「校正者」の仕事とは

校正者の仕事内容

文字に関する校正を行う

書籍や雑誌、広告などの印刷物の原稿と、ゲラと呼ばれる校正刷りを照らし合わせて間違いや修正する箇所はないかを確認する仕事で「校正マン」とも呼ばれます。

印刷物の色に関する確認は色校正と呼ばれ、おもにデザイナーが行います。

校正者は文字の大きさ、書体、組方を含めた誤植などの文字に関する校正を担当します。

仕事は出版社の編集者から依頼されます。

原稿と校正刷り(ゲラ)を受け取りに出かけ、作業方針や締め切りなどの打ち合わせを行います。それを持ち帰って作業し、できあがると提出します。

近年ではメールのみでやり取りすることも多くあります。

初校、再校、三校と校正刷りが繰り返し出力され、赤字、いわゆる間違いや訂正箇所がなくなる校了となるまで校正を繰り返します。

最近では、校閲と呼ばれる校正前の原稿段階での編集も校正者が担当します。

校正者の就職先・活躍の場

出版社や印刷会社に勤務

校正者が活躍するのは、主に出版社や印刷会社など校正を必要とする原稿をつくる職場です。

校正部署が置かれているところは、老舗の出版社や大手の出版社に限られているため、競争率はとても高く難関となることが多いです。

中小の出版社などでは、編集者が校正者を兼ねることもあり編集者として活躍しながら校正の仕事を行うという人もいます。

そのほか、編集プロダクションに所属する、経験を積み独立してフリーの校正者になる、会社には所属せず在宅で校正を行うという人もいます。

校正者1日

一日中原稿に向き合う仕事

校正者の仕事は、出勤してから仕事が終わるまでひたすら原稿に向き合う仕事です。

担当する原稿を、文章に線を引きながら、細かくチェックしていきます。

また読み手に取って不快な印象を与えないかも考えながら読み進めていきます。

手元には辞書や検索用パソコンを置き、気になった箇所はすぐに調べます。

訂正箇所は赤ペンでチェックをいれ、先輩に再度チェックしてもらいます。

時間が許す限り、同じ原稿を何度でも読み返し、丁寧に見ていきます。

これを毎日くりかえします。

集中力が必要な仕事のため、こまめに休憩を挟み、人によっては合間に音楽を聴いたり体を動かしたりすることもあります。

校正者になるには

出版社や新聞社などに就職

ひとくちに校正者といっても業務形態はさまざまです。

まず大手の出版社や新聞社、印刷所には専門の校正部署があります。

校正係の会社員として勤務するためには大手の出版社や新聞社、印刷所に就職することになります。

また中小規模の出版社では編集者自身が校正を行うこともあります。

こうした出版社に就職するのも一般的な道のりでしょう。

出版社勤務を経てフリーランスの校正者として独立する人もいれば、校正プロダクションに所属する場合もあります。

校正者の学校・学費

校正者を目指す人のためのスクール

校正者になるために特別な学歴は必要なく、学部などを問われることもほとんどありません。

ただし、大手の出版社や印刷会社は、大卒以上を採用条件としているところが多いので注意が必要です。

校正者として活躍を目指すのであれば、あらかじめ校正者を養成する民間のスクール等に通い校正技術を身に付けて置くのも一つの方法です。

卒業後にスクール宛てにくる求人票を利用して就職活動をすることもできるので、校正者を目指したいという人にはおすすめです。

校正者の資格・試験の難易度

日本エディタースクールの「校正技能検定」

校正者には特別な資格はありませんが、1966年より日本エディタースクールが主催している「校正技能検定」を受けるのもひとつの方法です。

校正技能検定は、校正者としての技能を認定する唯一の検定試験です。

独学で受験することも可能ですが、スクールを卒業したり現在働いたりしている人が受験するのが一般的です。

合格すると、合格者による団体「校正者クラブ」に所属することができ、校正に関する情報交換や求人情報配信などを受けられます。

校正者の給料・年収

フリーランスは出来高払い

大手出版社や大手新聞社に勤務する正社員の初任給は24万~26万円程度、中小規模も含めた記者、編集者の平均年収は数百万円程度です。

校正プロダクションに勤務する正社員の年収は300万~400万円程度、アルバイトの場合は時給900円から1,800円程度が一般的です。

フリーランスの校正者は出来高払いのため、受注数が多いほど収入も増加します。

1文字あたりの賃金は0.5円から10円程度と、個人の実務経験や能力、あるいは校正内容によって大きく幅があります。

校正者のやりがい、楽しさ

縁の下の力持ち

印刷物を作る過程では、どんなに作家や記者がチェックしていても必ず間違いが起こります。

校正はクレジットに名前が載るわけでもなく、縁の下の力持ちといった仕事ですが、正確な情報を発信するために、出版業界にとってなくてはならない職業です。

他業種でいうと「品質保証」のような仕事であり、重大なミスを事前に防ぐための最後の砦として、校正という仕事は誰からも一目置かれ頼りにされる仕事です。

一見地味な仕事かもしれませんが、魅力ややりがいも十分に感じられる仕事です。

校正者のつらいこと、大変なこと

締め切りに終われる仕事

近年では、DTPの技術が発達し、印刷物の納期が短くなったため、校正にとられる時間も少なくなってきています。

かつては2週間と余裕のあるスケジュールだったものが、1日で仕上げて欲しいといわれることもあります。

また、印刷の前日まで手直しができるようになったことから、原稿を印刷会社に持ち込むぎりぎりまで校正を繰り返すということもあります。

インターネットが普及し、事実や整合性を簡単に確認できるようになったため校閲が担う仕事も多くなっていますが、実際に校正をする時間は年々減り続けているという悩ましい状況であると言えます。

校正者に向いている人・適性

集中力のある人

校正者は膨大な量の文章を一文字ずつ確認します。

誤字、脱字、文法など、文字や言葉、文章、文脈に間違いや矛盾がないか、徹底的にチェックすることになります。

集中力や根気がある人、地味な作業を淡々とこなすことが得意な人は校正者に向いているでしょう。

また原稿のなかに知らない文字や言葉、内容があればもれなく調べなければなりません。どのような文章でも興味をもつことができる人、好奇心旺盛な人は適性があります。

読書好きで、幅広い知識がある人は校正者に向いているといえるでしょう。

校正者志望動機・目指すきっかけ

どんな思いで校正者になりたいのか

校正という仕事は、文章に携わる仕事のため、履歴書の書き方や面接での話し方を細かくチェックされることが多いです。

校正の面接では、なぜ校正者を志望するのか、なぜその媒体の校正を希望するのか、そしてなぜその会社なのかと、深くまで聞きこまれることがあります。

校正者といってもどんな媒体を扱うか、会社によってさまざまなので、自分がどのように関わっていきたいのか、どんな思いで校正者になりたいのかを、自分の言葉でしっかりと話せることが重要です。

校正者の雇用形態・働き方

フリーランスや在宅校正者も

出版社や印刷会社に勤める校正者は、ほとんどが正社員です。

正社員は狭き門なので、アルバイトからはじめて校正者を目指すという人も多いですが、必ずしも校正を担当させてもらえるとは限りません。

中小規模の出版社や印刷会社は、比較的求人も多い傾向にあります。

校正の知識や技術を身に付けたあと、フリーランスとして独立する人もいます。

また近年では、校正者養成スクールを卒業したあと在宅で校正をするという人も増えており、主婦でも活躍している人は多くいます。

校正者の勤務時間・休日・生活

締め切りに間に合うようにスケジュールを管理

出版社や新聞社、印刷所、校正プロダクションの正社員は、土日祝の週休2日制、1日8時間勤務が基本になります。

契約社員やアルバイトであってもフルタイム労働者であれば勤務時間や休日は正社員とほとんど同じでしょう。

フリーランスの校正者の場合、勤務時間や休日などのライフスタイルは千差万別です。

校正作業は、締め切りに間に合うように個人でスケジュールを管理するため、納期に遅れないよう昼夜問わず休みも返上して働く人が多いのが現状です。

校正者の求人・就職状況・需要

就職希望者が多く難関

出版社、新聞社、印刷所の校正部署に所属する校正者はおおむね正社員です。

そのほか編集者として出版社に勤務して校正を兼任する場合は正社員、契約社員、アルバイトとさまざまです。

校正部署のある出版社や新聞社は歴史のある大手の場合がほとんどで、就職希望者は数多く、非常に難関です。

編集者として出版社に勤務することも視野に入れて、幅広く就職活動をしたほうがいいかもしれません。

校正プロダクションに所属する場合は、正社員、アルバイト、外注スタッフとさまざまな雇用形態があります。

校正者の転職状況・未経験採用

未経験の求人はまれ

校正の知識やスキルは一度身に付ければさまざまな場所で生かすことができるため、校正者に転職したいという人は少なくありません。

ただし、未経験でもOKの求人は少なく、あったとしても資格取得者を優先的に採用する傾向にあります。

校正者は「校正記号」と呼ばれる特殊な記号を使用したり、Wordなどのアプリケーション上で校正したりすることもあるため、専門的な知識やスキルが必要です。

まったくの未経験から転職を目指す場合は、一度スクールで勉強をして資格を取得するぐらいの覚悟が必要でしょう。

校正者の現状と将来性・今後の見通し

校正よりも校閲に需要が

活字離れや出版不況が嘆かれるようになって久しい出版業界ですが、それでも紙に印刷された文章を読みたいという人は根強く存在します。

電子書籍など新しい分野の仕事もあり、校正という仕事そのものは今後もなくなることはないでしょう。

ただ、原稿と校正刷りを照らし合わせる校正そのものよりも、近年は文章の事実確認や内容の整合性を確認する校閲の作業のほうが需要も賃金も高まっています。

さまざまな文章に的確に、そして迅速に対応できる校正者が求められるでしょう。