養護教諭のやりがい

卒業式の後で

これは、高校に勤務する養護教諭の例です。

毎年、卒業式後のホームルームが終わると、生徒たちが何人も保健室に顔を出してくれます。一緒に写真を撮ったり、卒業アルバムにサインを頼まれたり。

怪我や体調不良などで来室していた生徒もいますが、「退学しようか」などと深く悩んでいた生徒が大半です。彼らが、紆余曲折を経て立派に卒業証書を手にした姿は感無量。

問題を抱えて苦しんでいた時期には本当に心配しましたが、それでも卒業式までがんばれたことを喜び合える瞬間に、養護教諭になってよかったと思います。

学校生活は集団生活ですので、自分の思い通りにならないことが多いもの。学習、友人関係、部活動、家族との関係など、子どもたちにはそれぞれ悩みがあり、日々の生活は決して平穏ではありません。

生徒たちが少しでも心を楽にして本音を語ることができる場所が保健室だったのだ、と思えるときに、大きなやりがいを感じます。

オンリー・ワン

複数配置の大規模校でない限り、基本的に養護教諭は各学校に一人です。よって、一手に全校生徒の心身の健康状態を把握することになります。

一般の教員であれば、担任しているクラスや部活動の生徒たちといった、限られた子どもとしか接する機会がありません。しかし、養護教員は健康診断などを通じて生徒全員と関わることができます。

もちろん、個々の児童・生徒との関わりには密度の差がありますが、子どもたちみんなの「保健室の先生」であることに誇りを感じます。

「先生はうちの学校の中で一番、頼りになるね」と言われたときには、涙が出そうなくらい嬉しいでしょう。

「成績をつけない先生」

他の教員と養護教諭の違いの一つに、「成績をつけるかどうか」ということが挙げられます。学校ではどうしても学業が優秀である生徒や、部活動・生徒会などの特別活動で活躍している生徒に注目が集まりがちです。

保健室では、どんな児童・生徒も等しく「その学校の大切な子ども」という見方で接することができるため、子どもたちは心を開いて話しかけてくれます。

担任や部活動顧問とは違った角度で、その児童・生徒のことを見つめられる立場にある点も、養護教諭の醍醐味です。