司書の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

司書を目指すきっかけで多いものは?

司書を目指すきっかけとして最も多いのは、「本が好きだから」「読書が趣味だから」というものです。

「大好きな本のそばで働きたい」とか「自分の好きなことを仕事にしたい」という気持ちからこの職業を目指す人は非常に多いようです。

また、

「子どものころに、図書館の司書さんが探している本をすぐに持ってきてくれた」
「調べたい事柄がどの本に載っているかわからずに困っていたら、司書の人がリストを作って教えてくれた」

などという経験から司書という職業に憧れを抱き、自分も同じように図書館で働きたいと思う人もいます。

また、司書は地方公務員として働くことができるので、安定した職業に就きたいという思いで司書を目指す人もいるでしょう。

司書の志望動機の考え方

司書の採用試験は狭き門となることで知られています。

正規雇用での採用人数そのものが非常に少ないので、若干名の定員に対して何十倍もの応募が殺到する人気の職業となっているのです。

このような厳しい就職試験を勝ち抜くためには、志望動機を「強い意欲」として示さなければなりません。

前述の通り、「本が好きだから」「司書に憧れて」という志望動機は他の受験者も同じなので、もう一歩踏み込んだ志望動機で他の人との違いをアピールしましょう。

その際に忘れてはならないのは、「もし自分が採用する立場だったら、どんな経験があり、どんな価値観を持っている人物を合格させたいか」という視点です。

司書を目指したきっかけを大切にしつつ、自分がその職業に就きたい理由を深く掘り下げてみてください。

司書の志望動機の例文

歴史への興味を仕事に生かして

「子どもの頃から日本史や世界史の勉強をするのが大好きで、図書館にこもって一人で歴史の本を読みふける時間を何よりも楽しみにしていました。

本屋では手に入れることができないような貴重な文献や資料にたくさん触れることができ、私の歴史への興味や関心が深まる大切なきっかけになったと思っています。

この町の図書館は特にこのような歴史的な資料の貯蔵に力を入れているため、休日には何度も足を運んだ思い出があります。

かつての自分のように歴史に興味のある子どもがたくさんの書物と出会えるよう、この町の司書として働くのが私の夢です。」

運命の出会いをサポート

「私は昔から読書が苦手で、高校のころまではほとんど本を読まないという生活をしていました。

しかし、大学一年生のとき、試験勉強をするために立ち寄った図書館である推理小説に夢中になり、突然読書の面白さに目覚めました。

それからは毎日図書館に通って本を読むようになり、今では司書を目指すほど読書好きな人間になりました。

世の中には「読書が苦手」という人がたくさんいるかと思いますが、一冊の本との出会いで世界が大きく変わるのだということを実感しています。

いつの日か、誰かの運命の本との出会いをお手伝いできるような司書になりたいです。」

地域に貢献できる仕事を

「図書館は本を読むだけの場所ではなく、勉強をしたいときや資料を探したいときにもなくてはならない大事な施設です。

子ども向けに開かれる読み聞かせや紙芝居の会は子育て中の親子をサポートする場にもなりますし、最近では読書会を通して本好きな住民どうしが交流する場にもなっています。

地域の図書館は、地域の人にさまざまな形で幸せを運ぶことができる場所だと思います。

大好きな本を通して司書としてさまざまなサービスや企画を考案することで、私も地域に貢献していきたいです。」

司書の面接で聞かれること・注意点

司書の面接ではさまざまな質問があります。

「自己PR(長所・短所)」や「志望動機」、「最近、気になるニュース」、「最近、読んだ本」は、確実に答えられるようにしておきましょう。

司書という職業ならではの質問としては、「あなたにとって図書館とは何か」や「あなたにとって本とは何か」があります。

どのような価値観で図書館を捉えているのか、今までの人生で書籍とどのように関わってきたのか、ということを改めて自分の言葉でまとめるのは難しいかもしれません。

しかし、司書養成課程の授業で学んだことを踏まえながら、経験を振り返ってみるとよいでしょう。

また、出身地以外で司書職を受験する際には、「なぜその地域の図書館を選んだのか」と質問されます。

親戚が住んでいて何度も訪れたことがあったり、大学の所在地だったりすればよいのですが、特にゆかりのない土地では困ってしまう質問でしょう。

「希望する都道府県では司書の募集がない」という本音を答えると、「それならこちらでなくても、他県の図書館でもよいのでは?」と思われてしまう可能性があります。

必ず事前に、その地域の特色を調べておきましょう。

公立図書館であれば行政が、大学図書館であればその学校が力を入れて推進している事業を知っていれば、それに関連させて答えることができます。

司書の自己PRのポイント

これまでに少しでも図書館業務に携わったことのある人には、「どんな業務を担当していたか」や「どのようなスキルを持っているか」と問われます。

自分の得意とする業務がある人や専門的な知識がある人は、積極的な自己PRに繋げていきましょう。

一方、図書館で働くことが初めてという人の場合は「図書館ではどのような仕事をしたいか」と質問されることになるので、将来のビジョンを具体的に語れるとよいでしょう。

また、たとえ仕事として図書館で働いた経験がなくても、高校時代に「図書委員会」として活躍した経験があったり、大学時代に「本屋のアルバイト」として働いた経験があったりすると、自己PRに繋げていくことはできます。

本が好きだという情熱や本を通してどのような経験を得てきたかを自信をもって語りましょう。

大学によっては、面接練習や面接指導を通してこのような自己PRをチェックしてくれることもあります。

身内や友人以外にも、あなたの「司書になりたい」と意欲を応援してくれる人がいるのです。

一人で悩まずに大いに頼って、アドバイスを受けてください。

一回でも、採用試験と同じような状況でリハーサルをしておくと、当日の緊張感がかなり和らぎます。

司書の履歴書で気をつけるべきことは?

司書として働くにあたっては必ずしも資格が必要というわけではありません。

しかし、実際の求人を見てみると司書資格を取得している人を積極的に募集していることが多いようです。

司書の採用試験を受ける人は、履歴書を書く際に自分の持っている資格についてしっかり記述しましょう。

「司書」ではなくて「司書補」の場合も、書いておくとよいでしょう。

また、司書の採用試験は狭き門となるため、履歴書に志望動機の欄がある場合は熟考したうえで書くようにすることが大切です。

「読書が好きだから」とか「本のそばで働きたい」という一般的な志望動機だけでは、大勢の受験生のなかに埋もれてしまうことがあります。

仕事に繋げられるような特技や専門知識がある場合はしっかり自己PRに繋げるようにしましょう。