキャリアの形が出てきているともいえます。

たとえば会計の知識を生かしてて税理士などの資格を取得して独立したり、ベンチャー企業のCFOとなったりする人もいます。

英語も得意という人なら外資系の企業で経理を務めることも十分可能です。

また、ワークライフバランスを重視し、在宅で経理業務のアウトソーシングを引き受けるフリーランスの働き方をする人も増えています。