「エディトリアルデザイナー」の仕事とは

エディトリアルデザイナーの仕事内容

出版物のデザインをする

エディトリアルデザイナーは雑誌や書籍などの本の編集とデザインを行う仕事です。

エディトリアルデザインとは、新聞・雑誌・書籍などの出版物のデザインのことをいいます。

DTPデザイナーとの違いは、広告やセールスプロモーションツールといった「宣伝」をメインに手がけるのではなく、本という「読み物」に特化したデザインを担当するところです。

編集者やアートディレクターなどの指示を受けて、対象となる読者やテーマをふまえ、どのようなテイストや配色、フォントを使うか、写真やイラストの配置はどうするかなどを細かく詰めていきます。

見た目の美しさだけではなく、読者にとっての読みやすさ、理解しやすさまで考慮しながら、バランスよく誌面のデザインを行います。

エディトリアルデザイナーの就職先・活躍の場

出版社や編集プロダクション

エディトリアルデザイナーは、おもに出版社や編集プロダクションに勤務しています。

そのほか、デザイン事務所や広告制作会社、一般企業の広報部などでも活躍している人がいます。

編集に使用される専用のソフトを扱えるスキルや実務経験が求められることが多いため、未経験者はまずアシスタントからスタートするのが一般的です。

経験を積み、独立してフリーランスになり、クライアントと業務委託契約を結んで案件を請け負っている人もいます。

エディトリアルデザイナー1日

パソコンに向かい合う一日

エディトリアルデザイナーの仕事では、デスクに座ってのパソコン作業が中心となります。

ここではある一日を例にとってご紹介します。

9:45 出社
帰宅が遅くなることが多いため、出勤は遅めです。
急な依頼や修正はないかをチェックします。

10:00 デザイン業務
現在、担当しているガイドブックのデザイン作業を開始します。
写真やテキストなどの素材を一つひとつ確認し、ラフに基づいて配置していきます。

11:00 ミーティング
新規プロジェクトのデザインの方向性について、編集担当者とアートディレクターと一緒にミーティングを行います。

13:00 休憩

14:00 デザイン業務
集中して作業を進めていきます。

18:00 修正作業
作成済みのページに修正依頼が入ったため、早急に対応します。

19:00外部スタッフへ連絡
業務提携している外部スタッフへ、次の撮影についてのディレクションの連絡を入れます。

20:00 退社
入稿前は作業が立て込み、深夜まで残って作業を行うこともあります。

エディトリアルデザイナーになるには

なるための方法はさまざま

エディトリアルデザイナーになるために、これと言った道のりはありません。

そのため、さまざまな道のりをたどってエディトリアルデザイナーとして活躍している人がいます。

デザイン・美術関連の学校で学んでいない人でも、エディトリアルデザイナーが活躍するデザイン事務所などで働くことは可能です。

未経験者の場合、いきなり正社員としての就職は難しいこともありますが、アルバイトとして業界に入り、アシスタント業務から経験を積んでキャリアアップしていくことができます。

DTPオペレーターからエディトリアルデザイナーを目指していく人もいます。

エディトリアルデザイナーの学校・学費

デザイン関連の専門学校が近道

デザイナーとしての基礎力を早くに身につけておきたい場合には、デザイン関連の専門学校や美術系の大学を卒業し、出版社や編集プロダクション、デザイン事務所などへ就職するのが近道となるでしょう。

ただし、編集・グラフィック系のソフトのスキルは、独学でも身につけることができます。

ソフトは市販されているため、書店で販売されている参考書やテキストを見ながら覚えていくことができるでしょう。

独学では不安という場合には、民間のスクールや講座を利用する方法もあります。

エディトリアルデザイナーの資格・試験の難易度

資格よりもスキルが必要

エディトリアルデザイナーとして働くうえで、資格が必要とされることはありません。

資格よりも、出版や印刷に関する全体的な知識やデザインセンス、関連ソフトを扱うスキルなどが求められる仕事です。

そのため、資格があれば就職や転職に大きく有利になるとは言い難いですが、資格取得のために勉強をすればスキルアップになるでしょう。

アドビ製品を使いこなすスキルを証明する「アドビ認定アソシエイト(ACA)」、DTPに関連する能力や知識を証明する民間資格の「DTPエキスパート」、DTP検定などがあります。

エディトリアルデザイナーの給料・年収

能力によって大きな差が

エディトリアルデザイナーは、デザイン事務所や編集プロダクションにアシスタントとして就職することが多いですが、その際の初任給は月に15万円前後と言われています。

正社員以外の場合、賞与が設けられていない事務所や、年俸制のため残業代がつかないケースも多く、残業が多い職種にしては、年収は少なめです。

アシスタント期間を終えて一人前になったエディトリアルデザイナーの収入は、事務所の規模や能力により、年収200~1000万円程度で、能力によって大きな差があります。

エディトリアルデザイナーのやりがい、楽しさ

形に残るものづくり

エディトリアルデザイナーにとって最大のやりがいといえるのは、雑誌や書籍、カタログなど、形に残るものづくりができるということです。

制作に携わった印刷物が世の中の人たちの手に届いたときは、大きな達成感につながります。

また、自分の手掛けたデザインに周囲から反響があったときもエディトリアルデザイナーにとってのうれしい瞬間です。

エディトリアルデザイナーは自分の実力やセンスが出やすい仕事であるため「センスがいい」「印象に残るデザイン」といった評価をもらえることこそが大きなやりがいにつながっていきます。

エディトリアルデザイナーのつらいこと、大変なこと

仕事量は減少傾向に

近年、紙の書籍の発行部数は大幅に減少しており、出版業界も厳しい状況にあります。

電子書籍など新しい媒体の需要は増していますが、業界全体として仕事量は減りつつあるため、エディトリアルデザイナーとして生き残っていくのは難しくなっていくものと考えられます。

これからエディトリアルデザイナーを目指していく人は、大胆で奇抜な発想ができたり、独特なデザインを手掛けたりするなどの個性を生かした仕事が必要になってくるでしょう。

エディトリアルデザイナーに向いている人・適性

本や印刷物が好き

エディトリアルデザイナーは、書籍や雑誌をはじめ、さまざまな紙媒体のデザインに携わっていきます。

そのため、本が好きな人に向いている仕事といえます。

しかし、エディトリアルデザイナーは、読者としての観点も重要ですが、作り手としての考え方やセンスを持つことが大事になってきます。

日頃からたくさんの印刷物に触れ、自分なりに良いデザインについてたくさんの引き出しを持っておこうと努力できる人であれば、エディトリアルデザイナーとして活躍できるでしょう。

エディトリアルデザイナー志望動機・目指すきっかけ

なぜ印刷物なのか

エディトリアルデザイナーを目指す人が志望動機を考える際には、デザイナーという仕事のなかでも、とくにエディトリアルの分野に興味を持った理由を考えてみるとよいでしょう。

エディトリアルデザイナーは、もともと本や雑誌を読むことが好きという人が大半ですが、読者としてではなく、作り手になりたいと思った理由を明確にすることが大事です。

そのうえで、具体的にどのようなデザイナーになりたいと考えているのかまで踏み込んでいけると、よりオリジナリティある志望動機ができるでしょう。

エディトリアルデザイナーの雇用形態・働き方

正社員以外の雇用も多い

エディトリアルデザイナーは、とくに未経験者の場合、アシスタントとしてアルバイトや契約社員からスタートすることがあります。

最初から正社員で就職できる人は運がいいと思っておいたほうがよいかもしれません。

しかし正社員以外の雇用形態であっても、現場で培った経験やスキルは財産となります。

この業界では雇用形態に関わらず実務経験が重視されやすいため、アルバイトでもそれなりに経験を積めば、次は正社員として転職できる可能性は高まるでしょう。

エディトリアルデザイナーの勤務時間・休日・生活

長時間勤務も改善されつつある

エディトリアルデザイナーの勤務時間は、10時から19時という事務所がほとんどです。

しかし出版業界は常に締め切りに追われる毎日のため、定時で帰宅できることは少ないといえるでしょう。

近年、労働環境が問題視され始めたことから、企業努力により環境が改善されつつある事務所も多く見られます。

締め切り日を延期することはできないため、忙しさは相変わらずではあるものの、プライベートな時間はある程度確保されるようになってきているようです。

エディトリアルデザイナーの求人・就職状況・需要

出版社よりもデザイン事務所

出版社の求人数は少なく狭き門だといえますが、デザイン事務所の募集は常に行われているため、就職のチャンスは多いでしょう。

どの事務所でも、必要スキルとして「Illustrator」「Photoshop」を挙げており、中には「InDesgin」の実務経験を求めるところも少なくありません。

エディトリアルデザイナーを目指す場合は、こうしたスキルはあらかじめ身に付けておく必要があるでしょう。

アシスタントを募集している事務所の場合は、未経験でも採用されるチャンスがあります。

エディトリアルデザイナーの転職状況・未経験採用

求人条件はまちまち

エディトリアルデザイナーの求人を見ると、応募条件は各企業でまちまちです。

「学歴不問」「経験不問」といったように門戸を広げているところもあれば、「デザイン系専門学校や美術系大学卒歓迎」としているところもあります。

また、学歴や経験は問わずとも、実務で使用するソフト「InDesign」「Illustrator」「Photoshop」のスキルを必須としているような求人も見られます。

転職でエディトリアルデザイナーを目指す場合は、学歴やスキルをあまり問わない求人に応募してみるのもよいでしょう。

エディトリアルデザイナーの現状と将来性・今後の見通し

幅広い活躍を目指して

出版不況の中、エディトリアルデザイナーの中には電子書籍の分野に転向する人もいますが、まだそれほどの需要は少ないというのが実情です。

近年は、出版社やデザイン会社などに所属せず、在宅フリーランスでエディトリアルデザインをする人も増えてきました。

そんな中、エディトリアルデザインだけではなく、さまざまなデザインを扱うアートディレクターやグラフィックデザイナーとして活躍する人も増え始めています。

紙の書籍だけに固執せず、さまざまな媒体で活躍する展望を持つエディトリアルデザイナーが、将来的にも有望であるといえそうです。