芸術家とデザイナーの違い

一番の違いは「何のために仕事をするか」

芸術家とデザイナーは似て非なる職種ですが、どちらも美術的センスが必要なため混同してしまう人がいるようです。

もっとも異なる部分は、「何のために仕事をするか」ということ。

デザイナーは商業ベースで仕事をするため、基本的にクライアントやスポンサーから依頼を受けて制作活動に入ります。

制作企画会議に始まり、プロダクトの納品に至るまで何度もチェックを受けて修正を繰り返し、クライアントやスポンサーが満足するものをつくるのが仕事です。

そしてその先には一般消費者がいて、デザイナーがつくり上げたプロダクトにより一般消費者が心を動かされれば、商品の売上げが上がったり、集客数がアップしたりという成果が出ます。

最終的には、デザイナーは世の中すべての人のために仕事をしているといえるでしょう。

一方、芸術家が作品をつくるのは自己表現の手段であり、自身の信念や芸術性を広く知らしめることを目的としています。

まれに画商やスポンサーから依頼を受けて作品を制作することもありますが、テーマやコンセプトを与えられるに止まり、そこからインスピレーションを受けてどう表現するかは芸術家に任されるというのが基本です。

自分の信念を持たず、スポンサーのいいなりになる芸術家がいるとすれば、それは芸術家ではなく商業デザイナーだとえるでしょう。

働き方や収入の違い

芸術家はほとんどの場合がフリーランスであり自由業です。

時間の拘束がないため、創作意欲がのってくれば1日中作業をすることもありますし、何日も作業をせず充電に徹することもあります。

収入は作品の売れ具合に左右され、1ヶ月収入がない時期もあれば、1点の作品が売れただけでサラリーマンの数ヶ月分の収入になることもあり、安定は見込めないものの、当たりも大きいという特長があります。

それに対してデザイナーは、ほとんどの人が広告代理店や制作会社、アパレル会社の社員からスタートし、そのまま会社に留まる人もいれば、頃合いを見て独立する人もいます。

社員ならば収入は安定し、独立すれば高収入も夢ではないといえるでしょう。