教師は素晴らしい仕事だが変わっていかなければならない時期
投稿者プロフィール
投稿者の仕事満足度
- 総合満足度
- 3.50
- 仕事内容
- 3.50
- やりがい
- 4.50
- 働きやすさ
- 3.00
- 給料・年収
- 4.00
- 休日・待遇
- 3.00
- 成長・将来性
- 3.00
- メッセージ
-
教師は素晴らしい仕事であることは間違いありません。
子どもたちを教育して成長に寄与するという仕事は、とても素晴らしくやりがいがあります。
日々の授業や生徒個々との対話のなかで、それまで生徒ができなかったことができるようになったり、それまで生徒が理解できていなかったことを理解できるようになった瞬間は、何ものにも代えがたい喜びと達成感を味わうことができます。
ただし、学びの多様化のなかで、教師もこれまでとは同じやり方や価値観で指導をすることは危険だと思います。
生徒一人ひとりの個性を尊重すること、学校現場のこれまでの常識を取り払い、新しい価値観で指導ができる教師が今求められていると感じます。
- 仕事内容
-
教師のもっとも基本となり、かつ重要な業務は授業を行うことです。
小学校でも中学校でも高等学校でも、ものを教える教師が絶対的な知識量と指導力のもとに授業を行うことが最も大切です。
魅力的で価値のある授業を行うことができる教師は、授業以外の場面でも絶対に生徒をひきつけることができ、生徒にとっても素晴らしい教師になることができます。
授業以外では生徒指導や、基本的な生活習慣の指導等もありますが、生徒にとっては指導を行う教師の存在は非常に大きいです。
規定されている業務だけではやはり不十分で、一人ひとりの生徒と真摯に向き合い、寄り添うことが求められます。
- なるには
-
正規採用ではなく臨時講師での採用であっても、教員免許を取得していることが条件です。
一方で、学歴は採用にはほとんど関係ないというのが実感で、採用母体によっても異なりますが、面接等を通して人間力が採用基準に大きく影響しているように感じます。
教員採用試験に合格しなかったとしても、自治体に「臨時講師登録」を行っていれば、臨時講師として採用される可能性があります。
- やりがい
-
生徒の成長に寄与できたと実感したとき、最もやりがいと充実感を得ることができます。
私が働いてきた中学校の現場であれば、小学校を卒業して中学生になり、まだ幼稚で未成熟な子どもたちを、3年計画で日々の授業や学校行事、部活動などを通して指導していきます。
また、集団としても未熟な生徒たちが、毎日の教育活動を通して変容していき、入学してからおよそ1,000日後の卒業式の日に、立派に成長した姿を見せてくれた瞬間に、教師という職業のやりがいを感じ、充足感を得ることができます。
生徒が卒業した後であっても、高等学校や大学などの次のステップで頑張っていることを知ったりしたときには、とても嬉しく感じます。
- つらいこと
-
業務外の対応に迫られることが多くあります。
例えば、生徒同士のSNSトラブル等を、学校の教師が仲介して解決していかなければならないケースがあります。
基本的には、スマートフォンを与えている保護者の責任のはずですが、学校に助けを求められることがあります。
また、こちらの真意がはき違えられ、理不尽なかたちで保護者からクレーム等を受けることがあります。
いわゆるモンスターペアレントと呼ばれるような保護者もおり、学校や教師と保護者であれば、今後の関係性や生徒の学校生活を考慮すると、学校や教師が下手にでなければならないケースも多く、理不尽に嫌な思いをすることがあります。
- 向いてる人
-
興味や関心の幅が狭い人よりは、幅広く色々なことに興味や関心がある人。
言い換えれば人間としての幅が広い人が向いていると感じます。
例えば自分が35人学級を受け持つ学級担任だと仮定すると、35通りの個性と向き合わなければなりません。
教師がその個性を受け入れることができなければ、その生徒を不幸にしてしまいます。
多様な価値観を受け入れることができる人が、教師には向いていると感じます。
- 志望理由
-
父親が教師をしていて身近な職業であったという理由が1点。
そして、大学と大学院で学んだ歴史学の知識や経験が、社会科教師であれば生かすことができるのではないかという思いで教師を目指しました。
実際には、学生時代に学んだ歴史学の知識が生かされるのは教育現場の一場面でのことに過ぎず、その他の教師として必要なスキルは実地で学んでいきました。
- 働きやすさ
-
「教職はブラック」と長らく言われていますが、10数年前と比較すると大きく改善されつつあるのも事実です。
中高では部活動の完全休養日の設定や外部委託が進み、定時である17時以降の電話対応を取りやめるなど、柔軟に働き方改革が行われている自治体もあります。
また、民間企業同様に、勤務時間外の飲み会等も廃止していく傾向にあります。
女性にとっては育児休暇、出産休暇の充実と補償という点で、制度的には理想的な労働環境にあるのではないかと思います。
女性の学年主任や女性管理職も、民間企業と比較すると高い比率にあります。
- 給料・年収
-
教師は一部主幹教諭等を除き、教頭・校長などの管理職以外は立場は同じです。
そのため原則勤続年数と年功序列により、給与が支給されます。
私は教員免許が専修免許のため、若干上澄みされていますが、現在37歳、勤続11年で年収が約700万円です。賞与は年2回です。土日の部活動指導等の手当も込みの金額です。
- 休日・待遇
-
小学校の教師は、土日や長期休暇はしっかりと休めているということをよく聞きます。
私が勤務してきた中学校では、部活動指導があるため、土日であっても練習指導であったり、試合の引率等で時間を割かなければならない場面が多くあります。
土日に朝から夕方まで試合の引率を行ったとしても、支給される手当は微々たるものです。
この点を、今顧問2名制での役割分担や、外部顧問等に委託をしていくことで負担を軽減していく動きが模索されています。
基本的な社会保障は充実していますが、公務員は雇用保険の対象外なので退職したとしても失業手当を受給することはできません。
さらに、退職後に無償の職業訓練等を受講することも基本的にはできません。
そのかわりに自己都合退職であっても退職手当が一定額補償されています。
- 就職・転職
-
教師の世界は、大学を卒業してそのまま教育業界に就いた人が大半を占めています。
また、主観ですが、比較的真面目な性格の人がこの職に多く就いているように感じます。
そのようななかで、自分の価値尺度と合致しない生徒や保護者とのギャップに苦しむ教師も多くいます。
教師になるまでの間に、様々なアルバイトや教師以外の職業を経験したり、仕事だけでなく旅行や遊びなどでも様々な経験を経ていることが、実際の現場での活動に生きてくるのではないかと感じます。
採用試験の面接等でも、不祥事等を起こさない人物かどうかという点も見られていると聞きますが、それ以上に多様な価値観を受け入れ育むことができる人間力があるかどうかが今の時代は問われているのではないかと思います。
- 恋愛・結婚
-
教師は教師同士で恋愛・結婚する場合が非常に多いです。
教職は、ある意味では閉鎖的な職場環境で、民間企業のように不特定多数の顧客と接するということがないので、同業者同士で恋愛や結婚をするケースが多くなります。
また、残業代が出ないにも関わらず就業時間後の家庭訪問や雑務を行ったり、土日や祝日に部活動指導のために出勤するなど、こういったことを理解してもらいやすいというのも教師同士で恋愛・結婚に発展するケースが多い理由になります。
- 成長・将来性
-
教師は、自治体に採用されればよくも悪くも、失業のリスクがなく安定しています。
しかしその分、「サラリーマン化」してしまう可能性もあります。
指導する教科によっても異なりますが、何十年も指導法の改良を大して行っていないようなサラリーマン化したベテラン教師もいます。自分自身が成長しようと思えば、学び続ける姿勢を持ち続けることが大切です。
また、教育業界も大きな転換期にあります。学びの多様化により、学校という場所が数十年前と比較すると、重要度が低下している可能性があります。
そのなかで、学校や教師がどのような役割を持つべきなのかを、改めて定義づけしていく時期にあると感じています。