パイロットになるには

学生からパイロットになる

パイロットの資格には、定期運送用操縦士、事業用操縦士、自家用操縦士の3つがあり、それぞれの試験に合格しなければなりません。

定期運送用操縦士は、JALやANAなどの航空会社のパイロット、事業用操縦士は農薬の散布や警察、消防などのパイロット、自家用操縦士は個人で楽しむパイロットとなります。

その中で航空会社のパイロットになるには、いくつかのルートがあります。

1つ目は、学校を卒業してから航空会社に入社し、自社のパイロット養成訓練を受けてパイロットになるためのライセンス(資格)を取得する方法です。

2つ目は、独立行政法人「航空大学校」に入学し、在学中にいくつかのライセンスを取得。その後、航空会社に入社する方法です。

この2つに関して大きく違う点は、ライセンス取得のために必要な訓練を航空会社に入社する前に行うのか、それとも後に行うのかということです。それぞれに特徴が挙げられますが、どちらも学生を対象にしたパイロットの採用コースとなっています。

そのほかのパイロットになるための方法として、防衛大学に入学し、自衛隊のパイロットを目指すという手段もあります。

パイロットに必要な学歴は?

JALやANAといった大手航空会社の自社養成パイロット採用試験は、「大学新卒者」もしくは「大学院修士課程修了予定者」が必要な学歴ですが、子会社の場合は高卒でも応募可能な先もあります。ただし、現在はANAのみの実施となっているようです。

航空会社の自社養成パイロット採用試験は、採用数もわずかであり、非常に狭き門です。採用試験は面接、適性検査のほか、身体検査も綿密に行われます。

航空大学校に入るためには、「大学2年修了者(もしくは短大・高専卒業・専門士・または高度専門士の称号を付与された専門学校卒業者で入学年の4月1日現在で25歳未満の者)」が応募資格となっています。

自力でライセンスを取得する方法も

「航空会社の自社養成」や「航空大学校」ではなく、自分でライセンスを取得し、航空会社の就職試験を受ける方法もあります。この場合は新卒とは別の採用枠での受験となりますが、すべての航空会社が実施しているわけではありません。

この方法による採用試験を実施する航空会社が出てきた背景には、近年話題になっている「格安航空会社の台頭」が挙げられます。

パイロット養成には莫大な費用がかかるため、既存の航空会社はコストダウンを図ろうと、自費でライセンスを取得した人を積極的に採用するようになりました。

現在では、JALエクスプレスやジェイ・エア、エアーネクスト、エアーセントラルなどが、ライセンス取得者の採用を頻繁に行っています。

一般大学でもライセンスが取得できるように

さらに、2006年に開設された東海大学工学部航空宇宙学科航空操縦学専攻では、ANAと航空大学校が提携し、一般の私立大学在学中にライセンスが取得できるようになりました。もちろん、大学卒業の「学士」資格も取得できます。

また、2008年には同様に、法政大学理工学部機械工学科航空操縦学専修と桜美林大学フライト・オペレーションコースがJALの協力によって誕生。さらに、熊本県の崇城大学工学部宇宙システム工学科専修過程パイロットコースが、本田航空の協力で生まれました。

これらはまだ歴史が浅いものの、日本でもパイロットになるためのルートは時代とともに増えています。

パイロットとして働く

航空会社に入社してもパイロットとなれるとは限りません。勉強をし、訓練を重ね、副操縦士になるための試験に合格する必要があります。順調に行けば、20代後半くらいに副操縦士になり、40歳前後に機長に昇格することが多いようです。

パイロットに向いている人・求められる能力

<責任感>
パイロットは、多くの人命を預かる仕事なので、責任感が強い人であることが必要です。

<判断力>
判断ミスが大事故につながる可能性もあるので、どんな状況においても冷静に判断をし、的確に行動できなければなりません。

<体調管理>
空の上で交代することはできないので、常に体調を整えておく必要があります。そのため、健康であり、自己管理ができるタイプでなければ務まりません。年間に2回ほど身体検査がありますので、日頃から健康であることを心がけておくことが必要です。

パイロットの今後の見通し

近年、航空業界の競争が激化し、人員の省力化が図られています。パイロットも例外ではなく、採用人数が増える見込みはあまりない状況です。

しかし、航空機に対する需要は増えてきており、退職者もいるため、パイロットの採用自体は一定数確保されています。