書道家になるには

書道に関わる働き方にはいくつかの種類があります。

ここでは、

1.書道教室の先生
2.学校の書道の先生
3.プロの書道家(芸術家タイプ)
4.商業書道家

のそれぞれになる方法をご紹介します。

1.書道教室の先生になるには

書道教室の先生になるために必要なことは、書道家として教えられるだけの技術を身につけ、教えられる空間を確保することです。

必ず取らなければいけない資格はありませんが、通常は流派に所属して「師範」として認められた人が書道の先生として働くことが多いです。

何の後ろ盾もなく書道教室を開くことも可能ですが、師範の免許があった方が、客観的な信頼性を提示することができます。

必須ではありませんが、教員免許も取得していれば、より信頼度は高まるでしょう。

2.学校の書道の先生になるには

書道教室の先生は、特別な免許を取る必要がありませんが、学校の書道の先生になるためには、教員免許が必要です。

教員免許によって教える範囲が異なり、芸術、あるいは国語の授業の一環として教える形になります。

学校で書道を教えるためには、中学の場合は「中学国語」、高校の場合は「高校書道」の教員免許が必要です。高校書道の採用は少ないので、高校国語も併せて取得する人が多いようです。

大学の非常勤講師などでは教員免許が不要の場合がありますが、教授の流派の繋がりでなれることがほとんどだといわれていますので、流派に所属し、人脈を作ることも大切です。

3.プロの書道家(芸術家タイプ)になるには

書道家とは書における高度な技術と教養を持った専門家のことを指します。1・2が教育者であるのに対し、書道家は芸術家の範疇に入ると考えて下さい。

書道家は主に作品制作を生活の中心に据え、各種コンクールに出品し、評価を得ることを目標の一つにしており、定期的に個展を開くなどして作品の販売を行っています。

書道家になる人は、教育系あるいは芸術系の流派に所属し、先生の教えを受けながらその技術を引き継ぐ人が多いです。教わった技術に自身の個性を反映させながら、生涯を通じて芸術家としての完成を目指します。

流派は、大きく教育系と芸術系の2つに分かれており、それぞれまったく異なる趣向の書となります。

まずは自分が師事したいと思える先生に出会いましょう。そのためには展覧会や個展などに積極的に出かけていくことが大切です。

流派に所属することで高い技術指導が受けられるのはもちろんのこと、そこで認められるようになれば、個展の開催や展覧会への出品などもしやすくなります。芸術家として活躍するチャンスが増えるのです。

書道家は軌道に乗るまでなかなか安定した収入が得づらく、金銭面で苦労する可能性が高いのが正直なところです。そのため、書道教室の講師や筆耕士などの副業を持っている書道家は少なくありません。

流派に所属することで副業の紹介を受けやすくなるというメリットもあります。

書道家として著名になると活動の拠点を海外に置いて世界に作品を発信したり、メディアからの取材に対応したり、各地で講演活動を行ったりと、その活動の幅は大きく広がります。

他の芸術家と同じように常に成長し続ける姿勢を持ち続けることが大切な職業であるといえるでしょう。

4.商業書道家になるには

商業書道家とは依頼者の要望に合わせた作品を提供する職業についている人のことを指します。

請け負う案件は、企業向けとして社名・店舗ロゴや看板用筆文字、イベント・DM ロゴなど、個人向けとして命名書や名刺などです。

3で紹介した芸術家としての書道家が芸術作品の制作に励んでいるのに対し、商業書道家は依頼者の要望に沿って作品を制作するという点が大きく異なる点です。

商業書道家になるために必要な資格などはとくにありません。3の書道家と同様、流派に所属し、腕を磨くことが一番の近道です。

インターネットの普及により、一昔前に比べると商業書道家としての個人開業はしやすくなっています。専用のソフトを使ってデジタル処理することで依頼者とのデータのやり取りも簡易になりました。

また、商業書道家が何人か集まって、グループで経営し、各々の持ち味を生かせば顧客の層を広げているという例もあります。

また商業書道家のマネジメントをしている会社も存在しているので、そのような会社への就職を目指すのも一つの方法です。

ほかのタイプの書道家と同様に、軌道に乗るまでは安定した収入が得づらいため、書道教室の講師をやりながら副業的に商業書道家としての仕事を請け負っていくなどのプランを想定しておくべきでしょう。

書道家のための大学・スクール

書道を専門に学ぶことのできる大学は、いくつもあります。それぞれの大学で個性がありますので、インターネットなどで調べてみるとよいでしょう。

また、書道家になるため通うスクールもたくさんあります。

書道の専門学校や、書道家が開いている書道教室、また、ワークショップのような形で不定期に開催されるスクールなどがあります。

資格取得のための通信教育などもたくさんありますが、資格取得を目的とする期間の短い講座よりも、実際に書道家として働いている人のもとに習いに行ったり、大学や専門学校で実績を積んだりした方が、より実践的な書道を学べるといわれています。

書道家になるために進む道は、どのような書道家になりたいかによって大きく異なります。

型にはまったきれいな字を教えたいのか、それとも自分で書いてそれを売りたいのか、書道を芸術として広めたいのか、あるいはそれを教えたいのか。自分の趣向をよく鑑み、なりたい方向性を再確認することが大切です。