テーマパーク業界(読了時間:12分1秒)

テーマパーク業界とは

テーマパーク業界は、来てくれたお客さまに非日常の体験を提供して楽しんでもらうことで、入場料、グッズ販売、レストラン、ホテルなどの収益から利益を得ています。

日本のテーマパークの代表格といえば「ディズニーリゾート」や「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」ですが、各地にはまだまだ多くのテーマパークがあり「ナガシマスパーランド」「ラクーア」「横浜・八景島シーパラダイス」などがあげられます。

こうしたテーマパークは、それぞれのテーマに従ってアトラクションやショー、グッズ、フードなどの企画・開発を行っており、多くの人を惹きつけるコンテンツを発信し続けています。

近年は、さらに多様化したテーマのパークが誕生していることでも話題を集めています。

テーマパーク業界の市場規模は、2018年の売上7,113億円を超えており右肩上がりで成長しています。

→→経済産業省 特定サービス産業動態統計調査

また業界全体の入場者数は、7,900万人を超えていて、日本の人口1億2000万人のなんと半数以上の66%の人が訪れていることになります。

2020年のオリンピックに向け、外国人観光客も増えることが予想されることから、今後も業界として成長していくことが予想されています。

テーマパーク業界の役割

テーマパーク業界の1番の役割は、テーマパークに来てくれたお客さまに楽しんでもらうこと、喜んでもらうことです。

非日常を求めて来る方が多いので、スタッフのサービスやおもてなしで笑顔になってもらい、入場料以上の価値を感じる興奮、感動、夢を与えることが求められます。

それに伴い、アトラクションやショー、関連グッズ、お土産、フード、ホテルなど魅力的なコンテンツを充実させることも大切です。

そのためには世の中にどんなニーズがあり、話題性を集めるのかなど、より集客できる企画を作り形にしていきます。

映画やアニメとのコラボレーションや、写真映えするスポットやフード、グッズの開発も積極的に行われています。

より多くの方にテーマパークに来てもらうために、「また行きたい」とリピーターになってもらえるよう質の高い接客はもちろん、アトラクションやショー、体験、グッズ、フードの充実が重要です。

テーマパーク業界の企業の種類とビジネスモデル

国内の2大企業

日本国内にはさまざまなテーマパークが存在しますが、その中でもテーマパーク業界の2強といわれるのが「ディズニーリゾート(オリエンタルランド)」と「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(ユー・エス・ジェイ)」です。

この2大パークは、入場者のチケット代だけでなく、ショーやアトラクション、オリジナルグッズ、飲食販売、ホテルなどすべてが収益につながっています。

そのためスタッフのホスピタリティはもちろんですが、開園から閉園ギリギリ、もしくはホテルでの滞在を楽しんでもらえるようにコンテンツを充実させることが大切です。

さらにSNSで発信力のある若者、遠方からの集客、リピーターに継続して足を運んでもらうために、常に話題作りも欠かせません。

写真映えするフードメニューやグッズの企画・開発、話題性のある映画や漫画のアトクラクションの開設などが行われています。

国内の大手テーマパーク企業

2強のほかにも、大手テーマパークは全国にたくさんあります。

代表的なテーマパークは「東京ドームシティ」「ナムコ・ナンジャタウン」「富士急ハイランド」「ハウステンボス」「ナガシマスパーランド」「よみうりランド」などです。

1度は名前を聞いたことがある、もしくは行ったことがあるというテーマパークが多いのではないでしょうか。

各テーマパークも、入場料だけでなく、ショー、アトクラクション、オリジナルグッズ販売、飲食、ホテルなど周辺コンテンツを提供することが収益につながるビジネスモデルです。

特化型テーマパーク企業

近年は特定のフードメニューやアニメ、時代設定、ペットなど多種多様なコンテンツをテーマにした、特化型テーマパークを運営する企業も増えています。

たとえば三重県のベビースターのテーマパーク「おやつタウン(株式会社おやつタウン)」や、埼玉県のムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク(株式会社ムーミン物語)」などがあります。

そこでしかできない体験や、会いたくなるキャラクター、オリジナルグッズ、オリジナルフードを求めてファンが訪れるのが特徴です。

テーマパーク業界の職種

テーマパーク業界の職種は、大きくまとめると2つです。

実はお客さまに接客する業務は、アルバイトや業務委託が多いため、社員募集のある職種は以下の2つになります。

総合職

総合職は主に、マーケティングや各部門の統括をするマネジメントを行う仕事です。

お客さまを喜ばせるのがテーマパークの役割ですが、そこに収益がなければ会社として成立できず、楽しいコンテンツを提供することもできません。

そこでテーマパークにどうしたら多くの人が来てもらえるか、より売り上げが伸ばせるかということを考え、戦力を立てていきます。

入社してからよりよい人材を採用するための人事部や、数字管理をして経営を支える経理部など、たくさんの部署を経験しながら、企業全体の成長に貢献していく仕事です。

幅広い分野の業務がこなせる、ゼネラリストを目指すことができます。

専門職

専門職は1つの分野に特化した仕事を行う、スペシャリストです。

たとえば新しいイベントの企画や運営、集客を集めるためのPR戦略、オリジナルグッズやイベント時の商品開発、季節に合わせたフードの開発・調理などがあります。

また技術系の職種も多く、アトラクションの設計や設営、建設時の配線を担当する電工担当、パレードに使う衣装製作・修理、インテリアデザインや品質管理、木や植物の栽培管理、レストランやホテルでの調理担当などがあげられます。

ひとくちに専門職といっても、内容には幅広い業務があるので、個々の知識、能力、資格を専門分野で存分に発揮することが可能です。

テーマパーク業界のやりがい・魅力

やりがい

テーマパーク業界で働く人のやりがいは、お客さまの笑顔につながるサービスができたことにやりがいを感じる人が多いですが、それだけではありません。

たとえば総合職は、常にお客さまのニーズを先取りして企画・立案することが必要です。

その際に新しい切り口やアイディアで企画を提案し、それが形になったときの達成感、自分の考えを仕事に反映できる環境にもやりがいを感じられるでしょう。

また屋外テーマパークでは天候にも左右されるので、トラブルがつきものですが、多くのスタッフと協力してショーを成功させること、そして大勢のお客さまの喜ぶ姿を見たときの達成感は格別のようです。

待遇

企業によっても異なりますが、多くの企業で福利厚生や研修制度が整っています。

フリーパスがもらえたり、グッズを割引料金で変えるなどの嬉しい特典は、そのテーマパークのファンには嬉しい特典でしょう。

ただし規模によっては、人手不足で拘束時間が長かったり、給料の低さを感じている人もいるようです。

将来性への期待

近年テーマパーク業界は、右肩上がりで成長しており、将来性も期待されています。

日本人だけでなく、今後インバウンドの拡大で、外国人観光客の来場も見込めるため拡大の余地はありそうです。

ただし入場者数の増加には、アトラクションの待ち時間が長くなることから新しい課題が生まれています。

ショッピングや食べ歩きの時間がなくなり、園内でお金を使ってもらえなくなってしまうため、このような課題への解決策が求められています。

テーマパーク業界の雰囲気

テーマパーク業界で働く人は、お客さまを喜ばせたいとホスピタリティーの高い人が多いです。

また子供から大人、日本人だけでなく海外からのお客さまも多いので、たくさんの方を楽しませることができる高いコミュニケーションスキルもあります。

そこで働く現場でも、一緒に働くメンバーにも気遣える人が多く、明るい雰囲気の中仕事をすることができます。

このテーマパークが「好き」という気持ちが一致している分、話題で盛り上がることも多いようで、働きやすい環境だということができるでしょう。

総合職は人事部、経理部、マーケティングなど部署間の異動があるので、さまざまな職種に携わるチャンスがありますし、多くの人とのコネクションができます。

また技術職は、周りもプロフェッショナルの環境で仕事を行うため、常にスキルやパフォーマンスを磨くことができます。

テーマパーク業界に就職するには

就職の状況

テーマパーク業界は「小さな頃から好きだった」「憧れだった」という人が多く、学生にとって人気のある業界のひとつです。

特に女性の人気は高いため応募も集中しますが、「好き」という人がたくさんの応募があることから、採用までたどり着くのは難しいともいわれています。

大手企業は毎年新卒採用をしている企業がほとんどですが、「総合職」は「大卒・大学院卒以上」の学歴を求められるのが一般的です。

「技術職」はその分野に精通した学部や専門学校を卒業した学歴が求められるので、専攻分野を最大限活かして就職することができるでしょう。

近年はテーマパークが多様化していることから、各社の規模や戦略もさまざまなので、業界研究や企業研究をしっかり行うことが重要です。

就職に有利な学歴・大学学部

テーマパーク業界への就職は、総合職であれば大卒・大学院卒が求められますが、専門職は高等専門学校・専門学校卒も採用が行われています。

総合職はゼネラリストとしての成長が求められるので、特定の学部が有利になることは少ないようです。

ただしその企業が成長するための企画・戦略を行うため、マーケティングやマネジメントの知識があるとよいでしょう。

専門職の募集は専門知識やプロとしての感性が求められるため、ご自身が先行してきた分野が有利になります。

たとえばオリエンタルランドでは、専門職の採用に対象学部が明記されており、応募職種によっては受けることすらできないこともあるので注意が必要です。

就職の志望動機で多いものは

テーマパークで就職を目指す人は、「小さな頃から通っていた大好きな場所で働きたい」「私がスタッフに優しくしてもらったように、今度は私もいろんな人を幸せにしたい」という志望動機が多いようです。

ただし「好き」という気持ちは多くの学生が感じているので、ほかの人と差がつく志望動機が必要でしょう。

総合職の場合であれば、企業がさらに成長できる戦略や立案をする仕事がメインになるので、企業目線での志望動機があることがポイントになります。

たとえば「その企業のどこが好きで将来性を感じるのか」「入社後どのように企業が貢献できるのか」といった目線が加わることで、差のつく志望動機に仕上がります。

またコミュニケーション力などの社交性、組織に必要な協調性、技術職は専門性ややりきる力がアピールポイントになります。

テーマパーク業界の転職状況

転職の状況

テーマパーク業界は、転職者を募集している企業が多数ありますが、総合職よりも技術職の募集が多いようです。

さらに転職者へは、すぐに即戦力になってくれるスキルが求められるため、募集条件に「経験者」と書いてあることも多数あります。

常時公式サイトから採用募集をしている企業もありますが、人員不足になったときに募集をかける企業もあるため、希望のテーマパークがある場合はチェックしておくといいかもしれません。

転職の志望動機で多いものは

転職の志望動機で多いのは、「小さな頃から通っている大好きなテーマパークで、プログラミングの仕事をしたい」「機械のメンテナンス経験を活かして、より安全に楽しんでもらえるパーク作りに携わりたい」など、技術を活かした動機です。

転職の場合は技術職での募集が多いので、ご自身のスキルと、このテーマパークが「好き」という気持ちがミックスされた志望動機が多くなります。

合わせて「なぜこの企業でなければダメなのか」「どう貢献できるのか」を盛り込むと、より採用担当者に伝わりやすくなるでしょう。

転職で募集が多い職種

テーマパーク業界で募集が多い職種は、マーケティング、PR、企画、メンテナンスなどの技術職が多い傾向にあります。

中でもWeb対策を行うための「エンジニア」採用に力を入れている企業が多いようです。

技術職も幅広く、希望の企業で常に募集があるとは限りませんので、随時チェックしておくとよいでしょう。

どんな経歴やスキルがあると転職しやすいか

テーマパーク業界の募集は多くが技術職となり、その専門分野のスキルを持っている人の募集となるため、業界未経験では難しいといえます。

企業や職種によって、「メンテナンス経験」「チームマネジメント経験」「50名規模のショーをリードした経験」「英会話力」など求められるスキルは大きく異なります。

総合職で転職する際は、未経験OKだとしても、課題に対する企画・立案などのプレゼン能力、企業分析力などがあるとよいでしょう。

テーマパーク業界の有名・人気企業紹介

オリエンタルランド

オリエンタルランドは、千葉県浦安市で「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」を運営する企業です。

2018年度の来場者数は3255万人と過去最高を記録し、国内では圧倒的な存在感を誇ります。

2022年には総工費約2500億円を投じ、ディズニーシーの面積を20%拡大した新エリアを開設する予定です。

→→オリエンタルランド ホームページ

合同会社ユー・エス・ジェー

合同会社ユー・エス・ジェーは、大阪府大阪市で「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営する企業です。

2014年開設の「ハリーポッター」エリアが人気になり、入場者数は右肩上がりで伸びています。

ヒット漫画をテーマにしたアトラクションや、任天堂とコラボした「SUPER NINTENDO WORLD」の建設を進めるなど、話題性があるのが特徴です。

合同会社ユー・エス・ジェー ホームページ

長島観光開発

長島観光開発は、三重県桑名市にある「ナガシマスパーランド」を運営する企業です。

1966年創業の老舗の遊園地で、ほかにも温泉、アウトレット、宿泊、日本最大級のイルミネーションなどエンターテイメントが充実していて、幅広い年齢層の方が楽しめるコンテンツが魅力です。

長島観光開発 ホームページ

テーマパーク業界の現状と課題・今後の展望

国内の競争環境

国内の競争環境を比較するために、2017年の収入高ランキングを見てみましょう。

第1位 オリエンタルランド(4065億円)
第2位 合同会社ユー・エス・ジェイ(1658億円)
第3位 株式会社東京ドーム(618億円)
第4位 株式会社バンダイナムコアミューズメント(472億円)
第5位 富士急株式会社(275億円)

帝国データバンク|遊園地・テーマパーク経営企業の実態調査

国内のテーマパークを比較すると、ディズニーリゾートとUSJがほかのテーマパークを圧倒していて、ほかのテーマパークがあとを追う形です。

SNS拡散を狙った戦略

多くのテーマパークでは、入場者をさらに誘致するために、SNSを活用した戦略を行なっています。

来場者がSNSで拡散することが大きな広告効果につながることから、写真映えしそうなスポット、グッズ、フードメニューの開発が重要視されているのです。

逆に入場者が多くなってしまうと待ち時間が長くなり、ショッピングやレストランでの売り上げがダウンしてしまう課題が発生することもありますが、入場制限をしたり、商品のクオリティアップなどの企業努力も行われています。

業界としての将来性

現在テーマパーク業界は右肩上がりで成長しています。

特に2020年の東京オリンピックに向けて、外国人観光客が増えることが予想され、さらに動員数や収益が期待されています。

現在のテーマパークでの外国人旅行客の消費額は2%ほどといわれているので、まだまだ伸びしろがあるといえるのです。

大手テーマパークも新しいアトラクションや施設を次々とオープンさせて話題もつきませんし、テーマパーク自体が多様化しているので、好きなテーマパークを選んで自由に楽しむことができるのが魅力です。

今後も時代のニーズや話題を先取りしながら成長を続ける、業界として将来性が期待できるでしょう。

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