司書の働き方の種類とその特徴

司書の雇用形態

司書の雇用形態や勤務先はさまざまです。

行政の採用試験に合格して地方公務員として正規雇用されている人もいれば、嘱託職員や臨時職員、あるいは契約社員として働いている人もいます。

また、学生や主婦をしながら、週に数回だけアルバイトやパートの司書として働いているという人も決して少なくありません。

一般的には司書の正規雇用は非常に狭き門だといわれているので、非正規雇用で働いている人が圧倒的に多いという現状があります。

ちなみに司書の主な勤務先としては、各地域にある公立の図書館以外にも、小学校や中学校、高校などの学校図書館があげられます。

この他にも、大学や民間企業に併設されている、専門的な資料を扱う図書館などもあります。

正規職員の司書

「行政職」としての採用

図書館で働く司書は、公務員という立場で働くことも可能な職業です。

公務員の司書になるにはいくつかの道が考えられますが、ひとつは地方公務員試験の「行政職」の試験を受けて合格し、自治体に採用され、各地域の公立図書館へ配置されるという形です。

この場合、地方公務員として働くことができますが、必ずしも図書館に配置されるわけではありませんし、異動によって図書館以外の場所で働くことになるかもしれません。

また、国立国会図書館では独自に採用試験を行っており、採用されれば「国会職員」という特別職の国家公務員の立場で働くことができます。

「司書職」としての採用

一部の自治体では、「司書職」区分での採用を行うことがあります。

ただし、この採用を行っているのは全国でもごく一部の地方自治体であり、さらに求人を出す場合も採用人数は若干名といったことがほとんどです。

倍率はおよそ数十倍程度と非常に高くなるようです。

いずれにしても公務員として正規雇用で働ける司書は、生活や待遇が最も安定しているといわれています。

非常勤の司書

司書として働いている人のなかには、非正規雇用や非常勤の人もたくさんいます。

ここでは、どのような働き方があるのか見てみましょう。

嘱託職員

市役所や公立図書館、公立病院等の公的機関には嘱託職員として勤務している人がいます。

嘱託職員の「嘱託」とは、正規に雇用しないで(いわゆる「正社員」としてではなく)、ある業務に従事するよう依頼する、という意味です。

司書の場合も、図書館で非正規雇用として働いている嘱託職員がいます。

臨時職員

臨時職員というのはその名の通り「臨時」で雇われた職員のことで、「地方公務員法」第22条に規定され、採用期間が6ヶ月未満(契約を更新しても最長1年未満)という短期就労となります。

公立図書館での司書のアルバイトは、「臨時職員」という呼称で募集がかけられる場合があるため注意が必要です。

ある都道府県の市立図書館における臨時職員募集の例を挙げると、採用人数は「若干名」、応募条件は「司書資格」を持っていること、勤務曜日は「土・日曜日を含む週5日」と書かれています。

勤務時間に関しては「8:30~17:15」あるいは「10:45~19:30」という2パターンで、時給は「860円」です。

このほか、年2回の期末手当の支給や、交通費も上限つきで請求できる場合があります。

派遣の職員

図書館で働く司書のなかには「派遣」の形で働いている人もいます。

派遣の図書の仕事内容は、派遣先となる図書館によって多少異なりますが、メインとなるのは本の貸出や返却といったカウンターでの受付業務です。

そのほか、返却された本を棚に戻して整理したり、指示された通りに新しい本を購入したり、館内の巡回や清掃、あるいはデータ入力や書類作成といった事務作業を行うこともあります。

また、司書としての経験豊富な人の場合、さらに専門的な業務を任されることもあります。

派遣の司書の勤務先は、さまざまな図書館のなかでも大学の図書館が中心です。

司書資格は司書として働くうえで絶対に必要なわけではありませんが、持っていると有利になることがあり、さらに案件によっては必須の場合もあります。

派遣として司書業務に携わりたい場合は、まず派遣会社に登録をするところからスタートします。

司書の経験の有無、希望の勤務条件、その他のスキル(語学力、PCスキル)などを派遣会社に伝え、司書として働きたいことを伝えておきます。

司書の求人募集が出た際に条件が合えば、案件を紹介してもらうことができます。

しかし、求人数自体が決して多くないため、もし求人が出た際にはかなりの高倍率になりがちです。

アルバイト・パートの司書

最近では、公立図書館でもサービスが多様化しており、夜遅くまで開館しているところが増えつつあるようです。

また、大学に併設されている図書館では、以前から学校の授業や部活動後に図書館で勉強する学生のニーズに応えるべく、夕方から夜にかけて図書サービスを提供するアルバイトやパートの司書を募集しています。

たとえば、東京のある私立大学では司書資格の有無を問わず、週に3日、17:00~22:15(休憩なし)の時間帯で勤務できる人を探していました。

時給1,000円に夜間手当がつき、交通費も上限はありますが実費支給です。

なお、これは大学図書館から業務委託を受けている企業が出した求人です。

もし、あなたが大学生、あるいはこれから大学に進学しようとしていて図書館の仕事に興味があるのであれば、所属している(または、入学予定の)大学でも司書のアルバイトを募集しているかもしれません。

学生課などに問い合わせてみるとよいでしょう。

フリーランスの司書

司書としての就職を目指す人のなかには「いずれは独立したい」とか「フリーランスとして働いてみたい」と考える人もいるかもしれません。

しかし、現実的には、司書はフリーランスで働くことが難しい仕事です。

世間には、ライターやデザイナー、編集者のようにフリーランスで活動することが珍しくない職業もたくさんありますが、どちらかというとクリエイティブな業種に集中しています。

組織に頼らずとも自分のセンスやアイディア、人脈などを武器に仕事ができるからこそ実現することなのかもしれません。

一方で、司書の場合は公立図書館や学校図書館などに所属して事務作業をするのがメインになるので、個人での活動は難しいのが現状です。

どこかに就職して働くことになるでしょう。

副業・在宅の司書

副業は可能

それでは、司書は副業や在宅で仕事をすることは可能なのでしょうか?

これに関しては、まず、副業として働くことはできるようです。

アルバイト・パートとしての司書の求人は一年中出ているわけではありませんが、図書館はさまざまな場所にありますから、こまめに情報をチェックしていれば見つかるはずです。

副業の場合、週に1~2日程度で短時間の勤務が中心になると考えられますが、どのような条件で働けるかは図書館によって異なります。

実際に家庭を持っている主婦が、パートとして司書業務に就いている姿もよく見られます。

司書は体力を要する仕事ではなく、正社員でなければさほど難しいことも普通は任されないため、副業にしやすいといえるのでしょう。

在宅は困難

在宅勤務で司書として働くのは現実的には難しいといわざるを得ないでしょう。

図書館のIT化が進み、本の整理などの作業にコンピュータが導入されるようになったとはいえ、まだまだ現場での手作業が多いのが司書の仕事です。

本の貸出や返却業務はカウンターにいなければできませんし、新着本を整理したり傷んだ本を修繕したりする作業も実際に本を手に取らなければできないからです。

もちろん、これからの時代の進化とともに、いずれは司書が在宅でできる作業は増えていくかもしれません。