経理の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「経理」とは
決算書作成、給与計算、経費精算、税理士との折衝など、企業経営の数字面を担当する。
経理とは、会社のお金を管理する仕事です。
経理の仕事は毎月、給与計算や月次決算書の作成などをこなし、さらに半年や1年ごとに決算を行うのが一般的です。
ほかにも、企業における金銭的な数値を管理することで経営上の課題を見つけ出し、企業の発展に貢献する重要な役割も担っています。
経理職に就くには、新卒の場合は学歴や特別な資格は問われませんが、中途採用の場合はほとんどの企業が経験者または簿記検定2級以上の資格保有者を求めています。
平均年収は400〜450万円ほどだといわれていて、一般事務より若干高めですが、会社の規模や職務内容、キャリアによって大きく差が生じるようです。
経理の仕事は、基本的にはどのような規模の会社でも行われており、必須の職種なので、人材としてのニーズが高いのが経理の特徴です。
一方で近年は、社内に経理職を常駐させる企業が減ってきているのが現状です。
これから先は一般企業だけではなく、経理業務のアウトソーシングを請け負う企業への就職も視野に入れた方が就職のチャンスが広がるでしょう。
「経理」の仕事紹介
経理の仕事内容
企業のお金の管理を専門に行う職種
お金の管理を行い、経営に役立てる
企業の活動によって生じる日々のお金の流れを記録、管理するのが、経理業務です。
日常業務、月次業務、年次業務とサイクルにより幅広い仕事内容があります。
日常業務は、現金や預金の管理です。
各部署からあがる請求書、領収書、納品書の発行、確認を行い、伝票作成、記帳をします。
これらの日々の経理業務は、月次、年次業務の元データとなるため、正確に不明点を解決しながら行います。
月次業務は、給与計算、売掛金の回収、買掛金の支払い、月次決算書の作成などがあります。
年次業務は、決算書の作成です。
決算日の2カ月以内に集計業務、作成を終え、申告を行い、税金を納付します。
企業の上層部や取引銀行は、経理の作成する経営管理資料(決算書など)をもとに、現状や今後の方針について判断します。
そのため、経理の重要な業務に記録、管理した数値から、経営課題を見つけ出し、改善提案を行うことがあげられます。
数字を扱うことから正確性や効率的な仕事を地道にできる能力が求められます。
企業規模に寄る仕事の違い
大企業の経理は、基本的に複数人による分業が行われ、社内の経費管理を中心にする人や、伝票・請求書などの発行を行う人、入出金の実務を行う人などに分かれています。
マネージャーやリーダーによってそれらの活動が統括され、財務部署との情報交換やミーティングも多いのが特徴です。
一方、中小企業の経理では、少人数で業務を進める場合が多く、1人で経理全般を担当することもあります。
経理になるには
経理事務に応募するか、経理部門へ配属される
特別な学歴や資格は問われない
経理になるためには、企業の採用から経理事務に応募するか、総合職採用に応募し、採用後に経理部門への配属を希望するのが一般的です。
経理業務で働くのに特別な資格や学歴は不要で、新卒の場合、企業に入社後、経理部門に配属され、実際の仕事を行いながら、経理業務を習得していきます。
中途採用の場合、即戦力が重視され、経験者であれば、資格や学歴は問われない傾向にあります。
経理業務は専門職とされ、どの企業でも業務内容に大きな差がないため、経験者であれば、企業側は新人育成を省くことができるというメリットがあるためです。
年齢にも特に決まりはなく、実務経験がある人であれば、年齢に関係なく戦力として重宝されるでしょう。
ただし、実績があっても有限の契約社員や、派遣社員、アルバイトなどの雇用形態で働く人も多く、実務経験のない人の正社員採用は30歳を過ぎると厳しくなるでしょう。
経理向きの人材とは
新卒の場合、パソコン、簿記などの資格、性格の適性などから判断し、経理向きの人材が経理に配属されることが多いです。
お金の問題は、従業員や取引先などの信用に大きく関わります。
もし1円でも誤差がでればやり直しとなることも多いため、厳しい仕事の中でも集中力を保ち、黙々と仕事をこなせる適性が見られます。
また給料やボーナスの支払い前、会社の決算期などは業務量が多くなり、残業が発生することも多いため効率的に仕事をこなせる人も向いています。
経理の学校・学費
会社により求められる学歴は異なる
企業の入社試験を受けるためには、企業によっては大卒以上、専門学校卒以上という学歴が必要となることもあります。
大企業や人気企業であれば、一流大学や有名大学卒業の志望者が多く、競争率も高まるため、経済・経営学部や商学部などで簿記や会計、経営学などの単位を取得していると実務でも役立ちます。
また経理の仕事は基本的に文系でも理系でも可能ですが、簿記やパソコンスキルがあると有利です。
なお商業高校や専門学校で簿記を習っておけば、大学に行かずとも経理職に就ける可能性はあります。
こうした知識は通信教育やスクールで知識を身に付けることもでき、数万円で受講できるものも少なくありません。
経理の資格・試験の難易度
簿記2級をもっていると有利になることがある
日商簿記2級やパソコンに関するスキル
経理業務に必要な資格はありませんが、経理業務に役立つ有利な資格として、日商簿記2級があります。
合格率は20%~40%程度であり、過去問をやりこむことで独学での合格も可能なレベルです。
ほかに有利な資格として、パソコン関連資格があります。
最近の経理業務では、パソコンを用いた業務が多いことから、エクセルやワード、アクセスなど基本的なパソコンスキルを持っていることが大切です。
資格は民間を中心にたくさんありますが、履歴書に書くのであれば日商PC検定2級やMOSなどがあります。
難易度は双方とも独学で合格可能なレベルであるため、チャレンジしてみるのもよいでしょう。
電子会計実務検定
電子会計実務検定は、会計ソフトによる会計情報の分析・活用に焦点を当てた比較的新しい検定試験です。
簿記の知識を生かし、会計ソフトへの入力や会計データの活用・分析、電子申告・納税、帳簿・証憑(しょうひょう)書類の電子保存といった現代ならではのニーズに対する知識も学習できます。
受験資格はとくにありませんが、2級の合格率は15%~25%程度と日商簿記よりもやや難しくなっています。
IFRS検定(国際会計基準検定)
日本企業の海外進出が増える中で求められる、IFRS(国際会計基準)の知識や実務経験を問う資格試験です。
受験資格はとくにないものの、実務経験者の受験が多い専門性の高い資格です。
その中で例年の合格率が50%~70%ですので、やや難易度の高い資格ですが取得できれば専門性をアピールできるでしょう。
経理の給料・年収
企業規模によって仕事内容や給料には差がある
一般事務と比較すると高めの傾向
経理職の平均年収は400~450万円です。
一般事務の平均年収は330万円程度ですから、専門職である経理のほうが高いといえます。
ただ勤務する会社の規模、業務内容で年収には差があります。
大企業であれば、給与は安定して高い傾向にあります。
大企業で実務経験10年以上、連結決算業務、有価証券開示報告書作成レベルの業務が可能であれば、かなりの高収入が期待できます。
逆に小規模の会社であれば、仕事が多岐にわたり、残業が増加する傾向にあるにもかかわらず、年収は低く、一般事務と同レベルということもあります。
なお、同規模の企業で働く場合は、日系企業よりも外資系企業の方が給料は高い傾向にあります。
経理が給料をアップさせるには
経理が給料をアップさせるには、まず昇進することがあげられます。
大企業で働いている場合は、経理の仕事に慣れてくると、主任や係長などに昇進していきます。
損益計算書を作成したり新人指導を担ったりと、仕事の範囲が広がるため、さらに給料はアップしていきます。
リーダー・課長クラスで決算の取りまとめまで行えるようになると、年収500~700万円程度となります。
さらに上場企業での開示業務や連結決算など、より専門性の高い領域を担当するようになると、年収600~900万円を目指すこともかのうです。
まずは「決算の取りまとめ」ができるかどうかが大きなポイントとなり、これを任されるようになると給料はさらにアップしていくようになります。
経理の現状と将来性・今後の見通し
正社員の減少と働き方の多様化が進む
アウトソーシングやIT化が進む
ひと昔前は、経理職は解雇される心配が少ない、安定性がある職種といわれていました。
実際、一般的な事務よりも専門性が高く、企業による業務の違いも少ないことから転職もしやすい職種です。
しかし、時代が進むなかで経理のアウトソーシング化やIT化が進み、経理は以前ほど専門性や経験を求められなくなってきています。
経理専門の人員を置かない企業が増えつつあり、税理士事務所などに経理業務をアウトソーシングする企業もあり、フルタイムの経理を必要としない企業まで出てきているほどです。
少しずつ経理の需要は減ることが予想されますが、ゼロになることはありませんし、知識や経験のある人材はどこでも即戦力として重宝されるでしょう。
プラスアルファのスキルを
経理の仕事は定型化されたものが多く、自動化を行うRPAやAI(人工知能)などのIT技術と相性がよいといわれています。
そのため、この分野の技術革新が進めば、将来的に経理職を必要としない企業が増えてくる可能性がありますが、プラスアルファのスキルがあればさまざまな活躍が期待できます。
実務能力に加えて法律などを理解していれば、税理士事務所や会計事務所などで、経理のアウトソーシングを担当するプロフェッショナルとして活躍することもできるでしょう。
税理士や公認会計士などの資格を取得し、独立して自分の事務所を構える人もいます。
経営数字や実務に強いことを生かし、アイデア次第でさまざまな方向性を考えられるのが経理の強みです。
経理の就職先・活躍の場
日本全国の企業や組織で活躍できる
経理業務は、日本全国の企業や組織で活躍できます。
どの企業も経理に関する仕事は少なからずあり、企業規模によっては、経営者自ら経理業務を行っているところもありますが、どのような企業にも経理を担当する人は必ず一人以上います。
そういう意味では、経理は非常にニーズの高い仕事といえるでしょう。
一言で経理といっても、日々の経理業務など事務的な役割を担う経理事務から、経営数値を分析し、経営者に提示し、銀行と折衝を行う経営者の右腕的存在の経理スタッフまで、仕事内容はさまざまです。
近年は、経理業務をアウトソーイングする企業も増えつつあり、監査法人や経理代行サービス会社などで働く契約社員の求人も増加しています。
経理の1日
会社の勤務時間に応じて仕事をする
経理の勤務時間は一般的な企業のものと基本的に同じで、9:00~18:00が多いです。
決算期や月末、締め日前などは残業が増える傾向がありますが、多くの日は定時で退社できます。
ただし、さまざまな種類の業務を期日・時間内に処理する必要があり、スケジュールも細切れになりがちです。
<メーカー企業の経理の1日>
経理のやりがい、楽しさ
仕事の達成感と経営の深部に関わる責任感
経理にとって必要なのは、ミスなく必要な時期までに月次や決算資料を作成することです。
これら一連の経理業務を正確に行ったときの達成感は爽快です。
また、さまざまな数値から、企業の成長や従業員の頑張りを読みとることができ、達成感と周囲への労いの気持ちが思わず湧き上がってくるでしょう
こうした経営管理資料は、利害関係者への報告など企業の重要な場面で使われるため、これにもやりがいを感じます。
また金銭の流れを把握するなかで、見えてきた経営課題を資料にして、経営者に報告するのも経理の重要な仕事です。
経理として力をつけてくれば、縁の下の力持ちとして、経営者からも頼りにされます。
自分の発見した経営課題を改善することで、会社の数値が改善すると、会社の経営に貢献できたという喜びで満たされます。
経理のつらいこと、大変なこと
集中力が必要で、繁忙期の業務は大変
経理の仕事は、基本的に1日デスクワークで、ひたすら数字とにらめっこということも多いです。
集中力を維持しながら、ミスなく数字の集計や入力を行う必要があるため、肩こりや腰痛などに苦しむ人も少なくありません。
会社の大きな損害につながることや、対外資料であれば企業の信用にかかわるので、ミスは許されないという緊張感が強く、なかなかリラックスする暇がないという人も多いです。
また、繁忙期の決算時期は、残業や休日出勤も多くなり、肉体的につらいと感じることもあります。
さらに経理の立場から、他の社員の経費などには厳しく対応することも必要で、他の社員から疎まれることもあります。
経理に関する情報は社内でも重要な機密情報になり、同僚や同期たちの話にうかつに参加することはできないつらさもあります。
経理に向いている人・適性
几帳面で、こつこつと集中して業務ができる
几帳面でコツコツと仕事ができる人
経理の仕事は地道にこつこつと集計、起票をし、決算業務につなげていくことが求められます。
そのため、小さいことによく気が付く几帳面さをもち、ミスなく業務をすすめる集中力が必要です。
処理能力の高さも求められることから、作業効率の高さも必要になります。
また単なる数字の計算管理だけでなく、それを分析し、会社をよりよくするためには、どうすればよいか考える責任感の強さも大切です。
さらに経理の仕事はデスクワークが中心で、繁忙期には残業も多くなります。
毎日同じような作業が繰り返されるため、飽きっぽい人では務まりません。
業務効率化のアイデアが豊富で改善を楽しめるタイプの人、上手に息抜きをしながら気分転換を行える人は、経理として働くのに向いているでしょう。
ITスキルや分析力を持っている
経理の仕事では、パソコンを使ってさまざまな計算や入力作業を行います。
ミスを生じさせないために表計算ソフトに数式やマクロを組んで、できるだけ入力項目を少なくするなど工夫している人も多いです。
現場ではさまざまなITツールを活用し、業務を効率化することが求められているため、ITのスキルがある人は重宝されます。
また経理はただ記帳やデータ入力を行うだけでなく、会計データを通して社内の不正や問題点を見つけ、経営者に知らせる役割も担っています。
各部署や従業員の活動状況を想像したり、改善点を見つけ出したりすることができる分析力がある人は、将来の幹部候補として期待されるでしょう。
関連記事経理に向いている人とは? 適性や求められる能力を紹介
経理志望動機・目指すきっかけ
専門性が高く長く働けること
専門性の高さや手に職が就く手堅さが理由
経理の仕事は、専門性を高めたいという人や簿記の資格を生かしたい人が志望する傾向にあります。
経理業務は、一般事務に比べると、専門性が高いです。
最初は経理の補助からはじまり、経験を積みながら、決算・財務諸表作成など企業内でのキャリアパスが比較的分かりやすいのも経理の特徴です。
専門性を高め、経験を積むことで、企業の経営課題を改善する役割を担うなど、企業に大きく貢献できる可能性もあります。
また、経理はニーズが高いため働き方の選択肢も多く、手に職がつくというキャリアの面から経理を目指す人もたくさんいます。
会社によって業務内容に大きな差異もないため、転職の際、経験を生かして長く働けることも大きな魅力のひとつでしょう。
経理の自己PRのポイント
経理職は会社で契約している税理士や公認会計士や、取引のある金融機関などとコミュニケーションをとる機会が多いため、企業の信用を守る面でも、きっちりした印象を与える必要があります。
面接の際には、社会人らしくきっちりとした服装、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。
また経理は経営層に報告を行う機会も多いため、相手の時間を奪わないよう要点を整理して話す練習をしておくとよいでしょう。
自己PRでは「誠実さ」や「分析力」「地道な努力を継続できる」などの経理向きの長所が効果的です。
エピソードの内容に数字を交えたり、時系列を追いながら話したりすることで経理としての報告能力などもアピールできます。
経理の仕事は地道にこつこつと集計、起票をし、決算業務につなげていくことが求められます。
そのため、小さいことによく気が付く几帳面さをもち、ミスなく業務をすすめる集中力が必要です。
処理能力の高さも求められることから、作業効率の高さも必要になります。
また単なる数字の計算管理だけでなく、それを分析し、会社をよりよくするためには、どうすればよいか考える責任感の強さも大切です。
さらに経理の仕事はデスクワークが中心で、繁忙期には残業も多くなります。
毎日同じような作業が繰り返されるため、飽きっぽい人では務まりません。
業務効率化のアイデアが豊富で、改善を楽しめるタイプの人、上手に息抜きをしながら、気分転換を行える人は、経理として働くのに向いているでしょう。
ITスキルや分析力を持っている
経理の仕事では、パソコンを使ってさまざまな計算や入力作業を行います。
ミスを生じさせないために表計算ソフトに数式やマクロを組んで、できるだけ入力項目を少なくするなど工夫している人も多いです。
現場ではさまざまなITツールを活用し、業務を効率化することが求められているため、ITのスキルがある人は重宝されます。
また経理はただ記帳やデータ入力を行うだけでなく、会計データを通して社内の不正や問題点を見つけ、経営者に知らせる役割も担っています。
各部署や従業員の活動状況を想像したり、改善点を見つけ出したりすることができる分析力がある人は、将来の幹部候補として期待されるでしょう。
経理の雇用形態・働き方
雇用形態や働き方はさまざま
企業の正社員として働く場合は、フルタイムで出勤し、繁忙期には残業や休日出勤も多くなります。
ただし、最近は経理職を廃止し、監査法人や経理代行サービス会社に外注するところも多いです。
そのため正社員雇用の社員には、単なる数字の管理だけでなく、より財務管理としての働き方を求める企業が増加しています。
監査法人や経理代行サービスで働く場合は、派遣社員や契約社員の雇用形態も多いです。
経理の経験があれば、監査法人や経理代行サービスに登録し、希望や適性を踏まえた上で、企業に派遣されて働きます。
なかには在宅で企業の経理業務を行う人も増えてきており、経理業務はさまざまな雇用形態と働き方が選択できる仕事です。
経理の勤務時間・休日・生活
繁忙期は残業や休日出勤が多い
勤務時間は、勤務する会社、自分の雇用形態によります。
大企業の正社員であれば休日は週休2日制、9:00~18:00の基本は8時間程度の勤務です。
特殊な業務内容でない限りは、早朝や夜間に働くことはないでしょう。
また、残業については給与の支払いや月ごとの帳簿付けなどが行われる月末や月の始めに多くなり、特に忙しくなるのは決算期です。
決算書を作成するためには、棚卸や減価償却という計算が必要になり、数字が合うまで帰れないということも多いです。
原因が分からなかった場合には解明に時間がかかることもあり、残業は深夜までおよぶこともあります。
ただし、それ以外の日であれば残業が常態化しているということはほとんどなく、定時で帰ることのできる職場も多いです。
経理の求人・就職状況・需要
即戦力となる経験者であれば需要は高い
経理業務は、即戦力を求める企業も多く、経験者の需要が高いです。
しかし、最近は監査法人や経理代行サービス会社への外注が増加し、正社員採用が少なくなっている傾向があります。
なお求人には経理、財務担当として募集されていることも多いです。
混同されやすい仕事に「会計」という仕事があります。
会計は入出金全般を指し、経理は会計の一部であるのに対して、財務は銀行などから資金調達を行い、資金の運用、予算管理など、より経営に近い業務をさします。
中小企業では、財務は社長が行い、経理のみ経理担当が行う場合もあれば、経理も財務もベテランの経理担当社員が行う場合もあります。
大企業では、経理と財務は明確に区分されていることが多いですが、求人を見る時は、企業側がどの業務を求めているかを確認しましょう。
経理の転職状況・未経験採用
実務経験者であれば採用されやすい
実務経験重視で採用することが多い
転職の際は、経理の経験者であれば、その専門性の高さからたとえ資格がなくても、実務経験重視で採用されやすいです。
そのため、ブランクがある主婦でも、経験さえあれば復帰しやすいとされています。
逆に未経験の社会人が経理担当に転職しようとする場合、求人数は少なく難しいといえます。
少なくとも簿記2級やパソコン関連資格を取得し、知識ややる気をPRすることが必要です。
同じ未経験でも新卒の場合、育成をしながら長期的に雇用し、企業の経営に貢献させたいという会社の求人があります。
新卒で絶対に経理部門に行きたいという場合は、志望動機に経理として、会社の利益に貢献していきたいという趣旨をいれていくとよいでしょう。
また学生時代に資格を取得しておくことも、配属が有利になる可能性があります。
事務職のスキルを生かすことができる
経理への転職では、一般事務職の経験が生かしやすいでしょう。
さまざまな事務作業のスキルは、経理の仕事を効率的に行う上でとても大切です。
ただし、経理に必要な簿記知識などが最低限必要ですので、経理未経験では資格がより重要になります。
また経理は実力・経験さえあれば何歳でも転職を目指せます。
ただし資格があっても実務未経験の場合には、正社員採用は難しく、契約社員や派遣社員などの立場から経験を積むことがほとんどです。
雇用形態にさえこだわりがなければ、30代や40代でも仕事は探せることも多いでしょう。