小説家の現状と将来性

小説を発表できる場は広がっている

小説家という職業は、おもに小説を出版し、書籍を売り上げることによって収入を得ています。

しかし、基本的に小説を出すためには文学賞で入賞する必要があり、多くの小説家志望者がそこを目指して日々執筆活動に取り組んでいます。

現実的には、とくに業界の大きな賞で入賞することはものすごく難しいことであり、小説家として名をはせるまでの存在になれるのは、小説家を目指す人のなかでもほんの限られた人だけであるのが現実です。

しかし今、小説を発表することができる場は、ひと昔前より随分と広がっています。

その代表例がインターネットによるものです。いまや、小説サイトや個人ブログなどを利用すれば、誰でも簡単に作品を発表することができるようになっています。

インターネットは情報が拡散するスピードも速く、何かのきっかけに作品が話題となれば、出版社から目をつけてもらってデビューという可能性もゼロではありません。

また、自費出版という選択肢もあります。「小説を書いて、世の中に出す」ということ自体は、かつてよりもハードルが下がっているといえるでしょう。

「好き」だから成功するとは限らない

今後、どれだけITが進化し続けようとも、「小説家」という職業自体が消えてなくなる可能性は極めて低いといえます。

そのような意味においては、小説家の将来性は十分にあるといえるのでしょうが、小説家になって成功すること、つまり生活するのに困らないだけの収入を得ることは難しいことです。

どれだけ文学に対する情熱があっても、文章作成能力が高かったとしても、小説は単純にそれだけで売れるわけではありません。

また、継続して書き続けるというのも大変なことです。過去にも、ほんの1作品あるいは数作品だけがヒットし、そのまま第一線から消えてしまった小説家はごまんといます。

何より小説家は、会社員のように毎月決まった給料が支払われる仕事ではありませんから、収入面を含め、不安定な生活を送る覚悟が必要です。

そして、アーティストや芸術家全般にいえることですが、自分が書きたい作品と、売るために書く作品の狭間で苦悩する日もくるかもしれません。

そうした数々の困難に直面しながらも、自分はやはり小説家でありたいと心から思える人こそが、実際に小説家として生きているのでしょう。