理容師の需要・現状と将来性

理容師の現状

理容師は「理容師免許」という国家資格を持って長く働くことができる仕事です。

しかし現代では若い男性も美容室を一般的に利用するようになったことや、少子高齢化の影響などもあり、理容室の数は減少傾向となっています。

同時に、理容師数も1971年のピーク時の26.7万人から減り続けており、今後も理容室および理容師の需要は少しずつ減っていくものと考えられます。

さらに、近年の理容業界で顕著なのが、理容師の平均年齢の上昇です。

「生活衛生関係営業経営実態調査」平成27年度の調査では、60~69 歳が31.1%と最も高く、70歳以上が27.4%、60歳以上の経営者が約6割を占めています。

40~49 歳は15.4%、30~39 歳はたった3.5%しかいません。

また、全体の71.5%の施設で「後継者なし」と回答しています。

そのため、理容室の多くは体力がある若い理容師を求め始めており、これから理容師になる人にとってはチャンスともいえます。

平成27年度「生活衛生関係営業経営実態調査」

理容所数は年々減少の傾向にあります。平成30年時点での理容所数は119,053件となっています。

理容所数の推移_30

出所:厚生労働省 平成30年衛生行政報告例

理容師の需要

理容室や理容師が減少傾向にあるとはいえ、理容師の活躍の場がまったくなくなるということではありません。

多くの男性客が美容室に足を踏み入れやすくなった今でも、理容師のみが行えるカミソリを使った「顔剃り」の施術を求めて、あえて理容室を訪れる人は多く、根強い人気があります。

また、最近は新しい顧客を囲い込むべく、女性をターゲットにした洗練された雰囲気の理容室も登場しています。

さらに、近年はより低価格でのカットを行う店が増えており、従来の価格帯で施術を行う理容室の売上が厳しくなってきています。

サービスの多様化など、生き残りに向けてさまざまな施策を行う理容室が増えてきているため、これまでの理容のあり方に留まっていては成長することは難しいでしょう。

新しいアイデアを出しながら、時代に必要とされる理容師になることが、この世界で長く活躍していくためには重要だといえます。

理容師の将来性

近年は理容室と美容室の差が少なくなってきており、トータルビューティーとして、ヘアスタイルに限らずネイルやエステなどさまざまな要素を盛り込んだお店が増えてきています。

理容室は減少する一方、美容室の数は増加傾向にあり、美容室同士や美容師間の競争は激化しています。

今後は理容師と美容師の二つの資格を持って活躍する人、または理容師にプラスしてさまざまな資格を持ち、髪に関すること以外にも強みを持つ人が注目を集めていくといえそうです。

理容師の今後の活躍の場

高齢化社会が進むなかで、各職業に新しい活躍の場が開かれていますが、理容師でもそうした動きがあります。

全国理容生活衛生同業組合連合会の「ケア理容師」という制度です。

ケア理容師制度とは、「理容店に来店する高齢者・障害者へのサービスや、在宅・施設での訪問理容サービスに焦点を絞ったものです。

そのために必要とされる学習内容で構成した理容師のためのオリジナル研修」のことであり、ケア理容師養成研修を受講することによって、ケア理容師としてPRすることができるようになります。

簡単にいえば、高齢者や身体に障害を抱える人に対して、福祉と理容の両方の視点から施術を提供するしくみです。

理容師になったうえでケア理容師の研修を受講することで、ケア理容師の修了資格が取得可能です。

こうした福祉現場での理容師のニーズは、今後さらに加速していくものと考えられます。

その分野におけるサービスが拡充していくなかで、福祉と理容の両面から質の高い施術を提供できる理容師が求められていくでしょう。