小説家と編集者の関係

協力して本をつくる

小説家には出版社の社員が担当として一人付きます。いわゆる編集者とも呼ばれる担当でもありますが、本来は連携して良い本を出すために協力し合う関係となります。小説を書く際には、リアリティを出すために情報の詳細が必要です。

例えば山手線の1日の乗客数、ギリシャの人口、GDPなど。これらを担当編集者にお願いして調べてもらったりします。

小説家と編集者との確執

しかしながら、小説家と編集者の間にはさまざまな確執があるのも事実です。

具体例を挙げますと、小説家は単に小説を書くだけです。そして編集者は、その小説を商業化に適した本に仕上げます。この両社の役割によって障害が生じるのです。

小説ができあがると、当然ながら編集のチェックが入ります。国語表現などがおかしいところは強制的に直されますし、それは問題ありませんが、問題は物語のシーンにあります。

例えば、「この表現はユダヤ差別が懸念されるので使わないでください」や「このシーンは登場人物が死ぬ方向の方がいいんじゃないですか?」などと物語のストーリー自体に口を出してきます。小説家にとっては非常に不愉快ともなりますし、こだわりの部分に修正がかかったらやる気もなくなりますね。

また、現代風俗で男と女を登場させると、必ず性行為の描写か、それをにおわせる描写が必要になります。でないと、陳腐な作品、綺麗事の作品となりがちなのです。

ある著名作家は、小説の中で性を思わせる描写が一つもないため、担当編集者に「一つは入れてください」と言われました。そして、彼は仕方なく「プールサイドを歩いている女性は服が白いため黒のブラジャーが透けていた」という表現を付けくわえたという実例があります。

このように、良い作品を創ろうという思いは同じなのですが、考え方が異なるため時にはぶつかることもあります。ですので、担当編集者との関係つくりも小説家には大切な要素となるのです。