中学校教師の勤務時間は何時まで? 定時で帰れる?
平日は、授業の準備や生徒指導、部活動の顧問など多様な仕事をしているほか、休日も仕事に関わることも珍しくありません。
この記事では、中学校教師の勤務時間や休日、残業の状況や実際の忙しさなどについて解説します。
中学校教師の勤務時間
公立中学校教師の勤務時間は、法律にもとづいて、各都道府県および政令市の条例等によって定められることになっています。
1日当たりの勤務時間は7時間45分であり、基本的には、休憩時間を除いた労働時間が1週間について40時間を超えてはならないという決まりもあります。
実際の公立中学校教師の勤務は、通常8時前後から始まり、16時から17時の間に終了します。
ただし、実際には多くの教師が日々数時間の残業を行っていたり、朝早くに出勤して対応したりしています。
この残業の原因としては、放課後の部活動指導、テストの採点、宿題の確認、プリントの作成、授業の準備など、授業以外のさまざまな業務が挙げられます。
事務作業は授業の合間を使って進めることもできますが、それでも処理しきれない仕事が残ることは珍しくありません。
中学校教師は、学生の成長をサポートするために多くの時間とエネルギーを費やしており、その献身的な取り組みによって学校が運営されています。
しかし、労働負担の増加やワークライフバランスの取りにくさなどから離職してしまう人もおり、教育現場における課題として議論されることが増えています。
なお、私立中学校の教師の勤務時間・休日については、それぞれの学校法人が定める就業規則によって規定されます。
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中学校教師の休日
基本的には土日祝日が休み
基本的に、公立学校で働く中学校教師の休日は土日と祝日、そして年末年始(12月29日~1月3日)です。
しかしながら、部活動の指導を受け持っており休日にも練習や試合が行われる場合、その日は出勤しなくてはなりません。
部活動の指導は生徒との密接な交流を持てる機会であり、中学校教師のやりがい・魅力のひとつです。
一方で、教師自身の休日を犠牲にしなければならないという側面もあります。
さまざまな休暇制度がある
公立中学校の教師は公務員という立場から、「年次休暇」「病気休暇」「特別休暇」「介護休暇」などの休暇制度があります。
年次休暇は年度ごとに与えられる有給休暇で、急な病気や子どもの行事などでの欠勤に使われることが多いです。
夏休みなどの長期の休業時や生徒が登校しない時期には、労働者の権利として中学校教師も年次休暇を取ることができます。
一部の学校では、過労やストレス、家族との時間不足に配慮して、管理職から休暇を取るよう促しているところもあります。
ただし、部活動や多忙な業務によって年次休暇の消化が難しい教師もいるため、バランスを保ちつつ休暇を取ることは難しい現状もあります。
中学校教師の残業時間
残業時間の実態
文部科学省が公表した2022年度の勤務実態調査の結果によれば、同省が指針として提示している月45時間以上の残業に相当する勤務時間を超える教員の割合は、小中学校で6〜7割に上ることがわかりました。
過労死リスクが高まるとされる月80時間を超える残業を行う教員の割合は、前回の16年度調査に比べて減少しているものの、長時間労働の解消はまだ途上にあるといえる状況です。
「働き方改革」の影響で、残業時間に対する考え方が厳しくなり、企業や組織では少しずつ残業の削減に向けた取り組みが行われています。
中学校教師も例外ではなく、労働環境の改善やICT活用などによる業務効率化に努め、残業時間の削減を図る動きが見られます。
定時で帰るのは難しい場合も多い
「残業を減らそう」という取り組みは少しずつ進んでいるものの、実際には完全に残業を削減することは簡単ではなく、定時で業務を終えることが難しい場合もあることが現状です。
教育現場は業務内容が多岐にわたり、生徒指導や授業準備、部活動指導、評価・採点、保護者対応など、どれもおろそかにするわけにはいきません。
用事がある日や特別な状況では調整ができるかもしれませんが、毎日完全に残業を避けるのは現実的でないでしょう。
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中学校教師は忙しい? 激務?
中学校教師の業務は非常に多岐にわたり、忙しい日々を送る人が多いです。
教師の中には、休みの日や夜遅くまで学校に残って仕事をこなす人も少なくありません。
とくに運動部の顧問は、指導や試合の引率などで休日にも多くの時間を費やすことがよくあります。
日常業務に加えて、予期せぬ問題や事態にも対応する必要があるため、教師は臨機応変な対応力も求められます。
そして、中学生は思春期の真っただ中で、人間関係や進路などに悩みを抱える生徒が多いです。
そのため、一人ひとりの生徒と向き合うためには時間とエネルギーがかかることもあります。
一方で、生徒たちの成長やイキイキとした姿を見ることができる瞬間は、教師にとって大きな喜びとなります。
生徒の成長を間近で見守り、助けることができる点で、多くの中学校教師がやりがいを感じてこの仕事に取り組んでいます。
中学校教師の休日の過ごし方
中学校教師の休日は、多様な過ごし方があります。
部活動の顧問を務めている教師であれば、休日であっても練習や大会などの活動に出席し、生徒たちと共に過ごす機会も多いです。
生徒との関わりを大切にし、サポートすることが休日の一部になることもあります。
仕事が積み重なっている場合には、休日にも出勤して業務を進めることがあります。
また、自宅で仕事を片付けたり準備を行ったりすることもあるかもしれません。
一方で、完全に自分の時間を楽しむ休日ももちろんあります。
趣味の活動に没頭したり、自分のリラックスや楽しみを追求する時間を持つこともあります。
また、家族がいる場合には、家族と一緒に過ごすことでリフレッシュする教師も多いです。
中学校教師の休日の過ごし方は、個人の趣味嗜好や状況によって異なりますが、生徒との関わりや仕事に対する情熱が、休日にも影響を与えているようです。
「中学校教師の勤務時間」まとめ
中学校教師の実際の勤務時間は長くなりがちで、残業も多いことで知られています。
定時で帰ることが難しい日々が続くこともありますが、生徒の成長を間近で見られることに充実感をおぼえ、教育に対する情熱を実感できる瞬間ももちろんあります。
なお、最近では部活動指導や生徒との関わりを大切にする一方で、労働環境の改善や働き方の見直しも進んできています。
今後はよりワークライフバランスがとりやすくなることが期待されます。