理容師になるには

理容師になるまでの道のり

理容師を目指すきっかけ

理容師を目指すきっかけで多いものは、両親など家族が理容室を営んでいる、また理容室に長年通っていたなど、理容師という存在を身近に感じていたというものです。

もともと美容師を目指すなかで、より理容の技術に関心を持ち、こちらの道に進むという人もいます。

理容師になるには

理容師として働くためには、理容師国家試験に合格しなくてはなりません。

理容師国家試験には受験資格があり、まず理容師の養成課程がある専門学校で2年(通信の場合は3年)学び、所定の課程を修了することが求められ、その後、国家試験に合格する必要があります。

理容師になるのに年齢制限はなく、高校を卒業してすぐに専門学校へ入学する人がいる一方、働きながら通信教育などで学んで理容師を目指す人もいます。

国家資格を取得すると、いよいよ理容室へ就職というのが一般的な流れです。

理容師国家試験の難易度・合格率

理容師の現状

厚生労働省の調査によると、理容師は、1949年の約11万人から増加をつづけていましたが、1971年のピーク時に26.7万人に達した後は減少に転じ、2010年には23.8万人に減少しています。

これに対して、美容師は、1949年の4.5万人から増加をつづけ、1979年には理容師と逆転し、2010年には、45.7万人を突破。

1949年の当時からは10倍となり、この20年間で45%増になっています。

理容師数と美容師数が逆転した最も大きな原因の一つには、男女のユニセックス化があります。

女性だけではなく、若い男性も美容室を利用するようになり、少子高齢化も相まってこのような現象が明確になりました。

せっかく卒業しても就職先がないのではないかと心配になるかもしれませんが、決してそのようなことはありません。

理容専門学校の講師は、その多くがその学校のOBであり、自ら理容室を何軒も出している講師もいます。

またOB会や業界全体のネットワークもしっかりしていて、歴史のある専門学校になるほどネットワークは強固です。

日本全国で活躍するOBたちの理容室が受け皿になり、就職のための連絡がリアルタイムに届けられるようになっています。

就職先の見つけ方

大抵の場合、理容師としての就職先(入店先)は、理容師専門学校在学中の就職相談や進路相談の中で絞られていきます。

どのような就職先がいいか、生徒はさまざまな希望を出し、就職指導・進路指導の先生と就職先を検討していきます。

理容室は、店舗ごとに経営方針や雰囲気が異なるものです。

基本的には、やはり自分自身が課題とするスキルを習得・克服できるお店、将来の成長のための入店を第一に考えるべきでしょう。

理容師になるための学校の種類

専門学校への進学

理容師は国家資格を前提とした職業ですから、基本的には理容の専門学校に通い、国家試験の受験に必要な要件を満たしておく必要があります。

つまり、優良な専門学校に通い、きちんとした知識(勉強・理論)と技術(実技)、実践(経験)を修得することが、理容師となる第一歩です。

進学先の選び方

「授業内容」

ここでいう授業内容は、理論と実技を合計した授業時間およびカリキュラムの密度のことです。

理容専門学校の通学年数は基本的には2年、長くても3年と短い時間ですから、この間にどれだけ濃密な授業を受けられるのかが重要なカギとなります。

「講師陣」

講師の特徴や実力をよくチェックすることも大切です。

たとえば自分のお店を持っている、そして自分の店に在校生をたくさん入店させて実地で指導・育成している、理容コンクールなどで国内外を問わず受賞した実績があるなどです。

理容専門学校では、おおむねその学校の卒業生が講師を勤め、後輩に当たる生徒に精一杯の指導を行っています。

「制度・実績」

留学制度や奨学金制度の有無、進路指導の実力、国家試験の合格率、コンクールの受賞経験者、建学からの歴史など、その学校ならではの強みを把握するとよいでしょう。

専門学校の流れ

1年次

1年次は、理論・実習ともに「基礎」になることを学習します。

たとえば理論であれば「色彩概論」といったように、理容師として必須の理論テーマを掲げ、その大枠や総論を学んでいきます。

実習においては、ヘアカット、シャンプー、メイクアップ、シェービング、フェイシャル、トリートメント、ワインディング、ネイルケアなど、身につけるべき技術をひと通り学習していきます。

2年次

2年次は、理論・実習ともに、応用・高度テクニックを学びます。

理論であれば、1年次に学んだ色彩学の応用スケッチ、テキスタイル画やフェイスデッサンなど、細部にまで踏み込んだ学習を行う学校もあります。

実習では、たとえばヘアカットの最新モードなどを特別講師が紹介して、そのテクニックまでを披露するなど、卒業後の進路を見据えた実用的・創造的な内容になります。

そして、2年次からは国家試験対策のカリキュラムが本格化し、卒業後の就職(入店)相談と並行して、将来のビジョンがかなり明確になります。

在学中のイベント

校内ヘアショーなどのイベントを行う学校は非常に多いです。

これは進級や卒業資格に絡んでいる学校がほとんどで、このイベント自体がそれまで身につけた技量の審査会と同じ位置づけになっています。

また外部からお客様を招くのは、人前で技術(施術)を披露したりプレゼンテーションを行ったりすることに馴れるためでもあります。

後の全国理容美容学生技術大会出場をにらんだ度胸試しのような意味合いがあります。

学校の行事にはそれぞれに意味があるため、入学後は一つひとつのイベントやカリキュラムと真剣に向き合う必要があります。

通信制の専門学校

通常、理容専門学校の昼間制は「2年制」が基本となっていますが、通信制の場合は「3年制」がほとんどです。

通信制を利用する多くの生徒は、すでに理容室のスタッフとして活躍している人たちで、昼間制の学校に通うことが難しいという人でも、帰宅後の時間や休日を使って勉強するのです。

通信制で勉強することの大きな目的は、国家試験の受験資格取得にあります。

昼間制に通う学生は、在学中に集中した勉強時間をとれますから、おおむね2年間で国家試験対策に必要な勉強科目をマスターすることができます。

一方、通信制の学生は、理容室で働きながら勉強するという人が大半であることから、多くの学校で3年制のカリキュラムが設定されています。

なお通信制の場合は、国家試験対策の一環として、一定期間のスクーリング(学校に通うこと)が義務づけられています。

通信制に通う学生の場合、昼間制の学生以上にハードな日々を送ることになるでしょう。

理容師に向いている人

お客さまの期待に応えて髪をカットするためには、技術とセンスが必要となるため、手先が器用であり、デザインのセンスがある人が向いているといえます。

また、お客さまと話をすることも欠かせない仕事であることから、コミュニケーション能力も求められます。

理容室にはさまざまな年齢層の方が来店するため、どんな人とでも会話を合わせられる能力が必要です。

とくに聞き上手である人は、この仕事に向いているといえるでしょう。

理容師に向いている人・適性・必要なスキル

理容師のキャリアプラン・キャリアパス

新人時代の仕事

お店によって多少の違いはありますが、入店してすぐの新人時代は、店内の掃除と備品・機材のチェックや手入れがおもな仕事になります。

お店が開店時間を迎えてからは、来店されたお客さまの応対や接客、清掃、会計(レジ)を担当したりもします。

入店して3ヵ月が経過した頃からシャンプー係を任され、その後は店長やオーナーの見立てによって、任される仕事の範囲が少しずつ増えていきます。

トリートメント、フェイシャルなどは比較的早く合格点をもらえますが、お客さまの好みや要求を反映させながら行うヘアカットとシェービングが任されるようになるまでには、かなりの時間を要します。

練習も欠かせない

お客さまをテスト台にするわけにはいきませんから、ヘアカットやシェービングは、閉店後の時間を使って先輩スタッフの髪を切らせてもらったり、髭を剃らせてもらったりすることで修練を積んでいきます。

入店してから数年は、朝早く出勤し、夜は遅くまで残って練習をする日々が続くでしょう。

個人差がありますが、新人として入店してから、2年~3年程度で一人前の技術が習得できます。

理容師を目指せる年齢は?

理容師を目指す際に年齢は関係ありません。

ただし専門学校に通い国家資格を取得しなければならないこと、技術の取得に一定の年数がかかることから、できるだけ若いうちに動き出す方が賢明でしょう。