理容師と美容師の違い

「カミソリ」を使った施術を行えるかどうか

理容師と美容師の違いを端的に表現すれば、理容師が髭剃りや顔剃り(うぶ毛処理)に際して、カミソリを使って施術することができるのに対して、美容師はカミソリを使うことは原則として禁止されているという点が挙げられます。

欧米から伝来した理容師という職業が定着した日本では、昭和22年に「理容師法」が制定されました。

その理容師法には、「理容師は、客の容姿を整えて清潔にすることを業務とする」と定められています。

そして、容姿を整え清潔にするための道具として、カミソリやハサミの使用が許可されています。

それに対して昭和32年に制定された「美容師法」では、「美容師はパーマやカラー、結髪、化粧で容姿を美しくすることを業務とする」と定められています。

美容師は髪結いを基本とする業務を行うために、法の下ではカミソリの使用は許されていません。

いずれにしても、カミソリを使用する「顔剃り」といわれる技術を習得するには、相当の修練が必要です。

最近では、理容師法と美容師法の一体化を模索する向きも一部にはありますが、現在のところ顔剃り・髭剃りは理容師だけに許された施術です。それ以外に、理容師と美容師を立て分ける施術上の違いは見当たりません。

美容師の仕事

理容室と美容室の違い

理容室と美容室の店内を見てみると、理容室は、シャンプー台と施術椅子が一体となったユニットチェアといえるものが設置されていますが、美容室の場合は、シャンプー設備と椅子は完全に独立しています。

これは、調髪~シャンプーが主体の理容業務と、パーマー、カラーリング~シャンプーを主体とした美容業務という、それぞれの業務のしやすさからそのような違いが生まれているようです。

繰り返しになりますが、理容師と美容師の業務上での最も大きな違いは、顔剃り・髭剃りのメニューがあるかないかです。

理容師・理容室には、剃刀を使った顔剃り・髭剃りの業務が許可されており、店頭や店内のメニューにもはっきりとそれが表示されています。

しかし、美容師・美容室には許可されていないため、メニュー自体が存在しません。

こうしたことから、理容室といえば男性が行くものと考える人が多いようですが、最近では女性向けに顔の産毛剃りなどを行う「レディースシェービング店」といわれる理容室も登場しています。

理容師のルーツ

理容室の店頭に置かれている白・青・赤のラインがくるくると回るサインポールなどは、理容室独特のものです。

サインポールの由来にはいろいろな説がありますが、「白は包帯、赤は動脈、青は静脈」ともいわれています。

理容師は欧米から伝来した職業で、その昔、戦争に明け暮れていた欧米の軍隊に従軍していた理容師は、外科医の役割も果たしていたことから、現在にもその名残があるのではとされています。

他国との領土争いが日常化していた中世の欧米諸国では、理容師は進軍の隊に付随して各地を遠征していたため、傷ついた将軍や隊員に治療を施す外科医師や歯科医師の役割を果たしていていました。

外科医はハサミやメスなどの刃物を使用して手術を施します。あご髭を剃ったり頭髪を切ったりする一方で、けがの処置から手足の切断に至るまで、理容師がそれを行っていたとされています。

当時の理容師が「barber surgeon(理髪・外科医)」と呼ばれていたことからも、そのことが裏づけられます。