薬剤師国家試験の難易度・合格率
薬剤師資格とは
薬剤師は就職や転職に強く、安定した専門資格職のひとつとして人気の資格です。
しかし、医薬品全般について知識をもつ薬剤師資格を取得するには6年制の薬学部で所定のカリキュラムを修了し、そのうえで、国家試験に合格しなくてはなりません。
独学や通信講座で簡単に取得できるわけではないため、注意が必要です。
ここでは、薬剤師資格を取得するための国家試験について詳しく紹介します。
薬剤師の受験資格
薬剤師資格を取得するには、薬剤師国家試験に合格する必要があります。
3つの受験資格の内容をわかりやすく要約すると、以下のようになります。
1)6年制の大学薬学部を卒業していること
2)外国の薬学校を卒業しているか、外国で薬剤師免許を取得していること
3)平成18年度から平成29年度までの間に大学に入学し、4年制の薬学部を卒業した後、大学院で薬学の修士課程または博士課程を修了していること
(2)もしくは(3)は例外的な場合で、ほとんどの人には関係ありません。
一般に薬剤師資格を取得するには、基本的には(1)のルートで、大学の6年制の薬学部を卒業している必要があります。
また、短期大学や専門学校では薬剤師試験の受験資格を取得することはできないため注意しましょう。
薬剤師の難易度・勉強時間
薬剤師国家試験は、年に一度、3月に2日間の日程で実施されます。
受験する年によって難易度が若干変わりますが、平均的には60%から80%くらいになることが多いようです。
合格率は高く見えますが、これは大学側が受験者を絞っていることも理由のひとつです。
卒業前に大学で実施される試験に合格しないと、国家試験を受験できないというわけです。
薬剤師国家試験の出題範囲は膨大であり、6年間しっかり勉強をしておかないと合格することは難しいでしょう。
国家試験の直前期などは、1日8時間にもおよぶ時間を費やして試験勉強に臨む受験生が大半といわれています。
大学によって異なる合格率
薬剤師の国家試験の合格率は、大学によって異なります。
令和5年度の試験での合格率のよい大学を見てみると、国立大学では金沢大学の93.3%が目立ちます。
私立大学では、名城大学の95.6%です。
一方で、合格率の低い大学になると合格者は3割ほどにとどまっており、大学によって大きな差があることがわかります。
この理由のひとつとして、大学によって薬剤師国家試験の対策にどれぐらい力を入れているかが違うことが考えられます。
高い国家試験合格率が入学志望者を増やすことにつながるため、国家試験対策に全力を注いでいる私立大学がある一方、製薬会社や研究機関で活躍できる学生を養成することを重視して、より高度な研究に力を入れる国立大学もあるのが実情です。
薬学系の大学を目指す場合は、各大学がどのような目標を掲げてどういったカリキュラムを組んでいるかをよく知ってから選ぶことが大切です。
薬剤師国家試験の受験者数、合格率
薬剤師国家試験受験者数の推移
薬剤師養成課程が4年制から6年制に移行するにあたり、平成21年、平成22年度の合格者数が減少していましたが、6年制最初の試験である平成23年度試験以降、受験者数は元にもどりつつあります。令和5年度試験の受験者数は13,585人となりました。
薬剤師国家試験合格率の推移
4年制時の合格率は70%前後で推移し、新卒の合格率は約85%、既卒の合格率は約45%となっていました。6年制への移行により、合格率にばらつきがでていましたが、近年70%前後を推移しております。
令和6年度 薬剤師国家試験の概要
試験日 | 令和7年2月22日(土曜日)及び同月23日(日曜日) |
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試験地 | 北海道、宮城県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、徳島県及び福岡県 |
受験資格 | 大学において、6年制薬学課程を修めて卒業した者(令和7年3月19日(水曜日)までに卒業する見込みの者を含む。)など |
受験手続き | 受験に関する書類は、令和7年1月6日(月曜日)から同月16日(木曜日)までに薬剤師国家試験運営本部事務所又は各地の薬剤師国家試験運営臨時事務所に提出すること。 |
試験科目 |
必須問題試験物理・化学・生物 一般問題試験<薬学理論問題試験> 薬学実践問題試験物理・化学・生物 |
合格率 | 68.4%(令和5年度) |
合格発表 | 令和7年3月25日(火曜日)午後2時に厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表するほか、合格者に対して合格証書を郵送 |
受験料 | 6,800円 |
詳細情報 | 厚生労働省 薬剤師国家試験 |