【2023年版】学芸員資格認定の難易度はどれくらい? 受験資格や合格率を解説

学芸員資格は、美術館、博物館、図書館などで文化遺産を保存・展示し、知識を広めるプロフェッショナルです。

この資格を取得するためには、大学で専門課程を履修するほか、試験を受験する方法と、実績や学識を示す審査認定の方法があります。

この記事では、学芸員資格をもっていない段階から学芸員を目指すための道のりや、試験の内容や難易度、合格率などのポイントを解説します。

学芸員採用までの流れ

学芸員は、日本の博物館や文化機関において重要な専門職であり、文化財や資料の保護、研究、展示、普及活動を担当します。

学芸員の資格を取得するためには、以下の3つの方法があります。

  • 大学で博物館に関する科目の単位を修得し、学士の学位を取得する。
  • 大学に2年以上在学し、博物館関連科目を含む62単位以上を修得し、3年以上の学芸員経験(学芸員補)がある場合。
  • 文部科学省が年1回実施する「学芸員資格認定」に合格する。

最も一般的な方法は、大学で博物館関連科目を学んで卒業し、学士の学位を取得する方法で、実際に、学芸員を目指すほとんどの人がこのルートで資格を取得しています。

一方、現在は学芸員の資格を持っていないけれども、これから学芸員として働きたいと考える人たちもいます。

この場合、「学芸員資格認定」に合格することが必要です。

資格の認定は試験を受けて行う方法と、試験なしに審査に通過する方法の二つがあります。

学芸員になるには? 必要な資格は?

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学芸員の受験資格

資格認定試験

試験認定試験は、一定の試験を受験して合格することで、学芸員の資格が認定されるものです。

試験の内容は、学芸員として必要な知識やスキルに関連したものです。

学芸員資格認定試験は、下記のいずれかの条件を満たしていれば受験することができます。

  1. 学士の学位を有する者
  2. 大学に二年以上在学して六十二単位以上を修得した者で二年以上学芸員補の職にあった者
  3. 教育職員の普通免許状を有し、二年以上教育職員の職にあった者
  4. 四年以上学芸員補の職にあった者

試験は必修科目8科目と選択科目2科目の筆記試験です。

なお、学芸員試験認定に合格後、一年間「学芸員補」として働くことで、「学芸員」の資格を取得することができます。

資格認定審査

審査認定は、試験を受験せずに、実務経験や業績などを提出して審査に通過することで、学芸員の資格が認定されるものです。

試験を受験することが難しい場合や、すでに実務経験が豊富な人に適しています。

下記のいずれかの条件を満たしていれば、学芸員資格審査を受けることができます。

1.修士若しくは博士の学位又は専門職学位を有する者であって、二年以上学芸員補の職にあった者
2.大学において博物館に関する科目(生涯学習概論を除く。)に関し二年以上教授、准教授、助教又は講師の職にあった者であって、二年以上学芸員補の職にあった者
3.次のいずれかに該当する者であって都道府県の教育委員会の推薦する者
(1)学士の学位を有する者であって、四年以上学芸員補の職にあった者
(2)大学に二年以上在学し、六十二単位以上を修得した者であって、六年以上学芸員補の職にあった者
(3)大学に入学することのできる者であって、八年以上学芸員補の職にあった者
(4)その他十一年以上学芸員補の職にあった者
4.その他文部科学大臣が前各号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者

審査内容は書類審査と面接です。

学芸員の難易度・合格率

資格認定試験

学芸員の資格認定試験は、社会に出てから受験することが多く、そのためには十分な復習と専門知識の習得が必要です。

学芸員の資格認定試験は、専門知識とスキルを要求する難易度の高い試験とされています。

受験者は多くの場合社会に出てから数年経過しており、学生時代の知識の復習が必要です。

気軽に受験できるものではなく、合格には多くの時間を割かなければ難しいとされています。

2022年度の学芸員の資格認定試験の合格率は49.5%であり、受験者数97人、合格者数48人という数字から見ると合格者数が受験者数の約半数を占めていることがわかります。

試験合格後、学芸員補として一年間の経験を積む必要があります。

この期間中に実務経験を通じて学芸員としてのスキルをさらに磨く機会が提供されます。

資格認定審査

学芸員審査認定は、試験を受験しない方法で学芸員の資格を取得するためのプロセスです。

学芸員審査認定を受けるには、修士または博士号を取得していることが一般的な要件であり、学芸員資格者と同等以上の学力と経験が求められるため、合格は決して簡単なものではありません。

審査内容は、主に資料の提出と面接です。

受験者は、過去の業績や学識に関する資料を提出します。

おもに博物館や関連分野における著書、論文、報告などが中心です。

提出された資料は審査の対象となり、学芸員職にふさわしい学識と経験があるかが評価されます。

また審査認定の一部として、面接が行われることがあります。

面接では受験者の人物や専門知識、職務への適性などが評価されます。

2022年度の学芸員審査認定の合格率は52.0%、受験者数50名のうち、合格したのは31人です。

試験認定試験に比べて合格率が低い傾向にありますが、審査認定は実務経験や学識を重視するため、すでに一定の実績のある人にとっては有利となるでしょう。

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認定試験実施体制の変更

学芸員の資格を認定する試験は2024年度以降、隔年実施に減る見込みで、筆記試験と審査を年ごとに交互に実施することが検討されています。

また筆記試験において、選択科目が廃止される予定です。

試験実施回数や科目の変更によって、これから学芸員を目指したい人は、準備や受験計画に大きな影響がある可能性があります。

文部科学省の公式情報や受験案内を注意深く確認し、迅速な対応を検討することが重要です。

学芸員資格認定のまとめ

大学時代に学芸員資格を取得しなかった場合、2つの取得方法があります。

「試験認定」は、試験に合格することで認定を受ける方法です。

「審査認定」は、これまでの学歴や業績、経験を提出し、審査を通じて認定を受ける方法です。

いずれの認定方法においても、合格すると学芸員資格が与えられ、文化機関や博物館などの専門職としてのキャリアを築くことができます。

なお、2024年度からは試験の実施頻度や科目が変更になる可能性があるため、受験の際には最新の情報を収集・確認するようにしましょう。

令和5年度 学芸員資格認定の概要

試験日 試験日 令和5年12月7日(木曜日)~ 12月8日(金曜日)
試験地 試験地 調整中(東京都内予定)
受験資格 下記のいずれかに該当すれば試験を受けることができます。
1.学士の学位を有する者
2.大学に二年以上在学して六十二単位以上を修得した者で二年以上学芸員補の職にあった者
3.教育職員の普通免許状を有し、二年以上教育職員の職にあった者
4.四年以上学芸員補の職にあった者
5.その他文部科学大臣が前各号に掲げる者と同等以上の資格を有すると認めた者
試験科目 ◆必修科目
・生涯学習概論
・博物館概論
・博物館経営論
・博物館資料論
・博物館資料保存論
・博物館展示論
・博物館教育論
・博物館情報・メディア論
◆選択科目(下記から2科目を選択)
・文化史
・美術史
考古学
民俗学
・自然科学史
・物理
化学
生物学
地学
※大学における単位修得によって、免除規定があります。
合格発表 令和6年2月
合格率 62.0%(令和5年度)
受験料 受験料 3,800円
詳細情報 文部科学省 学芸員の資格認定について
詳細情報 文部科学省 学芸員の資格認定について